続きです。(その1はこちら

高学年になると、学校の図書室にもよく通うようになりました。天井が高く、中庭に面した明るい図書室。教室とは違う大きなソファもあって、いい空間だったなぁ。

8.『黄色い部屋の秘密』/ルルー



図書室の推理小説の棚にはアガサ・クリスティやエラリィ・クイーンの「全集」みたいなのが置いてあったような記憶が。でもその二人の作品はあんまり読んでなくて、色んな作家さんのを集めた「推理小説全集」みたいな方を好んでいたような。

内容はほとんどまったく覚えてないけど、『黄色い部屋の秘密』というタイトル(創元推理版は「謎」になってますが、子どもの頃読んだやつは邦題が「秘密」だった)だけやけに頭に残っています。

作者ガストン・ルルーが『オペラ座の怪人』を書いた人だと知ったのはもちろん大人になってから。

(2015年に読み返した感想記事こちら

9.『大地』/パール・バック



家にもあったんですが、図書室にあった方を読んだ記憶が。

けっこう分厚い上下巻だったんじゃないかなぁと思うけど何しろ昔のことなのでよく覚えていません。ただ読み始めると止まらなくなって夢中で読んだ……けど内容は覚えてないっていう(笑)。

ググると「三部作」で文庫では四分冊になってるけど、図書室のあの本は一部だけだったのかなぁ。

今、小学校の図書室には「大地」が並んでないのはもちろん、推理小説もいわゆる「古典」の粋のものはほとんど並んでませんでした。杉山亮さんの「名探偵」シリーズとか、新しく書かれた日本の作品が多い印象。

いわゆる「世界の名作」シリーズに人気がないのと同様、時代も国も違う、しかも中身も古めかしいお話というのはとっつきにくいのでしょうかね。

翻訳物ばかり読んでいた私は、時代も国も違うのが非日常な「異世界ファンタジー」のようで面白かったのですが。


10.『ガラスのうさぎ』/高木敏子



そんなわけで「日本の作家の小説」を読んだ記憶がほとんどない小学生時代の数少ない「日本文学」。先生に読めと言われて読んだような。教科書に一部が掲載されていたような気がしなくもない。

東京大空襲を舞台にしたお話で、読みながらボロボロ泣いてた記憶。

こういう可哀想なの&先生にお勧めされるような教育的な感じの本はなるたけ読みたくなかった。それは今でも変わらないです。


11.『私の花物語』/壺井栄



珍しい日本文学その2。

『二十四の瞳』で有名な壺井栄さんの作品。私が読んだのは偕成社文庫か何かだったと思います。児童向けの文庫というか新書版の大きさのシリーズ。近所の方から『コンチキ号漂流記』と一緒にプレゼントされました。なんでもらったのか、理由を覚えていないし、その方がどういう理由でその2冊を選ばれたのかもわからないのですが。

コンチキ号よりこちらの『花物語』の方が印象が強いです。

やっぱり、読んで泣いてた気が。

花をモチーフにした短編集。貧しさに負けず……みたいな話が多かったような。でもただ「お涙ちょうだい」な感じではなく、じーんと来る作品集だった印象があります。

現在は出版されていないようで、有名な作家さんの作品でも読めなくなる物は多いですね……。


12.『路傍の石』/山本有三



珍しい日本文学その3。

家に単行本があって、それでなんとなく読んだんじゃないかなぁ。読み始めたら面白かった。

その後、『機動戦士ガンダム』のシャアの声が池田秀一さんと知った母が、「池田秀一ってあの、『路傍の石』の子役の子!?」って驚いてたのがすごく印象的で、『路傍の石』というと内容より「池田さんが子役時代に…」って方を思い出すようになってしまいました。

子役の時からいい声だったんでしょうか、池田さん。


13.『八点鐘』/ルブラン



小学5年の時に近所に市立図書館ができて、足繁く通うようになりました。推理小説の棚はかなり漁った覚えがありますが、中でもこの「完訳ルパン全集」の新しいのが並んでいくのが楽しみで。

もしかしたら中学1年になっちゃってたかもしれないのですが、好きでしたねぇ、ルパン。結局子どもの時には読破できなくて、大人になってから(というかつい最近)やっと全部読めました。(→「ルパンに乾杯」カテゴリで全作品感想書いてます)


14.『少女探偵ジュディ』シリーズ/サットン



同じく図書館の推理小説の棚から。もちろん私が読んだのはこんな今ドキな絵の表紙じゃなくて、もっとアメリカンな(?)絵柄のやつでした。

『少女探偵ナンシー』のシリーズも読んでたけど、こちらはさらに絵柄が今風に。



「アメリカで70年以上も続く“ナンシー・ドルー”シリーズの新作」って、まだ続いてるの…???

ググってみると、作者のキャロリン・キーンさんはシリーズ始まってすぐに亡くなってしまったらしく、複数の作家が一つのペンネームでシリーズを書き継いでいるということのよう。でないと70年続くのは無理ですよね。


15.『少年探偵団』シリーズ/江戸川乱歩



少女探偵とはずいぶん感じの違う少年探偵(笑)。このポプラ文庫クラシックシリーズはまさに「これこれ!」と言いたくなる表紙です。

全26巻だそうですが……当時図書館に並んでた分については全部読んだんじゃないかなぁ。

小林少年ってなにげに女装とかしてましたよね。


16.『黒衣の花嫁』/コーネル・ウールリッチ



同じく図書館の児童書コーナーの推理小説棚から。『幻の女』のウイリアム・アイリッシュとコーネル・ウールリッチは同じ人。どちらも読みました。

もう一度読み返してみたいなぁと思いつつ未だ実行できず。

(その後読み返してウールリッチにはまりました。ウールリッチ作品の感想記事一覧こちら

17.古代文明の謎、みたいなシリーズ

ざっくりしたタイトルですいません(汗)。

児童書コーナーに並んでいた「マヤ文明の謎」「ピラミッドの秘密」「失われたムー大陸」みたいな、古代文明を扱ったシリーズ。小説じゃないものはあんまり読んでなかったと思うんだけど、「失われた文明」という言葉はそれだけでファンタジーで、わくわくしながら読んでました。


18.子どものための哲学、みたいなシリーズ

またざっくりしたタイトルを(笑)。

だって覚えてないんですもん。児童書コーナーの哲学棚にあったシリーズの……なだいなださんとかが書いてた……。

そーだ、これ!



ちくま少年図書館」というシリーズだったのか。この「はてなキーワード」に載ってる刊行リストの中では、『恋愛なんかやめておけ』(松田道雄)、『学校で教えてくれないこと コセ博士と知的探偵団』(羽仁進)とかタイトルに覚えがあります。

「ちくま少年図書館」自体は哲学に限らず科学等も扱った子ども向けながら大人の鑑賞にもたえるノンフィクションのシリーズだったようですね。

いやー、なんか、ググってみるもんだなー。懐かしい。



「小学生の時に読んだ本」でパッと思いつくのはこんなもんでしょうか。

5年生か6年生の時にはクラスで「読書ラリー」みたいなのをやっていて、読んだ本の数を競っていました。近所に図書館ができたおかげであれこれ読みまくって上位を競っていた私、「そんなに読めるわけない!嘘ついてる!」と言われたりしましたが。

そんなズルはしてませんってば。

近所の子が「遊びましょ」とやって来ても「本読んでるから」と断り、本を読みながら廊下を歩き、親から「本ばかり読んでないで手伝え!」と叱られる生活を送れば、自然に冊数は増えます。

次回は「中学・高校の時に読んだ本」を思い出してみます。