観てきました! 8月10日火曜日13時公演!!
滋賀もコロナ感染者が急増し、8月8日からまん延防止措置が適用されて、「県境をまたぐ移動は控えて」というアナウンスが出ていたのですが。
行っちゃいました。
ちょっとは悩んだんですよ。やめておくべきかと。でもせっかくチケット取ったし、『CITY HUNTER』絶対観たいし、今回おひとり様観劇で誰かと歓談しながら観るわけでもない。9月のチケットも取ってあるけど、公演が途中で中止にならないとも限らない。
初日の様子を報じた記事とか見ちゃうとねぇ。諦められないよねぇ。
「ゲワイ(Get Wild)もある!」って、もう観に行く前から知っちゃってたけど、「愛よ消えないで」も「Still Love Her」もあって、齋藤先生よく頑張った(笑)。
頑張りすぎてちょっとわちゃわちゃしてたけど。
キャスト発表見た時に、「え、冴子の妹たちも出すの?冴子パパも?教授にかずえさんまで…。収拾つくの???」と思ったんですよ。1時間半しかないのに、あまりに欲張りすぎではと。
さらに「こんなん出ましたけど~」と泉アツノ氏を彷彿とさせる「新宿の婆」とか、シティハンター好きの女性ジャーナリスト、そのジャーナリストに想いを寄せるチンピラ男子などなど、とにかく面子が多い。
ストーリーは力業でまとまってたけど、もうちょっと登場人物を整理して獠と香の関係をじっくり描いてほしかったなぁ。なんか香が一人で空回りしてる感じがあったし、獠と香が絡むシーンが意外に少なくて、なぜ香があんなにもやきもきしてるのか、獠が香をどう思ってるのか、原作知らない人にはわかりにくいんじゃないかなぁ。
香の一人称がところどころ「俺」になるのもすごく気になったんだけど、原作ってそうだったっけ??? 『エンジェル・ハート』は全巻持ってるけど『CITY HUNTER』の方は最後の数巻だけしか手元にないのでわからない。
香より女性ジャーナリスト(演:野々花ひまり)の方が目立ってる感じがした……てゆーか、あの女性、かなり騒がしいキャラで、正直苦手だった。
まだ初日空いて間もなかったこともあるのか、朝月さんの香はちょっと固い感じがしたかなぁ。出番があるようでないというか、じっくりお芝居をするシーンがそんなにない(登場人物が多いこともあり、細切れ&同時進行で進む感じ)ので、難しいんだろうな。
彩風さんの獠は原作よりもスマートでシャープで格好良く♪ アニメっぽいセリフ回しもあって、こちらもほんとタカラジェンヌとしてかなりの難役だと思うけど、ちゃんと獠として成立してて素敵だった。「Get Wild」も「Still Love Her」も歌いこなしててすごい。
朝美さんはミック・エンジェル。ミックと海原が出て来るって、原作終盤のあのきっついエピソードやるんかな?と思ったけど、さすがに無理だったもよう。ミック、原作でも獠といい勝負の女好きではあるけど、宝塚版はさらに明るいキャラクターだった。やたらにことわざを連発、香に「それ今使うことわざじゃない」と突っ込まれる。
ミックは物語の前にすでに日本に来たことがあって、香にも会ってて、かつ香のことが好き。一瞬で説明しちゃうのすごい、と思うと同時に「あー、そこは素っ飛ばしちゃうんだー」と少し残念だったり。
獠と香とミックの三角関係、もっとじっくり見たかったなぁ。新トップコンビお披露目作品でもあるわけだし。
ちゃんと最後、「香がミックと一緒にアメリカ行っちゃっていいのか?」「獠の本心は?」」ってドラマになってはいたけど。(ミックと一緒では獠のそばにいるのとたいして危険度変わらないと思うんだが、なんで獠は「自分のそばにいては香が幸せになれない」→「ミックとならいい」って考えるのか)
何しろ他の要素がわちゃわちゃありすぎるんだよー! 海原率いるユニオン・テオーベ、ユニオンとつるんでるヤクザ、そこからお金と「エンジェル・ダスト」を盗む若者、その若者の母親、ユニオンとも獠とも関わりのある某国王女……。
さらに冴子がけっこう出て来る。出番多い。
