【公式アプリで提供されるサービスがそのサービスのすべて?】
Twitterがサードパーティを締め出す前、Twitterが色々仕様変更して、嘆きの声が上がっていた時(過去形ではなく現在も“上がっている”わけだけど)、「サービスを使うこと」と「アプリを使うこと」について考えていた。
今どきは、「サービスを使う」イコール「そのアプリを入れる」ことなのかなぁ、と。
TwitterがTLにバンバン広告を挟んできても、時系列じゃなく謎の「おすすめ」順にツイートを並べてきても、サードパーティーアプリを使っている限りはまったく関係がなかった。PCではWebでTLを見ることが多かったけど、「最新」にしていれば時系列順に並んでいるはずで、嘆いている人たちはそこ切り替えてないのか?などと思っていた。
(※「最新」にしても出てこないものがあるという話も聞いたけど、あれは本当だったんだろうか。現在も「おすすめ」タブにはあるが「フォロー中」タブにないツイートがあるとか聞くけど)
公式アプリがない時代、そしてスマホがない時代からネットを使っている人間としては、各種サービスに登録するのはWebからが当たり前。まずWebでアカウントを作って、PCで使ってみて、必要があればスマホにアプリをインストール。
でも今はもうスマホメインの人が多くて、しかもWebサービスだけじゃなくリアル店舗のポイント会員とかでも「アプリを入れてね」になっていたりするから、何か新しいサービスを使う時にまずアプリを入れてそこからアカウント登録する、という流れが普通になっているんだろう。
TikTokやInstagram等を始めるとなったらそれは「そのアプリをスマホに入れる」ということで、他の、非公式アプリで使うという選択肢はない(よね?)。Twitterを始めようと思う人がまず公式アプリをインストールするのは自然なことで、公式が使いにくかったからと言って、わざわざサードパーティーアプリを調べて乗り換える人は少数派というか、「え?他のアプリなんてあるの?」という感じかもしれない。
公式アプリで垢を作って、ほぼそれでしかTwitterを使わない人にとっては、TLが時系列順じゃないのも「そういうもの」で、昔どうだったかなんて知らないんだから、気に入らなければTwitterを辞めればいいという、それだけの話なんだろう。
Twitter君にしても、「だって他のSNSは公式だけだよ?僕もそうして何が悪いの?」と思っているのかも。
アプリはサービスを使う道具でしかないけど、大抵のサービスにはその道具が「公式」の一つだけしかない。
Twitterをサードパーティーアプリで利用している人が少ないのは、UserStream廃止等Twitterがそうなるように仕向けてきたせいでもあるし、そもそも「公式で垢を作ってそのまま」の人が多いからではないか。
そこそこツイ廃だと思われる息子氏も、スマホでは公式を使ってるらしいんだよなぁ。PCはTweetDeckで、だから今回の件も「ふぅん、そうなんだ」ぐらいの感想で、「別に僕には影響がない」だった。
それでも!
おまえは!
ツイ廃か!
小学生の時からTwitterに親しんでいたくせに!!!
(中1で自分の垢を作ったはず)
TikTokもInstagramも、タイムラインは時系列順ではない。それはもうそういうもので、そうじゃないTLを表示するサードパーティーアプリは存在しなくて、だからTwitterもそういうもので。
そこを気にするのは、古参ツイッタラーだけなのかもしれない…。
【そして唐突にMastodonの話】
Twitterの代替として俄かに注目を集めることになった分散SNS、Mastodon。Mastodonの方も、最初は「公式アプリ」がなかった。
最初にMastodonのブームが起きたのは2017年で、公式アプリが登場したのはやっと2021年のこと。2021年2月にItmediaに「非中央集権SNS「マストドン」初の公式iOSアプリ、今夏リリースへ」という記事が出て、実際にリリースされたのは同年7月。「2017年に大ブーム起きたMastodon、公式iOSアプリが登場」という記事の末尾には「Android版の公式アプリの計画はあるものの、現時点でリリースの予定はない」という寂しい内容が。
その後、Android版公式アプリが出たのはなんと2022年4月。まだ1年経ってない!
「Mastodon Android公式アプリが登場へ」という記事によると、iOS版とは開発元が違うらしい。Android版はすじやん(mstdn.jpの現オーナー)ではないのね~、なんか残念(笑)。
Mastodonには公式アプリがなかったので、スマホではサードパーティーアプリ、もしくはPWAを使うのがデフォルト。
サーバーごとに独自絵文字や独自機能があったりするので、「PWAで使うのが一番いい」と言われたりもします。私もPWAとSubway Tooterを併用。
でも。
公式アプリができてしまったら、公式アプリで始める人が多数派になるのでは?
Twitterの仕様変更騒ぎで昨秋からどーんとMastodonへの流入が増えたけど、「Mastodon始めてみるか」と思った人、まずPlayストアで「Mastodon公式アプリ」を探して、インストールして、アカウント作ったのでは???
MastodonをPCで始めた人間にとって、Mastodon公式アプリはかなり使いにくい。というか、できることが限られている。
連合タイムラインが見られないし、ローカルタイムラインも見つけにくい場所に隠れている。Mastodonの特徴である「公開範囲」の設定も、本当は4種類あるのに3種類しか実装されていない。
PCだと垢作ってすぐにそこのローカルタイムラインが見られて「人がいる」のがわかるけど、公式アプリで垢を作るとまず空白の「ホーム」が表示されて、「え?どうすりゃいいの?」ってなるのでは……。「検索」タブを開けばなにがしか出てくるはずだけど、「なんかよくわからない」で結局放置、という人が多かったりしないのだろうか。
jpのローカルをいきなり見なくて済むのとか、機能を制限してシンプルにしてあるの、初心者に優しい部分でもあるけど、1からMastodonを始める人があの公い式アプリで「ホームタイムライン」を構築できるのかな。
「MastodonはまずはWebからアクセスすることを推奨」と言っても、「サービスを使ってみる」=「アプリを入れる」になっている人にはそんな声は届かないのでは……。
そもそもの問題として、実際にはたくさんある日本のMastodonサーバー、公式アプリ(及び公式サイト)に提示される一覧には3つしか出てこない。(→こんな感じ)
サーバーのURLを知っていれば、公式アプリからよその(一覧にないところの)垢を作ることもできるのだけど、そもそも「どんなサーバーがあるか」という情報があまりまとまっていない。まぁお一人様鯖もあるし、どんどん新しい鯖が立ったりするので、すべてを網羅した一覧を作るのは無理なんだけど。
(ちなみに最近作られたサーバー一覧こちら。30ぐらいの鯖が載ってるけど、ここに載ってない鯖、5つぐらい知ってる)
とりあえずjpで垢作って、適宜引っ越せばいいとは言っても公式アプリでは「連合」が見られない。ハッシュタグで頑張って検索するぐらいしか他の鯖の人を見つける手立てがないのでは……?
公式アプリでMastodon始めるの、正直ハードル高い気が。
ちなみにTwitterのサードパーティーアプリを開発していた人々がこぞってMastodonアプリを開発しているようで、公式アプリで「Mastodonわからん!?」となっても諦めないでほしいなと思ったり。(テクノエッジの記事→「Twitterクライアントアプリ開発者、続々とMastodonアプリ開発に移行」
この話にオチはないんだけど、TwitterとMastodonのおかげで、「サービス」と「アプリ」の関係性についてちょっと考えたのでした。
【関連記事】
・Twitterがサードパーティーアプリを締め出した件の個人的まとめ
・PWAでTwitterを使ってみよう!【Androidの場合】
・Mastodon公式アプリの使い方
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