ハンティー主演のVシネクスト『ギルティ・パルフェ』、映画の日に観てきました！ やっぱりガヴは良い～～～。もうあと5年くらいガヴが続いてくれても良かった。いや、そこまでは言わないけど、あまりにも『ゼッツ』が琴線に触れなくて、冒頭のおまけムービー『ゴチゾウちょうれい』だけでもううるうるしてしまって……。
特にゴチゾウ好きなわけじゃないのに、「あああ、ゴチゾウたちも良かったよねぇ～、可愛いねぇ～」ってなってしまう、ガヴロスがひどい。
冒頭は、確かグラニュート界。イジークという名のグラニュートが、「どこへ行きやがったぁぁ！ボッカ・ジャルダックぅぅぅ！！」とボッカを探して荒れている。廃墟になったあの大統領室（？）で「何もないじゃねぇかぁぁぁ！」と怒髪天するとその雷撃が“扉”の一つを活性化させ――。
一方人間界では悪夢に苦しんでいるかのような絆斗の姿。ひどくうなされて、「また眠れなかった」と憔悴した顔でベッドから脱け出す。「やっぱりこいつのせいなのか…？」 悪夢ではなく、体内に埋め込まれた「グラニュート器官」のせいで物理で体調が悪いらしい。
それでも取材に赴くハンティー。途中で不良に絡まれてる少女たちを助け、彼女たちの「行きつけ」の病院、狩藤医院を訪れることに。
女の子たちを助ける時もその後も、たびたび差し挟まれる“師匠”塩谷さんとの思い出。師匠が自分を救ってくれたように、自分も誰かを救える人間になりたい、「師匠のような大人になりたい」というのが、今作のテーマでもあります。
いや、ハンティー、もう十分“大人”じゃない？ グラニュートに対する憎しみや復讐の念を乗り越えてショウマやラキアンと友情を結び、母親を襲った当のグラニュート“健二”さえをも殺さない選択をした。これでもかと降りかかる葛藤の数々、TV本編見ながら何度「これ以上ハンティーをいじめないで！」と思ったことか。
十分すぎるほど苦しんで、仮面ライダーとして、一人の人間として、めちゃめちゃ成長したのに、絆斗本人はまだまだ“師匠”にはほど遠いと思ってるんだねぇ。それだけ絆斗の中で“師匠”は大きな大きな存在だってことなんだろうけど。
で。
少女たちの治療をタダで引き受けてくれる狩藤医院。病院のたたずまいも、いかにも“その筋”っぽい他の患者も、大変怪しい。何しろ院長が妖しい美形すぎる。きゃー、理央様ーーー♡
狩藤役はゲキレンジャーの理央様こと新木宏典さん。普通の医者にかかれない“その筋”の人たちから高額な治療費を受け取って、そのお金で少女たちのような患者を無料で診てやっている。
医院には他に看護士（？）の沙和村という男がいて、こちらは朝ドラ『なつぞら』の番長こと板橋駿谷さんが怪演。前半の「にこにこして人当たりのいい」お芝居と、後半のヤバさとのギャップが見事でした。
少女たちのたまり場で、なんとリゼルの姿を目にするハンティー。グラニュート界に戻れなくなってひとりぼっちのリゼル、同じように「家に帰れない」女の子たちと一緒に過ごしていたんですね。
しかしそこには女の子だけでなく、若い男も一人。なんか怪しいなぁと絆斗が後をつけていくと、ショウマと鉢合わせ。ショウマはショウマで、「はぴぱれ」に姿を見せない「カワさん」の行方を追って、その場所に来ていました。
この「カワさん」というのもあっちの世界に帰れなくなったグラニュート。「はぴぱれ」、そういうグラニュートたちをバイトとして雇って、人間界で生きて行く術を与えているらしい。そんなに何人も雇えるほど「はぴぱれ」仕事あるの？と思わなくもないですが（ショウマを養うだけでも大変そう）、ともあれ「カワさん」を探すショウマ。
まず「カワさん」のアパートを訪ねるんですけど、グラニュート、いい部屋住んでるんですよ。冒頭のハンティーのアパートよりカワさんのアパート（マンション？）の方がだいぶ上等！ 「はぴぱれ」のバイト、そんなに儲かるの？ それともストマック社からあてがわれていた住まい？？？
絆斗が追っていた男ググナとカワさんは歩道橋の上みたいなところで合流、「もう一度闇菓子を」みたいな会話を。「何ーっ？」となる絆斗とショウマ、そしてリゼル。リゼルも後を追ってきていたんですね。絆斗は「やっぱり悪だくみしてやがったか！」とリゼルを疑うも、リゼルの方は寝耳に水。それどころかググナが少女たちの一人を攫っていたことに気づいて怒りをあらわに。
ショウマ、ハンティー、ググナ、リゼルでややこしいことになりそうなところに天から降ってくるグラニュート、イジーク。冒頭で「ボッカ・ジャルダックぅぅ！」と叫びながら異界に通じる「扉」を開けちゃったあいつです。
