『平ジェネFINAL』のおかげでオーズ熱が復活、テレビシリーズを見返してたんですが、先日やっと最終回まで見終わりました。

「やっと」というか、なんかもったいなくて、わざと間をあけたりしてたんですよね。最初の方はがーっと集中して楽しく見たけど、終盤にさしかかってくると色々とツラいし、「あー、もうあと8話しか残ってない」「いよいよあと4話だ」「見たら終わっちゃう!!!」みたいな。

まぁ終わったらまた最初に戻ればいいだけのことなんですが(笑)。

2011年に本放送で見て、その時に終盤4話はたぶん録画を2回ぐらいは見て、2013年に京都テレビの再放送を見て、で、今回4年ぶりぐらいでがっつり見たわけですけど、

何回見ても泣ける!!!!!

アンクがロストに吸収されてしまう40話「支配と誕生会と消えるアンク」も泣けたし、45話~47話はもうホントにボロ泣き。

魂が浄化され、血流も良くなって一時的に首凝り肩凝りも軽減されます。ありがたや。

本放送の時に「『仮面ライダーオーズ』終わっちゃった…」という記事でほぼ全部書いちゃってるんだけど、改めてカザリが死んだ後、「死んだ」という言葉を「メダルの塊です。消えただけです」って真木博士に言われるアンクちゃんがつらいし、「おまえらグリードにはわからない味だ」「まるで自分は違うみたいね」っていうメズールとのやりとり、「おまえたちと一緒にいると(自分がグリードだってことを)嫌でも思い知らされる!」って叫ぶシーン、せつない。

「人間は気にくわないが、グリードはもっと気にくわない」

「一番欲しいものを手に入れるためだ、おまえたちじゃない」ってアンクちゃんが映司くんに言うシーンがあったけど、「おまえたちを手に入れる(=一緒にいる)ためにはまず人間にならなきゃダメじゃないか」ってことだよね。

映司くんも比奈ちゃんもとっくにアンクのことを「ただのグリード=モノ」とは思ってないわけだけど、アンクちゃんにとってはそこは「越えられない壁」で――。

クスクシエに戻って、「こいつが物足りなかったなぁ」ってアイス食べて、走馬灯のように流れる思い出の場面の中に佇むアンクちゃん

鏡の自分に向かって、「おまえらグリードにはわからない味だ」。
ロストとの戦いで鳥メダルが壊れてなくても――たとえ全部揃って完全復活できてたとしても、グリードである以上、やっぱり味はわからなかったんだろうと思うと。

薄々アンクちゃんも、たとえ「メダルの器」になって完全体以上の「すごいモノ」になったとしても自分の望むような「命」は手に入らない、って気づいてたんじゃないのかなぁ。でも、暴走しなければ、正気を保てれば……万が一にも可能性があるなら、それを試すしかなかった。でなければ、グリードでいるしかないんだから。

「グリードだから」

メズールは、そう言って死んでいった。
「もっと、もっと…」という言葉に対してガメルが「どうして?」って訊いて、それで「グリードだから」って答える。

悲しいなぁ。

お菓子大好きなガメルも、実は味はわかってなくて、おもちゃか何かを「うまい!」ってバリバリ食べる描写があったけれど。

『平ジェネFINAL』の最後、映司くんが「はい、今日の分のアイス」ってアイスを渡して、それを一口二口食べてからアンクちゃんはまた消えていくわけだけど(アイスも下に落ちずに消えてたよね(^^;))、あのアンクちゃんは味がわかったのかな?

戸惑ったような、奇妙な表情でアイスを舐めたように見えたのは、「味がわからない(のが怖い)」って意味だったんだろうか。
財団Xの偽のメダルで一時的に復活したアンクちゃんの体は、「偽」といえどグリードなのだろうから、食べ物の味もきっとわからなくて、でも、そんなこととは無関係にそのアイスは――映司くんからご褒美に渡されたアイスはきっと、懐かしい“思い出の味”がして――。

だから、なんとも言えないせつない表情で、またアンクちゃんは消えていった。
(※個人の妄想です)

『MOVIE大戦』で「いつかの明日」からやってきたアンクちゃんは、味、わかってたのかな。映司くんの姿にも擬態できるあのアンクちゃんは、やっぱり人間ではなくてグリードのはずだけど、そして、おそらく、だからと言ってもう自分を「モノ」だと卑下することはなくなっているだろうけど、でも、「世界を確かに味わえる」五感を手に入れられたかどうかは。

ファンにとっては――そしてもちろん映司くんにとっても、もう一度(どころか二度も)アンクちゃんに逢えたのはたまらなく嬉しいことだけれど、「死ぬことによって命を得た」アンクちゃんを復活させるのは、いいことなのかどうか。

