(※以下ネタバレあります。これからご覧になる方はご注意ください。記憶違い等多々あると思いますがご容赦を)



11月26日火曜日の13時公演を観劇したのですが……翌日から喉の調子がおかしく、翌々日の木曜日に新型コロナと判明。一週間ほど脳味噌働かない状態で、その後も喉の痛みが続き、溜まった用事をこなしていたらあっという間に12月も19日になってしまいました。

観劇からたっぷり3週間、何も覚えていない(´・ω・`)

ネタバレどころか何も書けないぞ、記憶違いどころか記憶がないぞ、という有り様なんですが、後々自分で振り返るためにも一応メモ程度のものは残しておこうと思います。

この公演は鳳月杏さん&天紫珠李さんの大劇場トップお披露目公演。期待に違わずお芝居もショーも良かったです。「良かった!」しか覚えてないけど。

まずはミュージカル・クエストと銘打たれたお芝居『ゴールデン・リバティ』作・演出は大野拓史先生。鳳月さんのトップ披露に西部劇を持って来るって、意外性の勝利ですよね。『荒野の七人』に『荒野の決闘』、『リオ・ブラボー』といった西部劇、私は好きなんですが、宝塚では珍しいですよね。カウボーイハットにロングコートの男役さんがずらっと並ぶ光景は格好良く、いつもの宝塚と少し毛色の違った群像劇になっていて、楽しかったです。

幕開きから月組さんのコーラスワークが素敵で、別々のメロディーを掛け合いで歌う大好物の音楽、わくわくするオープニング。
鉄道の駅に新しくオープンしたレストラン、その開店祝いで賑わう中に押し入ってくる荒くれ者たち。鳳月さん扮する主人公ジェシーが孤軍奮闘していると、そこへ保安官のライマンが。ライマンはなぜかジェシーの方に銃を向け、自分たちの列車強盗計画に加われと脅しつける。

実はジェシー、伝説の列車強盗団ワイルドバンチの生き残りだったのです。

仕方なくライマン一味に加わって襲った列車の中で、ジェシーはとある少年を助け、二人で逃亡する羽目に。
うまい具合に通りがかるサーカス列車、「ジェシー!」と名を呼ばれて乗り込んだものの、サーカス団が待っていた「ジェシー・スミス」は女性ガンマン。サーカスで射撃芸を披露するはずの女性はどこに――?
そこで「少年」だと思っていた人物が女性だと判明し、彼女が「ジェシー・スミス」のふりをして、そのままサーカスに潜り込むことに。

この辺のドタバタコメディ感もなかなか面白く。
いつもどおりのB席でスターさんの顔がはっきりせず、列車強盗のあたりは「ん?誰がどう?」とちょっと呑み込みにくいところもあって、一緒に観劇した母は「最初の方、退屈だった」と言ってましたが(^^;)

サーカス団の座長の妹で人形遣いのアイダがお芝居もキャラクターも良くて印象に残りました。再演『BLUFF』でヒロイン・シャロンを務めた花妃舞音さんが演じてらっしゃいましたが、今回も巧かったですね。

少年だと思ったら女性だったヒロイン・アナレアはもちろん天紫さん。彼女が大事に抱えている古い外交行嚢の中身は何なのか、そもそも彼女の正体は――?
ライマン一味の列車強盗の真の目的は彼女だったのだけど、ライマンに指示を出していた陸軍将軍ケインと実業家モートンは明らかに「悪党」で、ライマンは葛藤の末、ジェシーとアナレアを助ける方に動く。

ライマン役は二番手風間柚乃さん。大人っぽい雰囲気がライマンという役に合っていて、ロン毛の髪型も格好良く。

駅のレストランの支店長モンタナとその娘パールはジェシーとは古なじみ。冒頭だけでなくずっとお話に絡んで、いい味出してました。モンタナ役は白雪さち花さん、パールは彩みちるさん。お二人ともさすがのお芝居でした。

『BLUFF』のロジャー役が鮮烈だった彩海せらさんはライマン一味の無法者の一人、リッキー。ワイルドバンチに憧れて実家の牧場を飛びだしてきた若者。ジェシーの生き方に触れて最終的には味方になっていた…気がする……。捲殘雲みたいな役どころだなぁと思いました。やんちゃっぽい感じが良かった。

「自由の女神」像の除幕式をクライマックスに持ってくるのも面白く、それまでちょこちょこ出番のあった新聞記者エリザベスがいい仕事するのも良かった。「このために貴女ずっといたの!?」みたいな。

最後アナレア中心にポリネシアンダンスみたいなの踊るシーンも楽しく。うちの母は「あれが一番良かった」と言ってました(^^;) あと大道具の列車。すごくよくできてて存在感あった。

主人公ジェシーは「ワイルドバンチの生き残り」という他にもつらい過去を背負っていて、ちょっと影のある感じなんだけど、でも暗すぎず、ちょっとコミカルな一面もあって、鳳月さんのお芝居と存在感が光っていました。

いや、ほんといいな、宝塚で西部劇

プログラムには全登場キャラクターの説明(モデルになった人物など)が事細かに記されていて、大野先生のこだわりが感じられます。プログラムにここまでキャラクター紹介が載ってるの、初めて見た気が。


「Takarazuka Spectacular」と名付けられたショー『PHOENIX RISING(フェニックス・ライジング)-IN THE MOONLIGHT-』は最初からクライマックス! 最初から大階段使って、スターさんが次々と作中の歌を歌いながら降りてくる。え、もうグランドフィナーレ!?

プロローグのすぐ後にロケットもあったし、作・演出の野口幸作先生、攻めてる。

エジプトの神々のもと、フェニックスが甦り、アジア各地を回る――といったコンセプトで、衣装もエスニックで豪華絢爛。大胆な黒と金の衣装、照明含め全体にカラーリングがすごくてビジュアルだけでもう心を掴まれる。

オダチン・カーンの場面は「風間さん何やらされてんの!?」って感じで楽しかったし、中詰めの客席降りは2階にも来てくれて、B席民大歓喜!!! ありがとうございますありがとうございます。

韓国のシーンは鏡を使った演出が秀逸。全体的に群舞が多くて、銀橋でのパレードも多かった気がするし、全場出場の人がたくさんいたのでは。これでもかとみんなで踊り継ぐショー大好きだけど、見てて「なんてしんどいショーだ!」と思いました。

そしてフィナーレでは秀樹! 「この曲……秀樹だよな?秀樹だよな???」とタイトル思いだせないまま聞いてましたが、秀樹の『君よ抱かれて熱くなれ』を鳳月さんが歌い上げる。宝塚、よく秀樹の曲使うなぁと思ったけど、『Killer Rouge』の印象が強いだけかしら。
ともあれ鳳月さんは歌もうまくて、特に高音が良いーーーーーーー! お芝居にも歌にも色気がありますよねぇ。

グランドフィナーレでは風間さんがしっかり二番手の羽根を背負ってらして。三番手礼華はるさん、四番手彩海せらさんも一人ずつ階段を降りていらした。
そして銀橋を渡るところで、みんなが主題歌を歌っている中、鳳月さんが「Hahh~♪」みたいな感じでかぶせていくのがまたすごく良かったなぁ。もう1回どころか3回ぐらい観たい。ライブ配信観ようかしら……。