昨年7月の峰さん追悼コンサート。宝塚バウホールと東京で、確か全4公演のはずだったのですが、残念ながら初日の1回だけで終わってしまいました。

2日目の昼公演のチケットを運良く手に入れて、母と宝塚で待ち合わせ。カフェで昼食を済ませ、いざ!とバウホールに向かうと様子がおかしい。
これは。
まさか。
「関係者のコロナ感染が判明したため、本日の公演は急遽中止となりました」
ええええええええええええええええ!


開場直前での急遽中止。あまりのことに現実を受け止めきれず、その場にたむろして他のお客さんとしばし世間話。その間にも続々とお客さんが訪れ、「中止の報」を知っては驚きと嘆きの声を……。

コロナだから仕方ないとはいえ、滋賀からはるばる片道2時間以上かけて宝塚まで来て、母とお茶しただけで帰るとは。
母が元気なのを確認できたのは良かった、喋れたのも良かった、しかし一度は抽選漏れして補欠合格(?)でGetした貴重なチケット、シメさん(紫苑ゆう)はじめ懐かしいOGの方々と会えるのを本当に、本当に楽しみにしていたのに。

ああ、コロナめ。

公演の性質上、振替公演は難しかろうと思って諦めていたところ、3月に再演とのニュース。今度こそ!と思って3月20日の昼と夜、2公演申し込んだら両方当たっちゃって嬉しい悲鳴
当たると思わなかったんですよ。
少なくともどっちかしか当たらないだろうと。
何しろ無職なので、2公演分は……金銭的に……いや、でも、嬉しいよ、うん、嬉しい!

家族からは「同じものを2回観るの?」と言われたりもしましたが、同じ公演を2回と言わず3回観るのは学生時代には当たり前。さすがに同じ日に同じ公演を2回観るのはやったことなくて、今回初めて同じ公演を続けて観たんだけれど。

良かった。
全然大丈夫だった。
何なら1日3回でもOK。

セトリも同じだし、トークが多少違ったものの、そもそもトークコーナー少ししかないし、ほんとに「繰り返し」なんだけど、でもいいものはいいのよねぇ、何度観ても。
途中、礼真琴さんが峰ちゃんの思い出を語る映像が流れるんだけど、全部知ってるのに2回目でもやっぱりうるうるしちゃったもん。
最後の、峰ちゃんのサヨナラショーの映像のところも。

実は私、峰ちゃんの舞台を拝見したことがなくて、大昔に観た昭和の『ベルばらⅢ』で小公子をやっていらしたのしか生では観てないんですよね。映像ではいくつか観ているんだけど。
だから今回、改めて峰ちゃんの「歌」の素晴らしさに感動してしまって。

今回映像で流れたサヨナラショーの時の「星を愛して」と、「愛の旅立ち」。音程はもちろん、すべての音がクリアに発声されてて、歌の「圧」がすごい。
なるほどこれが「峰さを理の歌」かと。
下級生たちが憧れ、敬愛した歌声。カリンチョさん(杜けあき)とかカナメさん(涼風真世)とか、宝塚には歌のうまいスターさんがたくさんたくさんいるけど、私の知っている他の「うまいスターさん」とはまた違う「うまさ」だな、と。

また日舞がキレッキレなんですよね。
宝塚舞踊会の映像なのかな? 途中、峰ちゃんと専科のお姉様ぽい方と2人で「深川マンボ」(違うかもしれない)を踊る映像が流れて、もうこれがほんとに素晴らしくて、2公演目も目を皿のようにして見てしまった。
手振りの滑らかさ、ひとつひとつの所作の美しさ、洋楽で日舞を踊るリズム感。とにかく見事で格好良くて、見入ってしまう。

峰ちゃんの美しい舞に感嘆すると同時に、「宝塚、もっと日本物ショーやらんかい!」って改めて思っちゃいました。この麗しい伝統を途切れさせてはいかん。

もちろん出演者の皆さんの歌もそれぞれ素敵でした。峰ちゃんと同期の寿ひずるさん、高汐巴さんは思い出トークも楽しく。
寿ひずるさんも歌うまいですよねぇ。「この恋は雲の涯まで」、「愛の祈り(『西海に花散れど』」、どちらも曲自体が名曲ですけど、寿さんの朗々たる歌いっぷりがまた。
「愛の祈り」は以前にシメさん(紫苑ゆう)のディナーショーでも拝聴して、「すごい曲だな」と思ってたんですが、寿さんの歌唱で聞くとまた違って素敵でした。

そのシメさんは予想通り『哀しみのコルドバ』! 出番が後半(ラスト近く)だったので、「まだかまだか、キタ━(゚∀゚)━!!!」って感じでした。
まずは南風舞さん、ジュンベさん(洲悠花)お二人での「エル・アモール」が始まり、そこにシメさんが加わって、続けてシメさんソロでの「哀しみのコルドバ~コルドバの光と影」。「コルドバの光と影」、曲自体大好きだし、シメさんの歌声、佇まい、目線の表情、すべてがたまらない!
歌だけなのに「お芝居」が――ドラマが見えるんですよねぇ。シメさんが出てくると空気が変わる。はぁぁぁぁぁ、好き!