人間は死んだら終わり、「いつか、もう一度」はない。

だから、『MOVIE大戦』の復活の仕方が「いつかの明日」、「そんな未来もあるかもしれない」っていう「可能性」「希望」で、とてもよくできてるなぁ、と思ったんだ。

『エグゼイド』のポッピーがバグスターで、ポッピー役るかちゃんが映画のパンフに「バグスターにとっては生き残ることも辛いかもしれない。年も取らないんだろうし」って書いてたけど、人間じゃない存在が人間と一緒に生きていくのは簡単じゃないな、って。

人間は簡単に、そばにいてほしいとか、「人間の味方でいろ」とか言うけど……。


しかし本当に、クスクシエに戻ってきたアンクちゃんに「この体よこせ!」「だめ、あげられない」って答えた後泣き崩れる比奈ちゃんたまらないし、その後カンドロイドにアンクちゃんを探させて、メダルのヒビのこと聞いて「死んじゃうの?」「俺が死ぬと思うのか?」「そう言ったじゃない」ってやりとりするとこもすごく好き。

比奈ちゃんが見つけてくれる前にもう、「さっきからずっと満足してる」って言ってたアンクちゃんだけど、比奈ちゃんに「死んじゃうの?」って言われて、比奈ちゃんが自分をそういうふうに思っててくれることを知って、いっそう満足して、覚悟決めて映司くんのとこに戻れたんだろうなぁ、って。

「俺がいないと相当ヤバいだろ、あの使えるバカは」

真木博士……じゃなくて完全体ウヴァと戦ってるところだっけ、アンクちゃんが駆けつけたの。オーズに放たれた攻撃を、飛来したアンクちゃんがその翼ではねのける、みたいな。

よくぞ鳥属性にしたよね。
天使にしか見えない(爆)。

で、映司くんに「アンク、どうして」って言われて、本当に満足げに、「今日の分のアイスよこせ」って言うアンクちゃん。

これ、海辺で映司くんと激しくやりあった後、意識の混濁した映司くんが「アンク、どうして。ああ、そうか、約束だった、一年分のアイス。はい、これ、今日の分」ってパンツと小銭出して意識失うあのやり取りの、やり直しなんだよね。
映司くんとしてはきっと覚えてない場面で、「アイスよこせ」って言われて「ええっ?おまえ…」って困惑するんだけど(そしてその困惑する映司くんがアンクちゃん的にきっととても嬉しい)。

靖子にゃんほんま天才。
脚本もカメラワークも、もちろん全員のお芝居も完璧すぎる。
「困惑する映司くん」って書いたけど、困惑してるのオーズだから、高岩さんなんだもんなぁ。素晴らしい……。



YouTubeでの最終話特別配信、いつまで見られるのかわかりませんが、見られるうちに何度でも見ておきましょうね。AmazonPrime特典からもいつライダー消えるかわからん…(おねがいAmazonさん、いつまでもそのままでいて)。

夜の海辺で映司くん、比奈ちゃん、アンクちゃんの3人が手を繋ぐシーンもとてもいいよね。「メダルのヒビのことは映司には話すな」って釘を刺されて、映司くんが何も知らず「ほんとに良かった」って喜ぶのを、ただ黙って見てるしかない比奈ちゃん。

アンクのことだけでなく、「それだけが気がかりだったんだ」と言う映司くんが「戻れない」覚悟をしていることもわかって、でも、何もできない。

ただ、二人の手を繋ぐ――。


はぁ。


最終回、Wバースが奮闘してるところに「ビジネスですから」とちゃんと加勢に来る里中ちゃんも素敵で。

いいよねー、里中ちゃんのあのキャラ。
もし誰かの役をやれるとしたら里中ちゃんをやりたい(笑)。

後藤さんは最初バースバスター撃てなくてひっくり返ってたのに、里中ちゃんフツーに撃ってたよね? 里中ちゃんが撃ってるのはバースバスターとは違って衝撃が弱いのかもしれないけど、生身でフツーに戦えちゃってるのは確かで。

そういえば「公式キャラクターブックVol2」引っ張り出してきて読んでたら、里中ちゃん役有末さんは当時19歳(放送開始時は18歳)。
ひゅおおおおおおおお。
映司役秀くんも放送終了後にやっと二十歳の誕生日を迎えているわけで。

今の息子ちゃんと同じ年だったのかと思うと……みんなすごいな……。



(持ってないVol1、まだ在庫あってびっくり。ポチれってことか?ポチれってことかよ!?)


(オーズのサントラは本当にいい。とにかくいい)


(これだけ音源持ってないわ。そしてバースチームのスピンオフ、まだ待ってるよ…)


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