コロナ休校対策でHuluが期間限定見放題にしていた『悪夢ちゃん』をこの1週間ほど夢中になって見ていた。

2012年10月期放送のドラマで、テレビシリーズ本編終了してからもう7年以上経ってるんだけど、今見たらまだ公式サイトが生きてる。2014年GW公開の映画からももう6年、よく残ってるなぁ(こういうの、消す方がむしろめんどくさいのかな)。

ちなみにAmazonPrimeVideoでも有料で見られる。


もともとはGACKTさん目当てでチャンネルを合わせたドラマだったけど、すぐに引き込まれ、北川景子演じる彩未先生が大好きになった。
3話の最後の、「空気を読んで笑うな!」からの、「先生もこれからは無理に笑ったりしません」のくだり、今見てもやっぱり最高で、めちゃめちゃ格好いい。

悪夢ちゃんの悪夢の謎解き、変わっていく彩未先生、彩未先生の秘められた過去、そしてGACKTさん扮する志岐貴が敵か味方か……。

ミステリー要素、ファンタジー要素、何より「教師もの」としてすごくよくできてる
家族関係に悩む子ども達のエピソード、どれも胸に迫るし、誰にも注目されない「顔のない透明人間」とかほんとアラフィフ引きこもりBBAにも突き刺さる。
引きこもりヲタお兄ちゃんがネットを駆使して妹を守るエピソードもいいよねぇ。

クラスでは女王様然としていた女の子が実は家では劣等感に苛まれていて、嘘をついたことがバレて教室で総スカンをくらったり、この子ども達の「手のひら返し」もあるあるでツラい。

父親が殺人犯って話まであるんだもんなぁ。
その現実から決して逃げない女の子。この子は「人の心の中を勝手に覗くなんて!」という問題提起もする。たとえそれで事件が解決したとしても、勝手に覗かれるなんて我慢ならない。

悪夢ちゃん自身は好きで他人の無意識と繋がってるわけじゃないし、自分のそんな能力に一番傷ついてるのは悪夢ちゃんだろうけど、「悪夢ちゃんの夢を利用して事件を解決する」のが当たり前になってきたところで、ちゃんと「それはいいことなのか?」って出て来るのが素晴らしい。

優香扮する養護教諭琴葉先生もすごくいいし。
最初はゲスな覗き見趣味の困った変人先生かと思ったのに……いや、たぶん変人は変人なんだけど、それはそれとしてちゃんといい先生なんだよなぁ。悪夢ちゃんに「私たちの学校に来てくれてありがとう」って言うとこ、泣けた。

彩未先生にしても琴葉先生にしても、腹黒だったり口が悪かったり興味本位だったりする部分と、子どものために行動する部分はフツーに両立するんだよな。
人間はそういうもので、100%善とか100%悪というのじゃなく、いいところも悪いところもある。

琴葉先生が単なるバイク乗りじゃなくてサイドカー乗ってるのにはびっくりだけど。
サイドカーなんてキカイダーぐらいしか乗らないでしょ!?(そんなことはない)

GACKTさんの出番もほんとに多くてなぁ。
しかもいい役。
テレビドラマでGACKTさんがやった中ではこの志岐貴役が一番好きだ。
GACKTさんが面と向かって「ロリコン」「フィギュア」って言われたり、公園でブランコ漕いでたりするの、他では見られないよね。

敵か味方かわからないミステリアスな役とGACKTさんのイメージが見事にマッチ、9話のラストで彩未先生を脅した銃が実は水鉄砲、っていうの、最高に好き。

10話と最終11話はDVDに焼いて残してあったんだけど、全話残しておくべきだったよね…。そういうことしてるから家の中ガラクタだらけになるんだけど。

2014年のGWに映画が公開になって、その宣伝として5月1日に舞台挨拶等を編集した「映画公開直前スペシャル」、そして5月2日にドラマスペシャルが放送。
その2つはちゃんと残してあった(宝塚と抱き合わせになっていたので探すのに苦労した)。


小学生たちと交流する女子高生としてがっつりももクロが出てて、最後には「きもクロ」として北川景子も一緒に「サラバ、愛しき悲しみたちよ」を歌い踊る。

ああ、あったなぁ、そんなの。
ももクロちゃんたちが出てるのは覚えてたし、あらすじも覚えてたけど、「きもクロ」のことはすっかり忘れてた。

テレビシリーズから1年以上経って、子役の子たちがみんな大きくなっちゃってる(でも5年生のまま)のもご愛敬。

「将来の夢」という作文を書けない悪夢ちゃんががんばって「将来の夢を見つけることが将来の夢」と発表して、ざわざわと嘲笑が起こる中、彩未先生が「人の夢を笑うな!」って怒るとこ、胸にしみる。

「将来の夢」とか「何になりたいか」とか、そうそう思い描けないよね。
真面目に考える子ほど、きっと簡単に口に出せない。
「夢を諦めるな」と言うのは簡単だけど、大きくなるにつれだんだん「現実」も見えてくるわけで。

6年前に見た時もそうだったんだろうけど、もはや夢もへったくれもなくなってしまった今見るといっそう心にグサグサ刺さり、「うう、君たちはまだ夢を見てくれ。がんばって前へ進んでくれ」と思う。
こんなおばさんになってはいけないよと……。

10代の俺、こんなおばさんになっててほんとにすまん。君はどうか別の世界線を歩んでくれ!


もちろん映画も映画館までちゃんと見に行って、面白かった!ってつぶやいてるんだけど、なぜかblogを書いていない。なぜだ!坊やだからか!?
4本のうち1本は『仮面ライダー大戦』で、これだけblog書いてる。この頃は仮面ライダー以外は書く必要を感じていなかったのか。昔の俺、なんで「悪夢ちゃん」映画の感想記事を書いてないんだ! 未来の俺が読みたがってるのに!!!
(ちなみに残る2本は『相棒3』と『テルマエ・ロマエ2』だったもよう)

Evernoteにはメモが残ってるから、blogを書く気があったのかもしれない。もうわからない。
映画、内容がけっこうショッキングだからか、その後日テレで放送されることもなくここまで来てると思うんだけど(放送してたら絶対録画して残してるはず)、今からでも放送してくれないかな。BS日テレあたりで。