(※以下ネタバレあります。これからご覧になる方はご注意ください)
お芝居もショーも楽しかったです♪
まずはミュージカル『ROBIN THE HERO』。日本人でも名前ぐらいは知っている中世イングランドの英雄、ロビン・フッドの活躍を描く物語。
最初は争いを嫌う心優しい青年、それが父を殺されたことにより覚悟を決め、弓の名手として、仲間とともに圧政に立ち向かうヒーローに。途中、中身が女の子になってしまうお芝居もあり、朝美さんの持つ可愛らしさと格好良さを存分に味わえる作劇、これぞ座付き役者のお仕事でございました。
12世紀のイングランド、獅子心王リチャード等実在の人物も出てくるとはいえ、精霊や魔術師なども登場して、多分に「おとぎ話」の雰囲気。ほんとに朝美さんのキャラクターに合ってますよね~。
作/演出は齋藤吉正先生。
齋藤先生といえば『NOW! ZOOM! ME!』で盛大に『Anything Goes!』をかけてくれたり、『ROYAL STRAIGHT FLUSH!!』では戦隊風名乗り、プログラムには「雪組、派手に行くぜ!」と書いちゃうほどの特撮ファン。
ロビンが「覆面」をつけて「正義のヒーロー」になるところは、「あ、これMasked Heroじゃん!!!」ってなったし、なんか色々小ネタぶっこんでありましたよね??? 台詞にも出てきて、15場のタイトルになってる「愛しのロビン・フッド様」も絶対郁恵ちゃんを意識してるでしょ? 知ってて使ってるよね、ね!?
入れ替わりの魔術のところの「ウルトラソウッ!」も笑ったし、「謀ったな、シャア!?」みたいな台詞もあった。まぁこれは反応する私がオタクすぎるだけなのかもしれないけど。
えーっ、そんなわけで。
お話は十字軍とイスラム軍との戦いから始まります。瀬央ゆりあさん扮する戦士ガイ・ギズボーンの勇壮な歌と殺陣。ガイはロビンの父、ロクスレイ卿の副官なのですが、卿を裏切り、王弟ジョン側に立って卿を殺害します。のみならず、ロクスレイ卿こそが敵セルジュク朝と通じていた裏切り者だと罪をなすりつけるのです。
このアバンがあった後、「ようこそおいでくださいました」のアナウンス。そして、まだ何も知らないロビンが精霊たちや恋人マリアンと楽しげに過ごしている場面へ。
父ももうすぐ戦地から戻ってくるはず――ところがやって来たのは十字軍の兵士たち。ロビンは反逆者の息子として捕らえられ、監獄塔に囚われてしまう。
もちろんロビンは「そんなバカな!」と訴えるのだけど、兵士たちは聞く耳持たず、マリアンも「ロビン、あなた異教徒だったの!?」とあっさり手のひら返しちゃう。いや、ちょっとぐらいは葛藤しても良くない??? 恋人のこと、もうちょっと信じてあげてもよくない???
当時の常識から考えれば「異教徒」というのは本当に唾棄すべき存在だったのだろうし、いきなりのことでショックを受けて冷静に考えられなかった、あとからちゃんと思い直すとはいえ、ひどいよ、マリアン!
マリアンはカスティリアのお姫様で、獅子心王リチャードの姪でもある。両親を亡くし、イングランドに来て、ロビンと出会った。
マリアン役はもちろん夢白あやさん。最初は「恋人のことを信じない、心弱い、運命に翻弄されるお姫様」なのかと思ったんだけど……。
実はとんでもないお転婆。
途中、ロビンと一緒に逃げるために松明で兵士をポカリとやったり、なかなかどうして活発なヒロイン。ロビンにも「君は本当に――度胸があるね」と言われたりしてる。(一瞬言葉に詰まった感じになるのは、「本当にお転婆だね」と言いそうになるのをこらえたんだろうなぁ)
で、その「おきゃんな」夢白さんがとても良かったです。活発で可愛くて、ロビンともどもまだ少し幼さが残る、「おとぎ話を生きる女の子」という感じで。
監獄塔に捕らえられたロビンを救うのは縣千さん扮するウィル。ロクスレイ卿を慕う戦士だった彼は、卿の形見の弓をロビンに渡すため、危険を顧みず監獄塔に忍び込んだのです。
「ぼくは父上のように強くない、戦いなんて」と言うロビンを鼓舞し、弓と剣を教え込む。
縣さんのウィル、なかなか格好良かったです。だいぶ大人っぽくなったなぁ(何目線)。アバン部分でロクスレイ卿から弓を託され、ロビンを救出し、鍛える、役柄としては重要だけれど台詞や見せ場はそこまで多くない、いわば「辛抱役」。良かったよ、うん。
ロビンとウィルは「シャーウッドの風」と名乗る義賊の一団と出逢い、彼らとともにノッティンガム長官カーク達に叛旗を翻す。
お尋ね者のロビンは覆面で顔を隠し、「Masked Hero“フッド”」として名を馳せることに。
そしてある夜、ノッティンガム城に忍び込んだロビンは思いがけずマリアンと再会。ここの二人の掛け合いがとても楽しいです。なんせマリアンは目の前の「フッド」がロビンだなどとは夢にも思わず、「ロビンはどうしているかしら」「彼はちょっと頼りなかったけど」みたいなことをつらつら話すのです。そのたびにロビンの心の声がダダ漏れ!(笑)
「セーフ!」とか、12世紀イングランド人そんな言葉遣いするんか、といちいち突っ込みたくなるコミカルな場面。このあたりも朝美さん、巧いですよね~。ふふふ。
でもマリアン、顔が隠れていたって声でわかるでしょ~、あの朝美さんの声がわからないなんてあなたモグリだわ~~~。
一方、ノッティンガム長官カークやガイはフッドを捕まえるため一計を案じます。巷で“クソ坊主”と仇名される修道僧タックをスパイとしてシャーウッドの森に送りこむ。
この“クソ坊主”が久城あすさんなんですけど。
めっちゃいい!
