※以下ネタバレあります!これからご覧になる方はご注意下さい!

4月22日に発売になったVシネマ『鎧武外伝/仮面ライダー斬月&仮面ライダーバロン』、やっと見ました。

もちろんレンタルで(笑)。

1時間ほどのお話の前半がメロン兄さん(呉島貴虎)フィーチャーの「仮面ライダー斬月」、そして後半が戒斗さんフィーチャーの「仮面ライダーバロン」という構成。

後日談ではなく、どちらもTVシリーズ本編の間にはさまる内容です。だからシドさんも元気だし、プロフェッサー凌馬も湊さんも健在。

シドさん懐かしーなー

って、そもそも戒斗さんがピンピンしてる時点で「後日談」ではありえないんでしたね。戒斗さん、樹になっちゃったんだもんな……。

斬月篇、バロン篇、どちらも主役二人の「語られなかった過去」をモチーフにしているのですが、メロン兄さんの過去の鍵となるのは朱月藤果(あかつきとうか)という女性。

ぬぁにぃ、メロン兄さんに女の影だとぉーっ!と予告を見た時に思ったのですが、まぁメロン兄さんももう26歳、ユグドラシルの御曹司であの男前なんですから女の影の一人や二人、10人ぐらいいたっておかしくないわけです。

でもおそらくこれまでメロン兄さんに近づいてきた女は全員プロフェッサー凌馬に消されていたのでしょう(笑)。

藤果が消されなかったのは、呉島兄弟の父親に仕えるという「手出しのしにくい」地位にいたからでしょう。と言っても少女の頃に呉島家の使用人になったので兄弟とは年齢が近く、メロン兄さんとは「まずいアップルパイ」の思い出を共有する仲です。

メロン兄さん及び光実と会うのは二人の父親が倒れた時以来6年ぶり。で、今回彼女は「お父様が亡くなられました」という訃報を携えて久しぶりに兄弟の前に姿を現したのですが。

お父さんまだ生きとったんかーい!

テレビ本編で呉島家の当主についての話がどれくらい出ていたか、鎧武はかなりテキトーにしか見ていなかったので覚えてないのですが、メロン兄さんがすべてを仕切ってる感じだったので、「もう父親は亡くなっている」と勝手に思っていました。

そしてそのお父さん、呉島天樹氏はなんと、『仮面ライダーW』の園咲家のお父さんと同一人物なのです。

そう、寺田農さん。

この世界でもやっぱり悪い金持ちなのかよ、という感じです。もしかしてW世界と鎧武世界はパラレルワールドなんでしょうか。家族構成や名前が変わっているとはいえやってることはほとんど同じで、「本人だよね?」としか。

もしくは園咲と呉島、二つの名前を持って二重生活していたとか(笑)。

今年73歳になられる寺田さん。『W』の時よりさらにお年を召した印象で(Wからもう5年も経ってるんだもんなー)、子役の貴虎兄さんに「ノーブレス・オブリージュ」を説く場面など、「一体貴虎や光実は何歳の時の子どもなの?」とついつい下世話なことを考えてしまいました。

もしかしたら養子なのかなぁとか。

回想シーンにも「お母さん」は出てこないし、「使用人」として連れてこられた藤菓ちゃんは呉島父さんが運営する児童施設の出身。

実は呉島父さん、「身寄りのない子ども達の世話をする」という慈善事業の裏で、「将来ユグドラシルの役に立つ人材を子どもの頃から英才教育で育てて」いたんですね。研究者や技術者、経営術に長けたもの、ひいてはスパイや殺し屋的な人間まで。

貴虎や光実も「後継者としてふさわしいIQと美貌を持った子ども」を選別して、「我が子」として育てていただけだったのかもしれません。

父は甘えられる相手ではなく、母親の姿もなく、広大な屋敷で使用人に傅かれるだけの「家庭」に育ったメロン兄さんにとって、同世代の藤菓ちゃんの存在は「癒し」だったのでしょう。久々に再会した藤菓ちゃんにまた「まずいアップルパイ」を作ってもらったりして、珍しく安らいだ表情を見せるメロン兄さんだったのですが……。