シメさんとジュンベさんが一緒に歌ってらっしゃるのも感激だし

ジュンベさん、退団後は芸能活動されてらっしゃらないから、こうして舞台で拝見できる機会、ないんですもの。
あやちゃん(白城あやか)も大好きだけど、シメさんとジュンベさんのコンビも大好きだった。『哀しみのコルドバ』初演ではシメさんはフェリーペ役。南風さんはアンフェリータで、ジュンベさんは新公のアンフェリータ。アンフェリータは主役エリオの婚約者で、でもエリオに婚約を破棄され、ひそかに彼女を思い続けていたフェリーペに愛を告白されて……。

新人公演のフェリーペは大輝ゆうちゃんだったらしく、名前が大変に懐かしい。主役エリオを新公でやったのは今回のチャリティコンサートにもご出演の三城礼さん。三城さん、私が星組を観るようになった時にはおそらくもう退団されていて、存じ上げなかった。

あづみれいかさん、燁明さんはギリギリ舞台を拝見したことがある気がする。燁さん、シメさんと同じく「バリバリの男役!」って雰囲気で出演してらして格好良かったです。

大和悠河さん、和央ようかさんはロングヘアーで女優っぽい。途中、峰ちゃんが「とても大事にしていた役」ということで『CHICAGO』コーナーがあり、マリコさん(麻路さき)、ズンコさん(姿月あさと)、大和さん、和央さん、わたる君(湖月わたる)で思い出トーク&『CHICAGO』ナンバー披露。
公演の際の裏話、短かったけど面白かった。マリコさんがとてもいい味……。ブラジルと行き来して舞台をこなしているマリコさん、『CHICAGO』公演の際は峰ちゃんの家に泊まってお稽古に通っていたとかで、最後に峰ちゃんのお見舞いに行った時も、もう一度『CHICAGO』やりたいね、という話になったそう。

このコンサートの発起人にマリコさんの名が上がってるの、「へぇ~」と思っていたんだけど、星組下級生というだけでなく、そういうご縁もあったのね。

『CHICAGO』ナンバー、まず誰から?と言われて「はい!はい!」と手を挙げるわたる君がとっても可愛かった。わたる君、本当にスタイルいいし、男役さんのシュッとした部分を残しながらも非常にキュートで良い♡

ズンコさんはちょっと声が嗄れてる感じだったかな? あのナンバーに合わせてわざとおじさんっぽく歌ってたのか。ズンコさんちょっと痩せすぎだった。心配。

マリコさんはここではお歌いにならなくて、もしかしてトークだけで歌わないのかな??と思っていたら、後半ショーのナンバーを。「愛のシンフォニー」だったかな。

後半、ノルさん(稔幸)が『我が愛は山の彼方に』、続けてマリコさん、シメさんと来て、ネッシーさん(日向薫)が『紫子』の曲。あの頃の星組トップさんが順番に~~~。
途中、ノルさんとブンちゃん(えまおゆう)が2人で歌う曲もあって、すごく嬉しかった。ノルさんがトップでブンちゃんが二番手、そしてブンちゃんも星組のトップになるはずだったのに……どうして! どうして歌劇団はブンちゃんを星組のトップにしなかったの!!!(これは一生言い続ける)

こけしさん(花愛望都)タキちゃん(出雲綾)のソロがなくて残念だったけど、ちあきさん(ちあきしん)はソロが2曲あった! 開演前のアナウンスもちあきさんだったんじゃないかな。ドレス姿のちあきさんが新鮮でおきれいだった。

ラストはコンサートのタイトルにもなっている「愛の旅立ち」。1番を峰さんの映像で、そして2番を峰さんと出演者の皆さんで一緒に。

「愛の旅立ち」、シメさんのディナーショーでも拝聴していますが、ほんとに素敵な曲ですよねぇ。なんか改めて、昔の宝塚の曲、良いなぁとしみじみしました。もちろん今が悪いわけではなく、昔ほど何回も観ないせいで覚えられない、印象に残りにくいだけなんでしょうけど、『プラス・ワン』のあの展開の仕方とか、曲だけで盛り上がる。

1時間40分ほどのステージを2回。
昼公演と夜公演の間には咲き始めた花の道の桜も楽しむことができ、良い一日でした。


我が青春の星組のスターさんたち、ゲストのスターさん、スタッフさん、そして何より峰ちゃん。
ありがとうございました。