9月12日の雪組『ベルサイユのばら』東京新人公演をライブ配信で楽しみました♪
宝塚を見始めて30年以上経ちますが、新人公演を見るのは初めて。家に居ながらにして新人公演まで見られるなんて、いい時代になりましたねぇ。

どうして今回珍しく新公を見てみようと思ったかというと、ずばり華世京アンドレを見てみたかったからです。
本公演を見た時に、「ベルナールも良いけど、華世さん、アンドレも似合いそうだなぁ」と思ったんですよ。そしたら新公でアンドレやるって言うから……。本公演ジャンヌが最高の音彩唯さんも真逆なロザリーをやるって言うから。

これはもう、見るしかないっしょ!

本公演は2時間半ほどありますが、新人公演では少し端折って2時間弱。休憩なしで「王妃様~~~!」まで駆け抜けます。18時半開演で、最後挨拶まで終わったのが20時半ぐらい。
幕開きの「ご覧なさい♪」はなく、いきなりフェルゼンから。

フェルゼン役――つまりこの新公の主演は研7の蒼波黎也さん発声と台詞回しがすごく良かったですね。第一声から宝塚の、そしてこういうクラシカルなお芝居の「貴族」の発声だ~っ!と思いました。長身でシュッとして、フェルゼンの扮装もよく似合う。台詞の良さに比べると歌はちょっと弱かったかなぁ。
あと、私がフェルゼン好きじゃないせいもあって、なんかこう、なんだろ。この『フェルゼン編』のフェルゼンって、こうしか演じようがないのかな、という多少の単調感が。蒼波さん自体は立派に『ベルばら』の主演を務めてらして、悪くなかったんだけど、フェルゼンにはわくわくしないんだよなぁ…。

アントワネット役は研4の白綺華さん。冒頭、オペラ座の舞踏会に現れたところからバーンと華やかで美しく、良かったですね~~~。「マリーと呼んでください」のあのピンクの場面も、まだ王妃として目覚める前の、未熟なアントワネットな感じがして良かった。本役夢白さんはこの場面からもうすでにカペー未亡人みがちょっと感じられるセリフ回しだったけど、白綺さんは自然な感じで。
後半、カペー未亡人の部分も研4とは思えないお芝居。歌も良かったです。

綺城ゆりやさんのオスカルはすごく可愛らしい雰囲気で、でもあの「橋」から「バスティーユ」に至る場面はしっかり凛々しく、いいオスカルでした。難しい「愛の巡礼」もがんばってた。「今宵一夜」の場面でアンドレに迫られるところも細かいお芝居でオスカルの「ドキドキ感」が伝わってきて可愛かった。
綺城さんは研6。去年、『Lilacの夢路』で新公主演経験済みなんですね。

で。
肝心の。
華世京アンドレ!
アンドレなかなか出てこないんだよな~。出番少ないぃぃ。まぁだからこそ本公演でがっつりベルナールやってる華世さんがアンドレもできるんでしょうけども。
カーテン前でベルナールとロザリーに出会うところが最初の出番。本公演ではベルナールをやっているんだから、華世さん一人でこの場面を演じているといっても過言ではない(過言)。
いやぁ、予想通り華世京アンドレすごく良かったです! なんというか、目線の使い方とか、すごい色気があるよね。ほんとに研5なの!?ってぐらいもう「男役」としてしっかりしてる。「今宵一夜」の場面ではけっこう熱いアンドレで綺城オスカルをドキドキさせてくれるし、橋の上での最期も見事。(あの手の血糊は赤いのを塗った肌色リストバンドみたいなのを着けてたんだな、とわかったのも配信ならでは)

昔だったら普通に本公演役代わりでアンドレもやってたんじゃないの?って思うぐらいだったなぁ。見て良かった。
大好きなマリコさん(麻路さき)アンドレに見た目が少し似て見えました。何度も言ってると思うけど、マリコさんは研7アンドレで、新公ではフェルゼン(主演)。アンドレの方も役代わりオスカル様を迎えて怒濤のお稽古だったのに、さらに新公主役の練習してるってどんだけ。(その前に雪組特出でフェルゼンやってるとはいえ、出番が段違い)

今回初めて新人公演を観て、「本公演もやって、さらにこの新人公演のお稽古ってほんとすごいなぁ」と改めて思いました。タカラジェンヌは体力……。

本公演でのジャンヌが鮮烈だった音彩さん、真逆のロザリーは「そつなくこなしている」という印象でした。ジャンヌがあまりに素晴らしかったので、「あー、ロザリーね、はいはい」とどうしても感動が薄くなってしまう(^^;)
第二部冒頭、第二十三場プロローグBの革命市民群舞のところではダイナミックなダンスを披露。ダンス、とても良かったなぁ。

新公のジャンヌ役は研4の瑞季せれなさん。かなり音彩さんジャンヌをなぞったお芝居でしたが、色の濃い役を健闘。
ベルナール役は研3の苑利香輝さん。見た感じが本役の華世さんに似てましたね。「カペー未亡人!」もしっかり聞かせてくれて、なかなか良かった。

プロバンス伯の絢斗しおんさん(研7)は美形だな~と思いました。華純沙那さん(研5)のモンゼット夫人も目を引きました。綺麗だし、お芝居もしっかりしてて。
希翠那音さん(研6)はシュッとした長身のルイ16世で、しみじみと沁みるお芝居をされていましたねぇ。

そしてジェローデルの律希奏さんまだ研2なのにいきなり代役として本公演でもジェローデルを演じてしまった方。新公では場面が端折られているのでそんなに出番が多くなくて、だからこそ「わ~、新公でやってない部分、急遽お芝居しなきゃいけなかったのか!」と改めてびっくりしました。
律希さん、ビジュアルが良かったな。お綺麗。

ジェローデルの「オスカル隊長は死にました」からすぐ回想に入って「橋~バスティーユ」になる構成。オスカル様のナレ死は変わらないけど、第一部の方にバスティーユが入っているの、良かったです。まぁ休憩ないし、「第一部第二部」というふうにはなってないんだけど、本公演の構成よりこちらの方がまだ自然と感じました。


キャストの皆さん、素敵な『ベルサイユのばら』を見せてくださってありがとう。また新公見てみたいな、と思いました。