もちろん藤菓ちゃんはライダーです。

視聴者の予想通り、「本当はあなたの命を狙うために近づいたの」っていう存在。

「ユグドラシルの人材工場」だった児童施設、実は人体実験の場でもあったのですね。呉島父さんはヘルへイムの謎に惹かれ、子ども達を使ってロックシードの実験をしていたらしい……。ホントに園咲のお父さんと同じ人すぎますね。

犠牲になった仲間達のため、呉島家に復讐を誓った藤菓ちゃん。リンゴのロックシードで仮面ライダーイドゥンに変身!

メロン兄さんは泣く泣く彼女を斬るもとどめは刺せず……。

藤菓ちゃんにとどめを刺すのはプロフェッサー凌馬さん。リンゴロックシードを与えて「実験」したのももちろん彼。

ふふふ。

いーねー、ブレないわ(笑)。

斬月篇とバロン篇、それぞれ独立したお話だけどどっちも裏で凌馬さんが活躍して、藤菓ちゃんで実験したリンゴロックシードを今度は戒斗くんに使わせてみる、ってところで「1本」に繋がる。

凌馬さんも「児童施設」で育ったクチらしいです。呉島お父さんに「道を踏み外す研究者」という英才教育を施されたのね。

割とシリアスな「斬月篇」に対して、「バロン篇」はコメディ風味。というかこれ、素の戒斗さんで遊ぼう!っていう企画ですよね、絶対。戒斗さんを演じる小林豊くんの「素の魅力」をぜひ見てもらおうという。

『仮面ライダー剣』で始ちゃんのそっくりさんが出て来たコメディ回と同じノリ。

始ちゃんの中の人も素は始ちゃんとは真逆のおもろい兄ちゃんでしたが、小林くんも素は戒斗さんとは真逆のキャラクター。噂には聞いてたけど、あまりのギャップに唖然としました(笑)。

バロン篇での「戒斗のそっくりさん」、シャプールくんには予告映像だけで十分びっくりしたけど、メイキングで喋ってる素の小林くんが本当にシャプールそのまんまで、常に口角の上がったニコニコ顔で舌足らず気味に「金田監督はぁ~僕のこと一番わかってくれてぇ~」みたいに喋ってるの見ると、むしろよく一年間戒斗さん演じられたなって感心するほど。

いやー、役者ってすごいな。

なんか、喋りのノリがさかなクンを彷彿とさせるとこがあって……あの戒斗さんがですよ……。それでそっちが「素」なんですよ……。小林くん逸材すぎる。

シャルモンの厨房でケーキを作るシーンも、あれ、本当に小林くんが一から作ったケーキなのでは。芸能界に入る前はパティシエとして働いてたそうで、「恋するスイーツレシピ」というサイトも。



ほんと、よく戒斗さん役できたね……。

とにかくバロン篇はシャプールくん(素の小林くん)を愛でるお話です(笑)。戒斗さんの子どもの頃のつらい思い出も出て来ますが――そしてその経験こそが戒斗さんを「力こそすべて」「強さこそすべて」みたいな人間にしたのですが。

うん、まぁ、そこは割とどーでもいい(笑)。

シャプールに「何も信じないなんて嘘だよね。信じられる仲間がいるじゃないか」って言われるところはなかなかいいですが。敵ライダーにやられちゃったザックに「みんなの仇を…!」と言われて「任せろ」と言う戒斗さん格好良かったし。でも格好いい戒斗さんのシーンを見るたびに「よくあの小林くんが…」と思ってしまうので、もはや素直に見られない(^^;)

ところでシャプールくんはどこかよその国の財閥の御曹司、って設定でしたが、なんだってあんなに日本語ペラペラなんでしょうか。話せるだけじゃなく、手紙も書けるんですよ。きれいなひらがなと漢字で。

代筆ということも考えられなくはないけど、お付きのアルフレッドも「アルフレッド」という洋風の名前のくせに普通に日本語しゃべってたからなー。実は「よその国」じゃなくて日本の中のどこかで、シャプールとかアルフレッドとかいうのは源氏名みたいなもんだったりして……?

