※この記事はNostr Advent Calendar 2024の18日目の記事です。17日目はyugoさん、19日目はりらさんのご担当です。


12月5日、ビットコインが初めて10万ドルを超えました(→ロイター記事)。1ビットコインが10万ドル、日本円にしてえーと…?

仮想通貨のことなんかさっぱりわからないので、10万ドル超えたと言われても「へぇーすごいねー」で、あんまりピンと来ないのですが、ビットコインが値上がりすると手持ちの“村コイン”の値打ちも上がる。1円にも満たない少額と思って気楽に投げていた“投げ銭”も、いつの間にやら3円とか10円とか、お賽銭ぐらいの金額になっている。

いい機会なので、Nostrでの“投げ銭=Zap”について、素人目線でごく個人的に振り返ってみようと思います。


【Zapとは】

Nostrには「Zap」という投げ銭機能があります。プロフィールにビットコインのライトニングアドレスを設定しておくと、他のユーザーから「Zap」してもらうことができます。

もちろん1ビットコイン(=10万ドル)が飛んでくるわけではなく、「Zap」の単位は「Satoshi(sats)」です。
1Satoshiは0.00000001ビットコイン。1ビットコイン=10万ドルの場合、1 Satoshi=0.001ドルで、日本円にして0.15円。つまり10satsでやっと1.5円ということですね。
このあたりの換算にはロクヨウさん(@ロクヨウ)作の『おいくらサッツを使うのが大変便利です。

通常Nostrで飛びかう「Zap」は21satsとか39satsとか、それぐらいの額です。今のレートだと3円とか5円。
私がNostrを始めた2023年2月頃は1ビットコイン=25,000ドルぐらいだったらしいので、今のざっと4分の1。39satsでやっと1円ぐらいの値打ちだったと思われます。


【最初は怖かったZap】

今でこそライトニングアドレスを設定していない人を見かけると「Zapさせろや、ごらぁぁぁぁぁ!」と思うぐらいNostrに馴染んでしまった私ですが、最初はやっぱり怖かったです。
仮想通貨という「よくわからないもの」に手を出すのが怖かった。そもそもビットコインの買い方とかも知らないし、無職主婦には投資する原資もない。

が。

折しも@ZapprさんによるZap祭が開催され、誰彼なしにZapが飛んでくる状態。みんなが「私にも来た」「来ない」などと言っているのを見ていると参加できないのがなんか寂しい。

ライトニングアドレスを取得するだけなら別に日本円は一銭も要らず、ただ「Wallet of Satoshi(※以下WOSと略す)」等のアプリを入れてアカウントを作るだけ。
「~@walletofsatoshi.com」というアドレスが自動的に割り振られるので、それをNostrのプロフィールに設定すれば、Zap祭に参加できます。

このblogのフッターに貼ってあるQRコードが私のWOSのライトニングアドレスです。

今ちょっと調べたら私がWOSのアドレスを取得したのは2023年2月21日。Nostrを始めたのが2月5日なので、「手を出すの怖い」などと言ってたのはたったの2週間ほどです。まったく我慢が足りねーなー。


【Zapathonでちまちま稼ぐ】

「#Zapathon」「#Zapan」というタグをつけて投稿し、その投稿に互いにZapしあうというイベントが2023年3月頃から開催されていました。もうあんまり覚えていませんが、金曜と土曜の朝6時から30分間とか、なんかそういうのだったと思う。


うん、合ってた。この投稿では金曜のことしか言ってないけど土曜もやってました。
「#Zapathon」タグ自体は今でも使われていますが、時間を区切ってZapしあうというのはいつの間にか廃れましたね。

ちまちま少しずつZapをもらって、もらったsatsを使って私も他の人にちまちまZap。satsは天下の回り物。ぐるぐる回すよ“村コイン”

日本円に換金するつもりもなく、貰ったものを右から左へ受け流しているだけなので、本当に「お金」というよりは「Nostr村でだけ使えるコイン、もしくはポイント」という感覚です。お誕生日の人には多めに「お祝いポイント」をプレゼントしたり、クライアント作者さんに「ありがとうポイント」を贈ったり。


【このblogにもZapできるよ!】

2023年12月13日にこのblogにも「Zap」ボタンを設置しました。
昨年のNostrアドベントカレンダーのロクヨウさんの記事【Nostr】Webサイトにビットコインの投げ銭ボタンを設置しよう【Zap】を参考に、各記事のフッターセクションにZapボタンが表示されるようにしてあります。

NostrやっていなくてもライトニングウォレットがあればZapできます(※匿名扱いのZapになります)。

ちなみにこのblogのZapボタンからは、自分でテストした分も含めておよそ5,800satsのZapがありました。「View zaps」ボタンで確認すると匿名の方からどーんと5,000satsいただいています。ありがたやありがたや。

「View zaps」ボタンの方もロクヨウさんのお力を借りて設置。ロクヨウさんには足を向けて寝られません。ありがたやありがたや。
設置方法はロクヨウさんのアドカレ2024記事「インターネットのすべてに投げ銭をさせろ」をご参照ください。


【塵も積もれば】

そんなこんなでライトニングアドレスを取得して1年と10か月。現在私のWOSには6万ほどのsatsが溜まっています。
二度ほどまとまった額のZapをいただいた以外はまさに「ちりつも」。毎朝うにゅう(@unyuにいただく「早起きは3satsの得」もばかにならない。うにゅう、いつもありがとうね~。