「ボッカが死んだだとぉ！？」「じゃあリゼル、おまえでいいや」とリゼルを攻撃するイジーク。イジークの父はボッカに暗殺されていて、その仇討ちだと。これがなかなか強くて、ショウマと絆斗は一旦引くことに。ってゆーか、途中でハンティーが具合悪くなっちゃったんだったかな。
リゼルは幸果さん預かりになり、甲斐甲斐しくリゼルの面倒を見る幸果さん。あー、幸果さん癒やし。幸果さん女神。いつもながら衣装がまたすごい。脚長い、腰の位置高い。リゼルのために宝石店を訪れ、61万円（確か）もする宝石を買ってあげる幸果さん。「この棚から選んで」って言ったら、予想外に高いやつが混じってた！ それでも「無理」と言わず、店員さんに「分割払い行けます？」と聞いて購入する幸果さん、ほんとにいい人すぎる！ 「はぴぱれ」そんな儲かってるわけないよね？？？ 分割何年払い？？？
しかもその61万円、すぐ食べられちゃうんだもんねぇ。高い宝石はやっぱり美味しいらしい。
かつてボッカとともに訪れた場所に来て、「パパ…パパに会いたい、帰りたい」と泣くリゼルにそっと寄り添う幸果さん。幸果さんマジ女神（大事なことなので何度も言う）。のみならず、「イジークとかいうグラニュートがこっちに来れたってことは、扉が復活したんじゃない？」とネットの情報をもとに片っ端から扉を開けて探し回る幸果さん。あー、ほんとに「どうしてそこまでしてくれるの？」だよなぁ。すごい。素敵。
――って、あれ？ 絆斗がリゼルとカフェで話した場面が抜けたな。少女たちが話してた「チョコパ」が何を意味するのかわからなかったリゼルに、絆斗がチョコパをご馳走してあげる。でもリゼルは「私を助けたつもり！？」「こんなもの食べられるわけないでしょ」とパフェをぐちゃぐちゃに。
あああ、もったいなーい、要らんねやったらおばちゃんが食べたるがな～。
と思っていたらショウマがやってきて、「このパフェだって全然食べれるよ！」と美味しそうに食べてくれる。「混ざり合ってチョコソフトみたいだ、そこに時々バナナやイチゴが～」などと食レポ、味覚再現映像が面白かった。「ぐちゃぐちゃになっていても」っていうの、リゼルや絆斗の気持ちの比喩のようでもあったし、美味しいチョコパのおかげで「チョコらっパゴチゾウ」も生まれて。
この「チョコらっパゴチゾウ」、「ボナペティ」とかちょっと気どった感じの喋りで、なんか「Dr.STONE」のフランソワを連想してしまいました。
えーっとそれで、幸果さんとリゼルはめでたく「グラニュート界に通じる扉」を見つけるんですが、そこへイジークだったかググナだったかが登場してリゼルは奮戦むなしく捕まってしまう。リゼル、なんか腕が伸びて（？）パワーアップした感じだったけど敵わなかった。
ググナと通じていた沙和村、狩藤医院に来る少女たちを闇菓子材料として提供する代わり、「活きのいい若いグラニュートを食べさせろ」と要求していて、リゼルは「食べ物」として沙和村に供されます。グラニュート態リゼルを台に縛りつけて「どこから食べようか、ぐへへ」とやってる沙和村のお芝居が超ヤバい。沙和村の「調理場」、普通にこれまでにも人間食ってる感じなんですよねぇ。映画館、小さい子も見に来てたけど、「このシーン大丈夫？」って思っちゃった。
てかグラニュート態、硬そうで（なんせ主食が石）あんまり美味しそうな見た目じゃないのに、「どうやって食べよう」と涎垂らせるのすごい。
エグいシーンではあるんだけど、これまで「人間」の側がお菓子の材料にされてきた――つまりはグラニュートの「食糧」にされてきたわけで、「お前たちはこういうことをしてきたんだ」っていう話でもあるんですよねぇ。リゼルが直接的に闇菓子作ってたわけでも、食べてたわけでもないとはいえ、一方的に狩られる恐怖を、リゼルも身を以て味わうことになった。
ショウマが駆けつけて戦うも、ググナとイジーク、二人を「一人で相手するのはキツい」。
「二人ならイケるか？」
と、颯爽と現れるラキアーン！！！ きゃー、格好いいーーーーー！ 待ってました！！！
「ラキアン、どうして！？」「幸果が呼びに来た」
リゼルが攫われたあと、幸果さん、一人で扉の中に入っていっちゃったんですよね。そんで「ラキア～ン！」とニッコニコでラキアンのもとに……。ゴチゾウがすぐラキアンを探し当ててくれたっぽかったけど、相変わらず肝座ってるっていうか、「ラキアンはあっちの世界で生きてる」って信じて疑わなかったんだねぇ。ラキアン見つけて屈託なくニコニコ笑顔で「ラキア～ン！」って駆けてくる幸果さん、本当に「幸果さん」すぎる（泣くでも必死の形相でもなく、当たり前のように笑顔ってとこ）。
ちなみにその場面ではラキアン、もちろんグラニュート態。グラニュート態でもラキアンってわかる幸果さんすごい。グラニュート態でもあのニコニコ、ほんとすごい。あとラキアンの「幸果」呼び、また聞けて嬉しい好き。