そのアルフレッド役は河相我聞くん。凌馬さんから戦極ドライバーとドラゴンフルーツロックシードを入手して、ライダーに変身します。

シャプールの父親からシャプールを亡き者にするよう命じられていて、ゆくゆくはシャプールの父も追い落として自分が財閥のトップに立とうと考えている野心家。

戒斗さんがライダーだと知らなかったはずなのに、生身の人間相手に(それももともとはヘタレなシャプールを消すためだけのはず)ライダーに変身して戦っちゃうところがすごい。戒斗さんが指摘したとおり、「それはおまえが弱い人間だからだ」ですね~。

我聞くんって今年で40歳だっけ。メイキングで監督か誰かに「30まではただ台詞覚えて言えばいいや、ぐらいに思ってたんですよ」みたいに話してるのが印象的でした。ちゃんとしたインタビューではなく、演技の待ち時間に喋ってたのを撮られてた感じ。

デビュー当時は美少年というか可愛い男の子というか、戦隊モノの黄色ぐらいに抜擢されそうな雰囲気だったよね、我聞くん。舘さん主演の2時間ドラマ『ヤバケン』シリーズに出てるの見た時も思ったけど、「ああ、こういうふうに育ったのか」と。

うん、いい意味でね。ちゃんと役者さんに――脇を固める役者さんになったんだなぁと。

で、その我聞くん演じるアルフレッドはドラゴンフルーツロックシードを使うんですが、これ、MOVIE大戦2015でメカ凌馬さんが使ってて、息子ちゃんが「なるほど」って言ってました。MOVIE大戦の設定上、「記憶にあるものしか再現できないはず」なので、まったく新しいロックシードではなく、凌馬が生きていた間に開発されていたもののはず、それをここで出してきたか、と息子ちゃんは思ったそうです。

そんなことお母さんは全っ然気づきませんでしたよ(笑)。

そもそも映画でドラゴンフルーツが出て来たことを覚えてない。

ストーリーよりもメロン兄さんや戒斗さんを「魅せる」ための作品、と思っていたけど、ちゃんと考えてあるんだなぁ(そりゃそーだ)。

バロンとドラゴンフルーツライダーのバイクアクションはなかなか見応えあったけど、本筋とは関係なさそうだった(笑)。戦ってるんじゃなくて「バイクショーとして披露してる」ふうに見えて。

うん、でも、どちらも楽しめました。

メイキングでオールアップの時に役者さんがそれぞれ役にちなんだ果物もらってるのが面白かったです。ドリアンもらっても素手で持てないし(笑)。

ペコちゃんに「松ぼっくりをかたどったお菓子」が渡された時はちょっと感動しました。「おおっ!よく探してきたな!」

バナナやメロンはいいけどねー、松ぼっくりそのままもらっても困るもんね。


そして。

外伝第2弾の製作も決まったようです。



え、デュークはいいとしてナックルって、まさかのザック主演!?

それはすごい。

ザック出世した(笑)。

戒斗さん亡きあとのチームバロンを引っ張っていくのはザックだもんねぇ。そうですか、ザック主演ですか。

ついに本名が明かされるのだろうか(爆)。

凌馬さんの方は、今回のお話でもかなりたくさん出番あったし、MOVIE大戦でもメカ凌馬として大活躍。出過ぎじゃないかという気も(^^;)

それだけファンの要望が多いんだろうなぁ。わかるけど。

凌馬さんはいくらでもエピソード作れそうだしね。

というわけで、第2弾も楽しみですね♪