見てきました~
トウコちゃん、最高~~~! 楽しかった!

日本では『紅はこべ』という名で知られているオルツィの小説を元にしたブロードウェイ・ミュージカル。

『スカーレット・ピンパーネル』というのは、フランス革命後、革命政府の手によって次々とギロチンにかけられていく貴族達をイギリスへ亡命させている謎の組織。「紅はこべ」の紋章を使っているがために、その名で呼ばれているのだけど、その正体は「イギリス人の貴族らしい」ということしかわからない。

フランス革命政府の闘士ショーヴランは、ロベスピエールの命で『スカーレット・ピンパーネル』を追っている。

ショーヴランの元恋人で、かつては革命の闘士だった女優マルグリットが結婚したイギリス人貴族パーシーこそが、実は『スカーレット・ピンパーネル』の首領その人だったのだけど、マルグリットは何も知らされず、ショーヴランに脅されるままパーシーを裏切るような真似をしてしまい……。

追いつ追われつ、いつパーシーの秘密が暴かれるのか!?という手に汗握る冒険活劇に加え、マルグリットとパーシーのすれ違う愛、絡んでくる「色悪」ショーヴラン。

いやぁ、実に宝塚的な素材ですねぇ。

私はたまたま数年前に、子ども向けの『痛快!世界の冒険文学シリーズ』で原作を読んでいるんですけど、まさかその時は「宝塚でやる」なんて思わず。「先見の明」があったのかと嬉しくなってしまいます(笑)。

原作とは、後半のストーリーがだいぶ違っていたし、わざと設定を原作の2年後、1794年に変えているそうです。

この経緯については潤色・演出を担当した小池先生がプログラムに書いておられますが、「宝塚ファンにとって、“フランス革命”は特別の思い入れがあるもの。革命を“悪”とするなら、ロベスピエールの恐怖政治が頂点に達する頃がいい」ということなのだとか。

なるほどねぇ。

『ベルばら』でオスカル様が命を賭して守った“自由・平等・博愛”の三色旗を、ただ「悪者」にするのは忍びないですものねぇ。

でも今回、革命政府と対立して貴族を亡命させるパーシー役をやってるトウコちゃんは、秋には『ベルサイユのばら ベルナール編』で、革命を推し進める側の役をやるのよね。

トウコちゃん、オスカルもやってるし。

オスカル様、もしバスティーユで死ななかったら、最終的にはロベスピエールと対立してギロチン送りになってたかもしれないけど……。スカーレット・ピンパーネルと協力して、貴族をイギリスへ逃がしていたりして(笑)。


で。

正義の味方、我らがヒーロー、パーシー・ブレイクニーを演じるトウコちゃん!

素晴らしかった!!!!!

パーシーって、貴族のくせに「汚い農夫の爺さん」の変装とか、「怪しいベルギー人スパイ」の変装とか、めっちゃうまいねん。
頭が良くて大胆不敵。神出鬼没でもちろん剣の腕も立つ。

そして普段、ただの貴族としてのパーシーは皇太子もお気に入りの社交界の花形。快活でお洒落で、人を食った、実に魅力的な男。

いやぁ、もうホントに、芸達者なトウコちゃんだからこそ成立した舞台だと思う。ベルギー人の扮装の時もすごくおかしいし、パーシーとしてショーヴランをからかうところも最高にイケてるし、かと思うとマルグリットに秘密を打ち明けられず、「実は彼女はショーヴランの手先なのか?」と疑いを抱いて苦しむ内面もきっちりと見せてくれて。

ホントに最高です[E:shine]

しかも歌が!

これでもか、というぐらい歌いまくってくれる。

ブロードウェイの――というか、外国のミュージカルの場合、コーラスワークがすごくて、今回もすごくいいんですけど、でもパーシーも歌いまくりなの。

なんか、「大丈夫かな」って心配になるくらい出ずっぱりで歌いまくりで、しかも「変装」シーンでは「マントの下に普通の格好」とか、「カツラに付け鼻」といった非常に暑そうな衣装で……汗が滴ってて。

何もこんな暑そうな衣装の芝居、真夏にやらなくても、というぐらいみんな暑そう(笑)。

他の、脇の人たちも出番多いし、歌が長くて多くて、体力的にこの公演はきついだろうなぁ、と。

しかも夏休みのせいか、2回公演が多い。
昨日も私が見たのは午後の、2回目の公演。
お疲れ様です。

でも音楽、ホントに良かったな。
最近の宝塚は音楽が弱いと思う。
メロディーがつまらないだけでなく、音楽の使い方が。

どうしても、トップに歌が集中してしまう。
もっと、コーラスワークとか、色々な掛け合いとか、使うといいのに。

『大いなる遺産』なんかすごく良かったのになぁ。銀橋とバックで違う歌歌ってて、でもちゃんとそれが「合唱」になっててさ。

芝居もショーも、群舞やコーラスが多いと楽しい。舞台に膨らみが出る。
せっかく90人もいるんだから、使うべきだよね。

にしても、トウコちゃんの歌がこれだけ聴けるのは、ファンとしてはホントに嬉しくて。でも心配で(笑)。

公演期間、ちょうど半分ぐらい終わったところだけど、喉も体力も大丈夫かな、と。

昨日は2公演目だというのに、あれだけ動いてあれだけ歌って、でも最後までちゃんと声が出てて……すごいなと。

(長くなったので、明日に続きます