(※以下ネタバレあります。これからご覧になる方はご注意ください。記憶違い等多々あると思いますがご容赦を)



えーっと、観たの7月31日なんですよね…。観てからもう1か月ほど経ってしまって、「面白かった」しか思いだせないんですけど。

なんとか記憶を呼び覚まして記事を書こうと思います。

『GUYS AND DOLLS』、宝塚での上演は今回が4回目。初演は大地真央さんの月組、そのあとリカちゃん(紫吹淳)主演での再演があり、直近は2015年の北翔海莉さん主演。残念ながら私はそのどれも生で観たことがなく、大地真央さんのやつを昔ちらっと映像で観たような観てないような……。

4回目だけれども、今回は演出の稲葉先生が台詞も一から書き直し、ミュージカルナンバーも新たに訳し直した「新生版」。旧版を知らないので比較はできませんが、今の月組にぴったりハマっていて楽しかったです。歌も群舞も良かったし、配役の妙が光りました。

特にオダチン・カーン……じゃなくて風間柚乃さんのネイサンがあまりにハマっていて。風間さん、ヒゲが似合いすぎ。

主人公は一応スカイの方になってるけど、これスカイ&サラのカップルよりネイサン&アデレイドのカップルの方が目立ってますよね? アデレイドの方がヒロインぽくない??? 冒頭からずっとネイサンのターンが続いて、スカイなかなか出てこないし。

「クラップ」というゲームを主催しているネイサン、お金がなくて場所を借りられず、ゲームを開催できない。ギャンブラーたちからせっつかれ、馴染みの家主と交渉するも多額の代金をふっかけられ、その金を調達するため、ちょうどニューヨークに戻ってきていたギャンブラー・スカイに賭けを持ちかける。ネイサンの指名した女性――お堅いことで有名な救世軍の軍曹サラを口説いてハバナに連れていけたらスカイの勝ち、いけなければネイサンの勝ち。賭け金は1000ドル。

「軍曹」と言ってもサラは剣や銃で戦っているわけではなく、聖書を武器に「罪深き者たち」と戦っています。伝道所や街角で、「悔い改めなさい」「神の御心に従いなさい」という説教をしているのです。

が。ギャンブルにうつつを抜かす「罪びとたち」は救世軍の説教などに耳を傾けません。成果の上がらない伝道所は閉鎖の危機。そこにつけ込むスカイ。「一緒にハバナに行ってくれたら、次の集会に1ダースの罪びとを連れてくるよ」とサラを誘う。最初は歯牙にもかけなかったサラ、でもいよいよ伝道所が取り潰されるかも?ということになり、覚悟を決めてハバナに行くことに。

で、ハバナで酔っ払って180度性格が変わるサラ。いや、ちょっと、なんだお前、そんな奴だったのか(笑)。しかしおかげでスカイとの距離が縮まり、賭けとは無関係に惹かれあっていく二人。

鳳月杏さんのスカイはとにかく色気がすごい! 出番はそれほど多くなく、派手に行動するキャラクターではないのに、「この男が一番!」というトップスター感がすごい。そりゃこんな男に言い寄られたら、どんなお堅い娘も心惹かれちゃうでしょう感が。常に大金を賭ける器の大きいギャンブラー、その余裕綽々感、それでいて「悪党」ではないスマートさ。サラを本心から好きになってしまって罪悪感を覚え、身を退こうとするせつなさも、表情や雰囲気だけで伝わってくる。

はぁー、いい男。

天紫さんの方もサラの「お堅い」キャラが彼女の持ち味によく合っていて、酔っ払って羽目を外しすぎるシーンも熱演。熱演すぎて「この女、あんまり二重人格すぎるだろ!」って思ってしまいましたが。

スカイとサラのロマンスがお話の軸ではあるんだけど、どう考えてもそっちを食ってしまっている(というかもとのブロードウェイミュージカルではダブル主役ダブルヒロインなのでしょう)ネイサンとアデレイドのカップル。

ネイサンは前述の通り、クラップゲームの主催者。自分で賭けるよりも、ゲームを主催する――賭場を開いて儲ける側の人間らしい。でもあんまり儲かってないらしく、会場を確保できなくて汲々としている「気のいい小悪党」。

恋人アデレイドは「CLUB HOT BOX」でセンターを務める踊り子。ネイサンとアデレイドはなんと婚約して14年!!! クラップゲームなんか辞めて堅気になってほしい、結婚してほしいと言い続け、母親にはとっくの昔に「結婚して子どもも5人いる」などと報告してしまっている。

