少々お値段が張るので図書館で借りてきました。

これは!

いいものだ!!!

お高いのも無理はありません。オールカラー総ルビ。伝説の名力士から現役力士まで、写真もふんだんに使われ、むしろ安いぐらいなのでは……と思う充実ぶり。

特に二巻目の「すばらしい相撲の世界」が非常に勉強になります。

「相撲の歴史」を力士をかたどった埴輪から紹介してくれています。古代エジプトやバビロニアの話まで出てくるんですよ!

スポーツだ、いやただのスポーツじゃない、と色々言われるお相撲ですが、日本でどのように相撲が発展してきたのか、神事としての相撲、興行としての相撲、そして「大相撲」の歩みについて、わかりやすく教えてもらえます。

目次のところに「この本を読む前に」という注意書きがあって、

・この本では「大相撲」は日本相撲協会が主催する相撲興行のこと。
・「相撲」とした場合は大相撲を含めアマチュア相撲、祭りでの儀式、他国の類似競技を含む。(※主旨要約。この通りの文章ではありません)

としっかり書かれています。

大相撲ファンとしてはついつい「相撲」=「大相撲」と考えてしまうんですけど、「相撲」はそれだけじゃないんですよね。

とはいえやはり「相撲」全体に占める「大相撲」の位置は大きいので、一巻目は「大相撲を楽しもう!」というタイトルで、本場所の仕組みや決まり手一覧はもちろん、行司や床山さんといったいわゆる裏方さんのお仕事紹介、日々のけいこや巡業まで、大相撲の魅力がたっぷり。

56ページほどのコンパクトな本なんですけど、前述の通りオールカラーで写真やイラストを駆使、各ページ下段には「豆知識」的な情報が置かれ、なかなかの読み応え。ちょこちょこデーモン閣下も登場して、「シンプルだからこその奥深さがあるのだ!(P35)」といった「一言」を発してらっしゃいます。

「呼出し」さんの仕事紹介で懸賞幕が描かれているところ、ちゃんと「うただま」(デーモン閣下のアルバム)の懸賞幕があって、心憎いです。

奥付のデーモン閣下の紹介文、ちゃんと肩書きが「悪魔」になっていますし。

考えたらすごいですよね、悪魔が監修する児童書(^^;)

今年の2月に刊行されたばかりで、現役力士の写真も多く、2巻目の「記憶に残る名勝負」コーナーでは「宇良vs天風」の一番が紹介されています。ふたりとも顔見えないんですけど(笑)。十両以上で初めて「たすき反り」が出た取組だったんですよね。

「昭和後期の名力士たち」のところではまだ輪島さんに没年が書かれていなくて……うう。

「伝説の名力士」で紹介されている栃木山の写真がすごく格好いいし、1巻目の見返しには「優勝力士一覧」、2巻目の見返しには「横綱一覧」とホントに情報量が多いっ!

子ども時代の昭和天皇がお相撲を取ってる写真まで掲載されています。

二巻目には「自分たちでも相撲を取ってみましょう」と基本の動作や技をイラストでわかりやすく説明するページもあり、ぜひとも全国の学校図書館に置いていただいて、多くの子ども達に手に取ってもらいたい――お相撲取ってみてもらいたいですね。

総ルビかつ写真&イラストが豊富なので、相撲に興味のある外国の方々にも良いテキストなのではと思います。


返却する前にもう1回(と言わず何回も)読み返そ♪
教育画劇さん、デーモン閣下、素敵なお相撲本をありがとうございました。