※以下、ネタバレあります!これからご覧になる方はご注意ください!
 また、見終わってから記事を書くまでに数週間かかってしまい、記憶違い等多々あると思われます。ご容赦ください。



正式名称は『仮面ライダーエグゼイドトリロジー アナザーエンディング 仮面ライダーゲンムvsレーザー』かな?

トリロジーということでPART1が『ブレイブ&スナイプ』、PART2が『パラドクスwithポッピー』、そしてこれが〆のPART3。

今書いていて気づきましたが……「ブレイブvsスナイプ」じゃなかったのね。PART2が「with」なのはなんとなく覚えてたけど。

基本はVシネ、でも劇場でも期間限定で上映あり、というパターンで、本当は3作とも見に行きたかったんですが、いかんせん田舎者。近所ではやっていない。さすがに2週間おきに京都まで映画見に行くのはつらい。2月は風邪でぐずぐずしていましたし。

でも「神vsきりやん」だけは早く観たかった。大画面で観たかった。

なので病み上がりの体(数日前に熱出してた)に鞭打って頑張って京都まで行ってきたんですが。

うーん。

なんか、テンポが悪いっていうか、シーンがぶつぶつ切れるっていうか……。『平ジェネFINAL』の出来が良すぎたのもあるかもしれないけど、ストーリーどうこう以上にカット割りというか「流れの悪さ」みたいのにムズムズしてしまいました。

期待が大きすぎたのもあるかなー。家でのんびりDVDで観たんだったらまたちょっと印象が違ったかもしれません。ストーリーもPART1、PART2とちゃんと続いているみたいなので、3作ちゃんと続けて観たらよりお話に没頭できて楽しめるのかも。

お話の鍵を握る人物ぽい「サイコ先生」っていうのが、ほんと唐突に感じちゃったから……。「んんん?何この女!?」って。観てるうちに「あ~、PART1から出てるのかな」って思って納得したけど、でも「お医者さん(研究者?)」にしては若すぎるギャルで……。演技もいまいちだったし、「なぜこんなキャラにしたの」感が。

最後、きりやんにウィンクしてたのも大減点。

要らなくない? あのキャラ要らなくない!? ヒロイン枠とかなくていいし!

檀黎斗神ときりやんの二人だけで話が進んでも全然OKだったのに、大我先生とニコちゃんのラブラブ電話とか差し挟まれてたし……いいよ、もう、そこはお腹いっぱいだよ。

のっけから宇宙背負ってる檀黎斗神、黒燕尾オールバックで「檀黎斗神がナビゲートいたします」ってゲームキャラとして登場するのは楽しかったし、「誰かこのゲームを攻略するやつはいないのか!」って吠えたり、「レベル・ビリオン」などとレベルの概念を無に帰するのもさすが神!だった。

きりやんはきりやんで、例の、亡くなった友人のお墓参りから始まって、永夢に白衣を預けて、覚悟を持って黎斗神と対峙するとことか良かったし、全体的に格好良くてきりやん充できたけど。

良かったけど、白衣預けに行くの、ベタすぎると言えばベタすぎる(^^;)

病室のベッドにいる永夢、なんか包帯の巻き方が雑に見えたし、そもそもなんで怪我してるのかがPART1、2を観ていないのでわからない。怪我して永夢は戦えない、だから飛彩さん、大我先生、きりやんが頑張るわけだけど、「きりやさんは帰ってこないつもりなんだ!」って外を探し回る永夢、すごい元気そうだったよね……。

あとパラドが「あっちだ!」ってきりやんのいるらしい方向指し示してから、永夢が実際に現場に到着するまでかなり時間あって、「あっち」とか「すぐそこ」っぽいのに遠すぎるし、「わかった、あっちだ」っていう教え方もどやねん、パラド(´・ω・`)

揚げ足を取るつもりはないんだけど、なんかその辺のテンポの悪さがどうしても気になって集中できない。

クライマックスシーンもめっちゃ雨降って、「クリスマスのあの夜」の再現なんだろうな、とは思うんだけど、「あまりにも降りすぎでは」「このシーン長すぎでは」とつい。

ゲーム世界の中に閉じこめられていたはずの黎斗神、いつの間にか抜け出して「ゾンビクロニクル」とかいうゲームを発動。仮面ライダーゲンムっていうかゾンビゲーマー(?)が大量発生して、襲われた人間はあの雑魚バグスターヘッドを被せられ、自身も他の人間を襲う「ウイルス」になり、「皆さんなるべく外に出ないでください!」ってテレビが呼びかける事態になる。