彩みちるさんの冴子、滑舌良く、アニメの冴子にかなり寄せた感じで巧かった。香より冴子の方が目立つというか、印象に残っちゃった。
冴子パパでもある警視総監は安心の奏乃組長。警視総監が総理大臣にたびたび電話をかけるシーンがあるんだけど、総理は「安心安全で」としか言わなくてワロタ。声しか出て来ない総理、やっぱりあの方なんでしょうか。
ユニオン・テオーベの首領にして獠の育ての父でもある海原、もともとはジュンコさん(英真なおきさん)が演じるはずだったのが、ジュンコさんの体調不良で急遽ハッチさん(夏美ようさん)に。ジュンコさんもハッチさんも我が青春の星組スターさん、ハッチさんの海原も良かったけど、ジュンコさんのお加減が心配すぎる……。早いご快癒をお祈りいたします。
なんとなく、ジュンコさんの海原だともっと包容力というか、優しい感じになったのかなぁ、という気がします。ハッチさんの海原はより非情で、クールな印象だった。
そしてそして。
獠の「もっこり」以上に宝塚化が難しいのでは、と思われた海坊主。(ちなみに「もっこり」は「ハッスル」と言い換え)。キャスト発表で縣さんが海坊主と知った時には「えーっ!」と思いましたが。
ちゃんと成立しててすごい。
もちろん原作に比べれば細すぎる海坊主だけど、腕はなんか巻いて太くしてる感じだったし、バンダナとサングラスで海坊主っぽさを表現。声の出し方とかも「豪快」に聞こえるよう工夫してたよね。
極端なキャラクターだから逆にやりやすいところもあるかもしれないけど、縣さん、『ほんものの魔法使』ではおしゃべり犬モプシーをめちゃ魅力的に演じてたし、すごいなぁと思いました。タカラジェンヌの振り幅、ほんますごい。
惜しむらくはそのイケメンなお顔が全然見えないことなんだけど、最後の最後にグラサンがはずれて、「おまえ、宝塚みたいなキラキラ系だったのか!」と驚かれるオチが。
ふふふ。楽しい。
ただ海坊主、本名の「伊集院隼人」は劇中で紹介されるんだけど、そのあと割とすぐ美樹ちゃんに「ファルコン」呼びされるので、原作知らない人は混乱するのでは。てか「伊集院隼人」情報いる?(笑)
美樹ちゃんを「源氏計画」で小さい頃から育てた、みたいになってたけど、『CITY HUNTER』の原作でもそうなんだっけ??? 『エンジェル・ハート』だとミキは子どもだけど、『CITY HUNTER』の方の美樹と海坊主のなれそめ、覚えてない……。(※Wikipediaを確認したところ、なるほど源氏計画だった)
『CITY HUNTER』原作の最後のエピソードは海坊主と美樹ちゃんの結婚式が襲撃される話で、宝塚版も最後は2人が結婚する(襲撃はされない)。
「ホトトギスの花」も使われてて、齋藤先生ほんとにどんだけ原作ネタ突っ込むの。
で。
最後、槇村役。綾凰華さん。
『ヴェネチアの紋章』では二番手マルコ役で存在感を発揮した綾さん、槇村ってすぐ死んじゃうじゃん、出番少ないじゃん!と思っていたら。
めっちゃ出てた。
ずっと出てた。
もちろん序盤で殺されちゃうんだけど、狂言回しとしてその後も出て来るのよね。幽霊というか、ずっと香と獠を見守ってる、って風情で。
他の人からは見えてない設定だから、掛け合いでがっぷり芝居をする、っていうのはほぼないんだけど、でも出番多いし、けっこう美味しい役だなぁ、と思いました。
槇村もでかいメガネでせっかくの綾さんの甘いマスクが見えない。でも綾さんの優しい穏やかな雰囲気が槇村に合ってたし、良いキャスティング。
槇村と冴子、「婚約者」ってことになってたみたいだった。でも香の冴子に対する反応が序盤「あんまり知らない人」っぽく見えて、ちょっと違和感。あと婚約者を亡くした娘にまた刑事を結婚相手に推す冴子パッパ、けっこう鬼畜では。
開演前にはこんな映像も流れ、「齋藤先生ほんとにどんだけ」となります。(いいぞ、もっとやれ)
この舞台上のスクリーン、お話が始まってからもしっかり活用され、シティハンターのことを伝えるテレビニュースが流れたり、CMとして宝塚公演の告知が流れたり、カーナビの画面になったりします。
しかもその「宝塚のCM」が、昔のなの。1989年当時の上演告知!
