はぁ、終わっちゃいましたねぇ。

関西では高校野球で12日の分が19日、19日の分が24日に放送されたので、ついこないだ「万丈ーっ!」って言ったばっかりなんですが。

中一日(なかいちにち)でもうその続きを見られてしまった。いいような悪いような(来年からは全国同時放送してほしいよ、朝日放送)。

「仮面ライダービルドは戦兎と万丈の愛の物語」ということが最後まで貫かれた大変いい最終回でした。
うん、映画の感想で書いた妄想もだいたい合ってたし。

“すべてがリセットされても戦兎と万丈だけはお互いがわかる”

まぁ、リセットされた世界に、「本来いないはずの2人がいる」、なので、ちょっとニュアンス違うけどもね。

エボルトのいない世界。スカイウォールも存在せずに過ぎた十年。
当然桐生戦兎という人間は造られないし、万丈龍我にエボルトの遺伝子が混入することもない。

普通の人間として、でもちゃんと格闘家になってカスミちゃんと付き合ってる黒い髪の万丈。「生きてるだけで十分だ」って言う戦兎がせつなかったなぁ。たとえ自分のことを覚えてなくても、それでも万丈が、生きてさえいてくれれば。

なんという深い愛なんだ……。

その後本物の(?)万丈が登場して「最高だっ!」って言う時の戦兎の顔がまた。

犬飼くんほんとお芝居うまいよね。

世界を救って、でもその新しい世界で、2人を知っている者はいない。世界が救われたことすら知らないのに、2人の激闘や苦しみ悲しみを知っているはずもない。

SPECの結末と似てるよね。

世界を救って、「違う歴史を刻む世界」で、当麻は「にじみ」として無間地獄をさまよい、瀬文さんは殺人犯として収監される。

地居と美鈴ちゃんが遊園地デートしていたり、他の登場人物が「違う時間を幸せに生きている」ことが描かれて、でもそれを実現するために一番奮闘した2人は救われず、誰も彼らの戦いを知らない。覚えていない。

それでも。瀬文さんだけは当麻の存在に気づいてくれて。
腕を、掴んでくれて。

万丈は「にじみ」にならなくて本当に良かった。
戦兎と2人でちゃんと実体を持って末永くお幸せに暮らしていけて。

エボルトの遺伝子を持たない黒い髪の龍我が存在するように、あの世界には桐生戦兎にならない佐藤太郎がそのまま存在しているはずで(ファンがいるほどツナ義ーズが売れていることにびっくりしたw)、葛城巧も葛城巧のまま生きているはず。

佐藤太郎と桐生戦兎は顔同じでも名前違うからいいけど、万丈は名前もそっくり同じなのにどうするのかなぁ。別にどうもしないのか? 戦兎がいればそれでOKか?(笑)

戦兎の万丈愛、万丈の戦兎愛はずっと描かれてきたけど、ついに「ラビット!ドラゴン!ジャストマッチ!」で、「俺と万丈は最高のコンビなんだよっ!」と戦兎の愛の告白が!!!

言っちゃう、それ言っちゃう!?(笑)

エボルトの中で「くしゃっとしてるんだよ、今、俺の顔」って言う万丈もまた。

映画で物足りなかった万丈側からの愛もしっかり描かれてたよね。そうよ、万丈も戦兎の愛に応えて敵の内側から壊さなくちゃ(しかしやたらに吸収される万丈…)。

ビルドは最初からクライマックス過ぎて、途中、「新しいボトルを発明する→倒せない→さらに発明する→やっぱりダメ」のくり返しに少し疲れてきて、「ルパパトの方が楽しいなぁ」と思ったりもしてたんだけど、この終わり方は実に好みだった。

映画での「Be The One」よりもっと、「2人で1人の仮面ライダー」感あったもんね。「勝利の法則は、決まった!」って万丈と戦兎、一緒に言うとことか、「オーズ」の最後で「タカ!クジャク!コンドル!」をアンクちゃんの声で言うとこを彷彿とする。

ついにエボルトが破壊された後、万丈に向かって必死で手を伸ばす戦兎(ビルド)の姿も、アンクに手を伸ばす映司くんのようだった。

良かったねぇ、2人は無事、一緒にいることができて。
(どこまでもオーズを引きずる)

他のメンバーが「エボルトの存在しなかった世界」でそれぞれに「存在した世界」でのシーンをなぞるように出てくるのも良かった。うつみんもサイボーグになることなく(笑)。

でも難波会長は10年よりもっと前から「難波チルドレン」育てて日本を支配しようとしてたんじゃないの? それもスカイウォールの影響で攻撃的になったから、というあれなのかな。うつみん働いてたの難波機械工業とかいうところだったから、難波会長は「孤児を引き取って育てて従業員にするいい経営者」になってるのか。

「顔くしゃっとする」も懐かしいセリフ&懐かしいシーンを「ここで持ってくるか!」だったし、「今度は俺だけに記憶があるのか」っていうのも、各話冒頭ナレーションへ回帰するのも、ほんとによく出来てたなぁ。「49本のデータ」っていうのがちょっと中途半端だったけど。なんで50ではなく49に分けようと思ったの、戦兎。7×7だから!?

あ。
でも民衆が仮面ライダー応援するところはちょっと。
「あんたらこないだ(映画)はライダーを疎むべき敵として狩ってましたやん。洗脳されてただけやなく、心の底にライダーへの恐怖・嫌悪があるんちゃいますのん」と。
えらい勝手やん、と。

東映公式では“今回の「劇場版」と放送を終えたばかりの「第48話」では、仮面ライダーというヒーローを意図して対照的に描いています。”って書いてあるけど。

まぁ民衆ってそうなんだろうな。オーズでは「仮面ライダー(映司くん)を都合のいい神様にしないで」っていうセリフがあったけど、平時にはその力を「怪物」として忌み嫌うくせに、非常時には「助けて!」と縋る。

それをわかってなお「みんな」のために戦える者。「そんな愚かな人間だけが、世界を救えるのかもな」。

LOVE&PEACEのLOVEは万丈へのLOVEだったけれども(笑)。


はぁ。
スタッフ、キャストの皆さん、一年間お疲れ様でした。

仮面ライダーって本当にいいものですね。