最高!!!!!
スパイになる前から出番多くて、銀橋でのソロもあって、その“クソ坊主”っぷりを観客の目に焼きつけておいてからの、スパイ! 「シャーウッドの風」の面々も「こんな奴信用できるか」と最初は言うんだけど、手土産のエールに騙されて仲間に入れちゃう。もう、おまえらチョロすぎやん!
久城さんのお芝居がまた本当に素晴らしくて、いや、もう、今回この“クソ坊主”(くどい)を観られただけでお金払った甲斐あるわ、ってぐらいでした。改めて久城さんの退団が寂しいよぉ。
“フッド”の正体をあっさり掴んだタック修道僧、伝書鳩で早速ノッティンガム城に知らせようとしますが……。
「そんなこったろうと思った」とちゃんと見張ってた子がいるんですよね、義賊の一員スカーレット。ウィルといい仲になる有能でチャーミングなスカーレット、演じるのは華純沙耶さん。『ベルばら』新人公演でのモンゼット夫人で可憐な容姿としっかりしたお芝居が印象に残っていましたが、今回も滑舌よく、素敵でした。ショートヘアのちょっと凛々しい感じのビジュアルも良かった。
ウィル(縣さん)の相手役だから、いわば娘役3番手ですよね~。すでに『双曲線上のカルテ』でヒロインも経験済みですもんね。
華純さんと同期で『ベルばら』新公ではアンドレ、本公演ではベルナールを務めた華世京さんも「シャーウッドの風」の一員、デイビット役。デイビットは仲間の一人、エメットのことが好きで、「エメットはロビンに気がある、ロビンがエメットにちょっかいを出している!」と盛大に勘違い、なんとノッティンガム城に「フッドの正体はこいつです!」と言いに行ってしまう。
おいおいおい~~~。あんまり短絡的じゃないか、君。デイビットのおかげでロビンとマリアンが捕まって大変な目に遭うのに、みんなちゃんとデイビット助けてあげてまた仲間に入れてあげるのすごい。優しすぎる。
おっちょこちょいというか血気盛んというか、若気の至り甚だしい青年を華世さん好演。ウィルよりもデイビットの方が目立つ気がするよね……。そんでやっぱりマリコさん(麻路さき)に似て見える。
デイビットに想いを寄せられる女の子エメットは音彩唯さん。エメットもちょっとおてんばな感じの子。「義賊」として活動してるんだから、まぁ活発じゃなきゃ務まりませんが。
音彩さんはもちろん良かったけど、役の印象としてはスカーレットの方が面白かったな。音彩さんと華世さんがコンビというかカップルなのはなんか個人的に嬉しかったです。
娘役さんでもう一人印象に残ったのが、ガイを慕う小間使いの女の子クインシー。出番はとても少ないんだけど、台詞がしっかりしてて、遠目にも可愛くて、「これ誰?」ってなりました。演じていたのは『ベルばら』新公で堂々たるアントワネット様を見せてくれた白綺華さん。雪組さん、有望な娘役さん多すぎでは?