2024年12月16日現在のレートで6万satsは9,600円ほど。
元手0円で9,600円ってすごいな、と思うんですけど、それもビットコインのレートが上がったからで、2023年の2月当時だと2,400円ぐらい?
ともあれZapしてくださった皆さま、ありがとうございます。


【Albyアカウントも作る】

一時期WOSがアメリカのAppleStoreからBANされたとかなんとかいう話があって、walletも分散しておくほうがいいのではと、2023年11月末ぐらいにAlbyのアカウントも作りました。

WOSからAlbyの方にいくらか送金して、Zapを受け取るのはWOS、Zapを送るのはAlby、というふうに使い分けていました。

スマホでAlbyWalletを扱うのにはZEUSというアプリを使っていました。今ではすっかりおとなしくなってしまいましたが、私がZEUSをインストールした頃は「神々にふさわしいモバイルビットコイン体験」とか書いてあって、超うさんくさかったです。そんなだから「ビットコイン?なんか怪しそう」と思われるんだぞ。


2024年の秋になってAlby自身がAlby Goというアプリをリリースしたので、10月5日にそちらに乗り換え。

WOSとAlbyの二刀流で安泰、と思っていたら。


【2024年11月17日はAlby残高0チャレンジ記念日】

Albyが2025年1月3日でカストディアルウォレットを辞めると発表。カスとかノンカスとか何のことやらよくわからないんですが、今後はAlby Hubとやらを使ったセルフカストディアルウォレットのみを扱うという話らしく。

NostrWikiによると「カストディアルウォレット」とは「秘密鍵をユーザーに代わって第三者(取引所などのカストディアン)が保管するウォレットのこと」だそう。
これまではAlbyが秘密鍵を保管してくれてたけど、そういうやり方は1月3日で辞めるので、各自自分で秘密鍵を保管するタイプに移行してね、ということなのでしょう。

いや、そんなん言われても具体的にどないしたらええのん???

ともかくAlbyアカウントに残ってるsatsはそのままだと使えなくなりそうなので、急遽WOSの方に全額送金、ポチッとな。

……送れない。

手数料が差し引かれるらしく、「777sats」残ってるものをそのまま送ろうとすると「手数料分が足りない」みたいなエラーが出る。「700」でもダメ。「555」なら送金できて残りが217sats。つまり5satsが手数料?

手数料5satsなら700で行けそうなのに行けないんだよなぁ。どういう計算なんだろ。

試行錯誤の末、残り「10sats」でフィニッシュ。ここからは1satsも送れなかった。
他の人もだいたい「10」が限界みたいでした。「0」にできてたU.G.Mさんすごい。


来年1月4日になったらあの10satsはどうなるんだろう。Albyアカウント自体は存在するけど、そこにWalletが何も紐付いてない状態になって、「残高?そもそもWalletがないが?」って言われるのかなぁ。


【CoinosでNWC】

とりあえずWOSが健在なのでそちらでZapの送信も受信もできるのだけど、WOSはNWC(Nostr Wallet Connect)に対応していない。

通常、Nostrクライアントから「Zap⚡」をタップすると、WOSなどのWalletアプリが立ち上がるか、送金のためのQRコードが表示されます。Walletアプリの方で支払い操作をするまでは、実際の送金はされないわけです。

それを一発で(Walletアプリでの操作を介さずに)送金までしてくれるのがNWC。Nostterなどの対応クライアントにNWCのURI(「nostr+walletconnect://」で始まる文字列)を設定しておけば、「Zap⚡」ボタンのタップだけで自動で送金が完了します。

Alby以外でNWCに対応していて素人にも使えるライトニングウォレット――ということで2024年11月18日にcoinosアカウントを作ってみました。「ビットコインとか怖い」なんて言ってたわりにすぐアカウント作りますね、この人。

公式サイトの日本語がいかにも自動翻訳で怪しいですが、WOSからcoinosの方に普通に送金でき、NWCでのZapも普通にできて、プロフィールページまでできました。


coinosにスマホアプリはありませんが、「Alby Go」アプリにcoinosのNWCを登録すれば残高の確認や送金をアプリで行うことができます


【これからも“村コイン”】

よそのSNSで「100いいねしたい!」と思うことよくありますよね。Nostrではそんな時「いいね」にプラスしてZapができるわけです。まぁNostrの場合、クライアントによってはいいね連打で実際に「100いいね」できたり、絵文字リアクションで「💯」とか「🎉」とか付けまくることもできるんですが。

身近にライトニング決済できるところもないし、日本円に換金するのは色々面倒くさそうだし、これからも右から左へ受け流し、Nostr村の中でぐるぐる“村コイン”を回していこうと思っています。

もしNostrを始めていなかったら、ビットコインの最小単位がSatoshiであることも知らず、「ライトニング決済」なんて言葉も何のことやらだったでしょう。WOSのアカウントを作るなんてこともまずなかった。
botを作ったこともそうですが、Nostrには人を新しいことに引きずり込むチャレンジさせる不思議な力がある気がします。

さぁ、君もNostrに参加して、“村コイン”を贈りあおう!
Zapさせろや、おらぁぁぁぁぁ!!!

【Nostrの始め方はこちら】

nostterで始める快適Nostr生活
拡張機能で始める簡単(?)Nostr生活(※デッキ型クライアントRabbitの紹介)

 その他のNostr関連記事はこちらから