アナウンサーが「ゾンビ大量発生」と「蚊」か何かみたいに言ってるのが面白かった。

で、その「ゾンビクロニクル」、ゾンビを倒すごとに「消えた人」が一人ずつ、ランダムに復活するということで。

「生き返らせたければ参戦しろ!」と煽るわけですね、黎斗神。

「いつかデータ化されて消えた人を蘇らせることもできるかもしれない。できるように頑張っていく」ということでテレビシリーズ+夏の映画が終わって、それが「希望」であり「可能性」なのいいな、と思っていただけに、「あれ、もう復活できちゃうんだ」と。

黎斗神はその方法を見つけた、ってことだもんね。

サイコ先生っていうのが再生医療の研究をしていて、黎斗神は彼女をだましてその研究成果を入手、檀正宗の中にいた「もう一人のパラド」のデータも「消えた人の蘇生」に関係あるようなないような。

やっぱりちゃんと1作目と2作目観ないと細かいところはわかんないんだけど、とにかく黎斗神は「蘇らせる方法」を発見したのに、それをゲームにして「人の命をもてあそぶ」。

それに対してきりやんが「永夢やポッピーと一緒にいて、少しは命の大切さを感じなかったのか!?」みたいになじる。ここは黎斗神vsきりやんの見せ場の一つで、亡くなったきりやんの親友は「データになって消えた」んじゃないから、「取り戻せない命」だ、って話も出る(確か同じ場面だったと……。違ったらごめんなさい)。

うん。

それはずっと思ってた。消えちゃうけどデータはある、って状態がどういうものかほとんど理解できないけど、人の命は死んだら終わりで、「ゲームの中で消えた人は生き返る可能性がある」っていうの、小さいお友だちの教育的にはどうなんだろうな、って……。

まぁそんなこと言ったら檀黎斗神自体が死んだのにデータというかバグスターというかで現実世界に存在し続けてて、しかも「残りライフ」とかがあるっていう、「???」な状態で、きりやんも「物理的な人間としては復活してない」。

普通の人間ではない存在として生きていかなければならない運命っていうのがまた「そそる」というかグッとくるところではあったし、そもそも神に対して「命の大切さがー」とか言ってもしょーがないと思うのよね。

「人の命など屁とも思わない」であってこその神

お話の最後で、「母親を助けられなかった医療に絶望して云々」と、「実は黎斗神にも人としての情愛が」みたいなことが言われるんだけど、なんかそいう理屈付けってつまんないなぁと。

残り1だったライフを失って消える時も、「黎斗神じゃない、檀黎斗だ」ってふうに言ってたと思うんだけど、神にはずっと神でいてほしかったな。

同じ地平になんか降りてきてくれなくていい。はるか頭上で高笑いし続けてほしい。

宇宙まで掌握してるから仮面ライダークロノスの「ポーズ」なんて全然効かない、時間も空間もすべて私の思うままだー!みたいなのもほんと素晴らしく神だったのに。

檀正宗さんもなんか相当愛妻家さんだったみたいだし、黎斗神についても「私の息子を止めてくれ!」って実はけっこう愛してたみたいで、その方がいい話ではあるけど、「常人には理解しかねるぶっ飛んだ父子」のままの方が私としては楽しかったなぁ、と。

黎斗神がゲームという形で煽ったのも、実はきりやんを救うためだった……みたいにも思える結末だったし。

クリスマスのあの夜の再現、土砂降りの雨の中で、今度こそ本当に消えるかと思われたきりやんは人間態に再生(?)を始めて。

そりゃーきりやん死んだら嫌だったけどさー。

あー、そこまでもう描いちゃうんだ、っていうのが。

『平ジェネFINAL』で、アンクちゃんの復活はやっぱり「いつかまた」の「可能性」で「希望」で、それがとても美しくて好きだった。

きりやんやポッピーがこの先どうやって生きていくのか、永夢たちは消えた人を元に戻せるのか、それは「可能性」のままの方が、「いい終わり方」だったんじゃないかなぁ。まぁ、そんなこと言うんだったら「スピンオフ」とか欲しがるなよ、って話ではあるんだけど。

「続き」は見たいけど見たくない。知りたいけど知りたくない。どうなったのか、それぞれの心の中で彼らの未来を想像して楽しみたい。

……なら見なきゃいいじゃん、ですよね。はい、すいません……。

黎斗のその後には含みがあったし、Part1から続けて見たらもっと色々納得できるかもしれない。「テンポが微妙」と思ったのも、劇場版『文豪ストレイドッグス』と連チャンで見たためによけいトロく
感じてしまった気はします。


劇場で見終わってからこの記事を書き上げるまでにめちゃくちゃ時間が空いてしまって記憶がテキトーなこともあり、Part1から全部見たらまた改めて感想を書くかも。

本編がよくできていればいるほどスピンオフとか続編って難しいな、と思ったことでありました。


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