貧しい境遇から這い上がり、野心のためなら手段を選ばないガイ。ただ地位と身分のためだけにマリアンとの結婚を望むガイも、本当はクインシーのこと大事に思ってたんだよね……みたいな。
もうちょっとガイとクインシーのシーンあると良かったのになぁ。瀬央さんのガイ、とても格好良かったけど、キャラクターとしては描かれ方が物足りないというか、こう。
瀬央さんは『眩耀の谷』の時に「すごい声量だなぁ」と思って、ほぼそれしか印象がなかったんですけど(ほとんど拝見したことがなかった)、今回もやっぱり声がとてもしっかりしてて、歌も良かったです。
あと印象に残ったのが咲城けいさん。ロビンのいとこで、ノッティンガム長官側かと思いきや獅子心王に忠実だった若者アラン役。この人誰だろ、きれいだな~と思ったら咲城さんだった。『ベルばら』での代役ジェローデルが素敵で注目していたのに顔を覚えられていない……。
最後はもちろん大団円、ロビンはめでたくマリアンと結ばれ、新しいノッティンガムの長官に。「みんながいるから、この仲間たちがいるから」みたいなロビンの台詞があって、「新生雪組」の船出にふさわしい締めくくり。
銀橋の二人、舞台上には仲間たち。ウィルとスカーレット、デイビットとエメットもしっかりカップルになっていて。デイビットまじでしれっと許されてるのすごいわ、みんな寛容だ(笑)。
マリアンがロビンと“フッド”、どっちを好きなのか、ってところはマジレンジャーのマジレッドと山崎さんの関係を思いだしちゃいましたね~。マジレッドであることを明かせない魁くん、魁のことも嫌いじゃないけどマジレッド様の方がもっと好きな山崎さん。「それ俺なんだけど~」とお城のシーンで言えなかったロビンとかぶる。
齋藤先生、どこまで意識して書いてらしたのかな、こっちがうがちすぎかしら。
フッドの武器が弓矢なので、たびたび「シュタッ!」とあちこちに矢が突き立つんですが、あの演出、本当によくできてますよね。『Thunderbolt Fantasy』の時も「どうやってるんだろ」って思ったけど。
幕が下りて、映像でさらにロビンが矢を放つ。矢は『オーヴァチュア!』という看板(?)に突き立ち、「30分後!」みたいに書いてあったような。ちょっと、細かいところ忘れちゃったけど、最近はこういう演出も凝ってますね。
ショー『オーヴァチュア!』は三木章雄先生の作/演出。
三木先生、めちゃくちゃ久しぶりじゃないです??? まだ劇団にいらしたんだ!ぐらいの(失礼ご容赦(^^;))。
だって三木先生といえば『メガ・ヴィジョン』とか『ファンシー・タッチ』とか、我が青春の宝塚時代に活躍されていらした方。花組月組100周年記念のOG公演『Greatest Moment』ではヤンさんに「サード・ヴィジョン」を踊らせてくださって、ヤンミキの「飲め飲め」やカナメさんの「グランドホテル」を聞かせてくださって。
大劇場での新作レビュー、はてさてどんな感じ?と思っていたら。
良かったです!
音楽がとても好みだったし、ちょっと最近にはない感じの雰囲気で、楽しかった。要は「おばちゃんに刺さる」レトロな選曲だったわけだけど、アレンジその他ちゃんと令和バージョンにアップデートされていたし、若い人には逆に新鮮に映ったのでは…? 映ってるといいな。
『ROBIN』と同じく、開演アナウンスよりも先に舞台にスターさんが出てきてしまう。お手洗いが混んでてバタバタしてたらもう始まっちゃって焦りました。
縣さんをはじめとする黒い衣装のダンサーさんが次々と舞台に現れ、そして階段上にバーンと朝美さん登場!
またこの最初の歌がすごい不思議な始まり方で。
「今、初めてあなたを見る。私は私になる」「会いたい 愛 いたい」……。
わぁ、なんだこれ。
プログラムには「硝子のピラミッド」って書かれているけど、幾何学的な電飾の感じが「あー、なんか我が青春の宝塚時代によく見たようなやつ」でしたね。なんか、昭和の時代の「近未来」なイメージというか。
『ロビン』の方がお城とか森とかしっかりした舞台装置だった分、ショーの方は全体にとてもシンプルで、おおむね全部フラットな舞台で踊ってる印象だったけど、寂しい感じはしなかった。
プロローグのあと、銀橋に朝美さん、夢白さん、瀬央さん、華世さん、音彩さんが出てきて格好良くスキャット。ここでトップコンビ、瀬央さんに加えて出てくるのが華世さんと音彩さんか!ってなりましたね。新生雪組、瀬央さんの加入もあり、どうしても番手的な部分が気になってしまう(^^;)
縣さんが銀橋にいないのはもちろん次のシーンのため。縣さんと諏訪さんによるダンス対決! ここのJazz、音楽がとても格好良かったし、振りも良かったです。プリマ役の瑞季れいなさんも良かった。往年の花組でヤンさんメインで演ってそうな場面でしたねぇ。音楽は栗山梢さん。栗山さんって、初めての方では?