この二人のやりとりが大変楽しいんですよねぇ。勝手に結婚して子どももいることになってる、それどころか今も妊娠中ってことになっている(「帰省しなさい」と言われて断る口実がそれしか思いつかなかったらしい)アデレイド。「ええええーっ」と驚きながらもアデレイドと別れることなど考えもしないネイサン。14年だもんねぇ。戸籍上がどうなっていようと、そばにいることが当たり前の古女房。

どうしようもないネイサンのことを一途に健気に待ち続け、愛し続けるアデレイド、その精神的なストレスからかずーっと風邪をひいている。くしゃみしながら歌う「風邪こじらす」ソングも楽しく。サラにはあんまり感情移入できないけど、アデレイドの方は「がんばれ!」「幸せになれ!」って思っちゃう。

風間さんのネイサンは本当に「困った可愛い小悪党のおっさん」感があって(褒めてる!)、風間さんにネイサンやらせたいからこの作品を企画したんじゃないの?と思うほど。

そしてアデレイド。今回彩海せらさんと彩みちるさんのダブルキャストですが、私が観たのは彩海さん版。

彩海さんのアデレイド、すごく良かった!!!

男役さんがやる女役ならではの押し出しの強さがありつつチャーミングで可愛くて、「婚約14年」のいい意味の年増感もあり、コミカルなお芝居も歌もうまくて最高! サラよりアデレイドの方がヒロインだよね~。ラストもアデレイドの方がウェディングドレス着てるし。

最終的にはもちろん両カップルともハッピーエンドになるんだけど、そうなる前にヒロイン2人が意気投合して「どうしても彼と結婚しなくちゃ」「“うん“と言わせなくちゃ」と掛け合いをするシーンがあり。

こういうの、宝塚オリジナルの作品ではなかなかない(どうしても男役さんメインになるから)ので、新鮮で面白かった。

宝塚ファンとしてはその後どうやって二人がスカイとネイサンを口説き落としたのか、そこのラブシーンも観たかったけど、描かない方が粋ではあるよね。

あ、そうそう、サラとアデレイドがやりとりする場面で、「もしもあの人が“いい旦那さん”になったら」と想像するくだり、楽しかった。鳳月さんスカイは赤ちゃんおんぶして洗濯干してて、風間さんネイサンは……えーっと、あれ? 何やってたっけ? 二人とも面白かったのにもう思いだせない……。

男役三番手の礼華はるさんはネイサンの仲間のギャンブラー、ナイスリー役。「座れ、船が揺れる」など、目立つシーンが多く、また長身で声がよく響くので、メインじゃない場面でも目を引かれる。歌もお芝居もめきめき力をつけてらっしゃいますよねぇ。

同じくネイサンの仲間でナイスリーとほぼ常にペアで出てくるベニー役は夢奈瑠音さん。夢奈さんのたたずまいも好き。安心して観ていられます。

そしてこれまた安心と信頼の佳城葵さんはブラニガン警部役。ちょっとショボい感じが似合うわ~~~(褒めてる)。佳城さんみたいな方がいるとお芝居に幅が出るよねぇ、好き。

役替わりの彩さんはHOT BOXの踊り子で、台詞はほとんどなし。彩さんのアデレイドも観てみたかった。東京公演千秋楽が彩さんアデレイドなんだけど、その日は用事があって配信が観られない!!! あああああああああ、残念すぎる……。彩さんの退団そのものが残念なんだけど、ほぼヒロインでの退団はせめてもの花道なんでしょうね。あああああ、頑張って彩さんアデレイドのチケットも取れば良かったなぁ。

同じく今公演で退団される白雪さち花さんもHOT BOXの踊り子役。台詞はあったけど、物足りなかった……。白雪さんの退団も本当に残念、寂しい。白雪さんの退団で夢奈さんが副組長に就任されるって、今知りました。夢奈さんもうそんな立ち位置なのか、そーか。

『GUYS AND DOLLS』は一本立てのミュージカルなのでショーはありませんが、たっぷりめのフィナーレがついていて、ラストのダブルハッピーエンドを祝福するていでロケッツが登場、続く場面では大階段男役群舞に二人のアデレイド。彩さんのアデレイドもやっぱりキュート、彩海さんはフィナーレでも女役のままなのか~と思いました。

娘役さんだけの群舞もあったような気がしたけど、もう記憶が。大階段の群舞、とても素敵だった……気がする……うう。


初演の月組版ではウタコさん(剣幸)がネイサンで、風間ネイサンを観ながら「あああああ、ウタコさんのネイサン超最高だったろうなぁぁぁぁぁ」と思ってました。初演もウタコさんがいるから『GUYS AND DOLLS』やろうと思ったのでは。

直近の星組版では紅ゆずるネイサンに礼真琴アデレイド。何それ面白そうすぎる。なんで観なかったの、私。

ああ、彩さんのアデレイドと1984年版と2015年版を観たい。