一方その頃絆斗は狩藤医院で倒れて狩藤先生に体を
“あれ”の名前、「グラニュート器官」で良かったんでしたっけ？ “あれ”以外の内臓は人間とおんなじなのかな、グラニュート。“あれ”だけホルマリン漬けにして研究しとけば、グラニュートの体はだいたいわかったことになるんだろうか。
ともあれ狩藤先生に「今すぐ“それ”を摘出しろ」と勧められるハンティー。「でも俺は…」と躊躇するハンティーに、「死んでしまったら誰も救えないんだ！」と言う狩藤先生。ハンティーの脳裏には同じようなことをショウマに言われた記憶が甦り。師匠の言葉も甦り。
グラニュート器官を取ってしまったら、仮面ライダーになれなくなる。それはグラニュートと戦う力を失うこと。誰かを守る力を失うこと。でも死んでしまったら、戦うも何もない。
「君が本当にやりたいことは何だ！」みたいなことを、狩藤先生に言われていた気がする。「変身して仮面ライダーになる」ことは手段であって、目的じゃない。「人を救いたい」「師匠のような大人になりたい」――それが真の目的のはずなのに、一度手に入れた“力”を失うのは。
これって重要なテーマだよね。力があってもなくても、たとえば幸果さんのように困っている人苦しんでいる人に寄り添い、救うことはできるわけで。「ライダーの力を失いたくない」「それがなければ救えない」と思うのは、ハンティーの中にやっぱり“力”そのものへの渇望があるからじゃないか。
覚悟を決めて手術台に乗る絆斗。
苦戦するショウマとラキアン。
今にも沙和村に解体されそうになっているリゼル。
絆斗来るよね？
来るよね？
ｷﾀ━（ﾟ∀ﾟ）━!!!
沙和村に跳び蹴りかまして登場、リゼルを助け、イジークと一騎打ち。「チョコパフェ食べて、パーフェクト！」と言う「チョコらっパゴチゾウ」をセットして新フォームに変身、「復讐の連鎖は、ここで断ち切る！」と見事イジークを撃破！
新フォーム、マントの扱い方がなんか面白かったな～。
リゼルに対して「まだ心は救えねぇかもしれないが、けど命だけは――！」って言うとこも格好良かったよ、ハンティー。（でもイジークの家族なり恋人なりが絆斗に復讐しに来るかもしれないから、殺しちゃったら“復讐の連鎖”止まらないのでは、と思わないでもなかった）。
一件落着して、グラニュート界に戻っていくリゼルとラキアン。ラキアンも戻るんかー、そーかー。でもリゼルは幸果さんに「時々遊びに来てもいい？」って言うし、幸果さんは「もちろん！うちもそっち行くし！」と元気にお答え。そうね、あの扉が守られてさえいれば、いつでも会えるか。
「パパを殺したことは許さない、でも、今回のことは感謝してる。ありがとう」とちゃんと礼を言ったリゼル。リゼルも成長したね～。そしてここでちゃんと「それとこれとは別で、あなた方が私の父親を殺したことは変わらない」って言うの、いいよね。恨みや悲しみは消えはしない、「なかったこと」にしなくていい。でも、そうであっても、「ありがとう」を言うことはできるんだ。
最後、ショウマに「もう手術しないの？」と聞かれ、「このままでいい」と答える絆斗。狩藤先生にも「精密検査の結果、薬でどうにかできるかも」と大量の薬を処方され。
「これまでしてきたことを、全部背負って生きていきたいから」
戦う力が欲しいだけじゃなくて、「ライダーとしてグラニュートの命を奪ってきた」ことを背負うためにライダーでいる。これまでしてきたことの代償は、きちんと引き受ける――。
香村さんの脚本、さすがです。
TV本編でマッドサイエンティストたちが全員退場して、ハンティーの体（もちろんショウマも）を診られる人がいなくなっちゃって、この先ハンティーどうなるかと思ったけど、マッドじゃないちゃんとした狩藤先生の登場でひとまず安泰。せっかくだから狩藤先生も交えて「仮面ライダーガヴ シーズン2」やってほしいよね。謎のグラニュート美女でメレちゃん出てきてもいいし、狩藤先生も変身してもいいよ。今度は私が！で幸果さんを危機一髪助けるリゼルとかも良い。
1年とは言わない、1クールでいいから、もっとガヴを、ガヴのみんなを見せて！
あ、そうそう、書き忘れるところだった。冒頭、「眠れてない」ハンティー、本当に目が充血して見えて、いかにも「寝てねぇ～！」って感じだったんだけど、撮影スケジュールきつきつだった？ 大丈夫？ 日野くん、ちゃんと寝てた？？？
（※『ギルティ・パルフェ』公式サイトはこちら）
12月21日からはラキアン主演の『ルートストマック』も配信。TTFC入るしかないのか？ ないのか！？
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