先日初日を迎えた雪組公演
— Kozue (栗山梢) (@kozukuritree) March 22, 2025
『オーヴァーチュア』に初めて作編曲として携わる機会をいただきました。
『髪をといて』作曲 Archipelago(栗山梢&大嶋吾郎) /作詞 大嶋吾郎
『Face Up To』 作曲 栗山梢
三木先生ありがとうございます。
無事に千秋楽まで完走出来ます様に東京で待ってます✨
格好いいJazzのあとはちょっとコミカルな場面。華世さん演じるザ・スターがハネムーン休暇を取るので代役のオーディションをしよう!というコンセプトで、スターの座を狙うニュー・スターが瀬央さん。
華世さんがすでにスターの役で瀬央さんがニューフェイスっていうのがまた、じわじわ来ますね。ここでの華世さんの相手役は華純さん。華純さんやっぱり可愛い。
続くS10~S12はバイクがテーマ。舞台に本物のバイクがどーんと出てきて、黄色い衣装の夢白さんが「バイクの化身」として格好良く歌う。扱いの難しいバイクを「じゃじゃ馬な美女」に見立て、乗りこなせるのはスーパーライダー・朝美絢だけさ!という。
ハートブレイクホテルとかかかってたよね。朝美さんのライダースーツが厚そう&暑そうだった。
で、S13でまたジャズに戻って、縣さんと音彩さんで「Indian Love Call」。そしてタップダンス! おおお、タップダンス見るの久しぶりな気が。
S14は瀬央さんの「Stardust」、久城さんも歌ってらした♪
そして中詰め、「Sing, Sing, Sing」! 鉄板だけどやっぱり盛り上がる~~~~~。大好きだぁぁぁぁぁ。客席降りもあったけど、2階席民には関係なく(泣)。『PHOENIX RISING』の時に2階に来てくれたから、「これからは期待していいのかな」と思ったけど、あれっきりこれっきりだったのかな……。客席降り演出、楽しいけど、楽しくないんですよ、うう。
瀬央さん、縣さん、華世さん3人での「Love for sale」を挟んで――って、華世さんめっちゃ出番多くないです? 全場出場だったりしない??? ジャズダンス対決のところには出てないけど、ライダーのとこでも踊ってたし、「Stardust」のところはジャズレディ。嬉しいけどめっちゃ忙しい、大変そう。すごい。
S17~S19は音楽が斉藤恒芳さん。『蒼穹のファフナー』の音楽でもおなじみ、宝塚でもたくさんお仕事されてらっしゃいますが、S18のエスニックなマンボ(?)が格好良かった。
この「エトランジェ」の場面、朝美さんが最初に銃殺されて、死ぬ間際に見た走馬灯のイメージだったのかな? 最後また銃声で……。
続いてラインダンス。「ウィリアム・テル」序曲に乗せて。『オーヴァチュア!』が「序曲」の意味だし、ロビン・フッドとは弓矢繋がり。
フィナーレの最初は瀬央さんと音彩さん。続いて大階段に夢白さんが現れ、両脇を縣さんと……華世さんだったっけ? 夢白さんの髪型と衣装が印象的で格好良かった。曲は「カルメン」前奏曲。
そして朝美さん! デュエットダンスはなくて、朝美さん一人での大階段。ここがまたすごい難しい歌で、リズムとメロディーが全然別な感じで、よくこんなの歌えるなぁ、さすが朝美さんと感心。モーツァルトと吉田優子先生のコラボ曲だったらしい。
グランドフィナーレ、エトワールは音彩さん。高音の歌いっぷりがすごい~。
「トルコ行進曲」とか「エリーゼのために」とか、メジャーすぎるクラシック曲に乗せてスターさんが降りてくる。華世さんと諏訪さんが二人、縣さんは一人だけど羽根なし、瀬央さんが羽根、朝美さんはもちろんトップの華麗な羽根。
縣さんは羽根ないんだぁ、と思いましたよね……。華世さん諏訪さんと同じ、いわゆる「殺生丸」スタイルの肩掛けふわふわ羽根。ポスターも朝美さん瀬央さんだけで縣さん載ってないし。
で、全員揃って銀橋渡って、舞台に戻ったら即緞帳降りちゃって。いつにもまして幕降りるの早かった気がする。じっくり双眼鏡で眺める間もなく。時間押してるのか?尺が足りないのか!?
新生雪組、専科から二番手位置に瀬央さんが来て、作品そのものの楽しさとは別に「誰がどう使われてるか」が気になる公演でした(^^;) 瀬央さんまだ「特別出演」っぽい印象だったなぁ。私が瀬央さんに慣れてないのもあるけど。
華世さんの出番が多くて嬉しかった。華世さん、バウ主演も決まって、ますます楽しみ。
朝美さんと瀬央さんは同期、朝美さんが可愛らしいのであんまり意識してなかったけど、もう研15――16ですっけ? 同じく同期で専科から宙組へと異動になった水美さんともども、今後が気になりますね。
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