カリンチョさん(杜けあきさん)の雪組版『ベルばら』、ナツメさん(大浦みずきさん)の『ロマノフの宝石』『ジタン・デ・ジタン』、そしてネッシーさん(日向薫さん)の星組版『ベルばら』。
星組版は「来年上演!」ってなってた気がする。
雪組版『ベルばら』は東京宝塚劇場の公演が1989年の11月、『ロマノフの宝石』が1989年12月、そして星組版『ベルばら』は東京では1990年の3月。
つまり劇中の時間は1989年の11月頃ってことなのでしょうか。カーナビのくだりで、「当時すでにカーナビはありました」みたいに紹介されてたし。泉アツノ氏いるし。(※Wiki見たら「こんなん出ましたけど~」は1989年の流行語大賞大衆賞だったらしい。そしてなんと泉氏、宝塚歌劇団出身なのだそうだ。ええええ、知らんかった……)
1989年なので、ヤクザの下っ端青年が「鶴田浩二や高倉健に憧れて入った」などと言います。鶴田浩二さんの名前を出すのがポイント高い。(健さんより鶴田さん派)
ちなみに原作『CITY HUNTER』が連載されていたのは1985年~1991年。なんで「1989年」にしたんでしょうね。私にはドンピシャでしたけど。
1989年ってもう30年以上前なので、若い人にはもうまったく「現代」じゃないですよね。なんせ生まれてない。
宝塚ではフランス革命だったり平安時代だったり、すでに「歴史」になっている時代が取り上げられることが多いので、こういう「歴史というにはまだ生々しいけど、“今”ではない」日本が舞台っていうの、なんかこう、むずむずする感じがありました。
これ、普通に「今」に焼き直したらダメだったのかな。伝言版の問題とかあるけど。
SHISHAMOの宮崎さんが書き下ろした楽曲は、ちょっと、もうどんなだったのか覚えてない(^^;) それとは別に「CITY HUNTER」という宝塚オリジナルの主題歌もあって、そっちは何度か流れたけど、宮崎さんの曲は1回だけだし、どうしたってゲワイや「Still Love Her」の方に脳味噌持っていかれちゃう。
わざわざ作ってもらわなくても良かったのでは……。
あと無理にキャッツアイ(怪盗三姉妹の方)を出す必要もなかったと思う。齋藤先生ほんとに全部入れたかったんだな、ってのは伝わったけれども。
どうしても原作やアニメとの違いに目が行って、舞台そのものを楽しむ感じにならなかった(楽しいのは楽しかったけど、どうしても「まちがい捜し」みたいになってしまう)『CITY HUNTER』と違い、純粋に「宝塚」を楽しめたショー、『Fire Fever!』。
うん、ショー、かなり良かったです! 好みだった。
群舞多いし、どの場面の衣裳もめっちゃ気合い入っててゴージャス。プロローグから盛り上がる~♪
プロローグ、奏乃組長の歌がすごく良かった。巧いしダイナミック。トップさんや二番手スターさんだけじゃなく、歌巧い方にはたくさん歌ってほしい。
組長、「S3 Jungle Opera」でもプリマドンナ役だし、大活躍で嬉しい。
「S4 Concrete Jungle」はJaz×ギャングという感じで、音楽も男役さん達のダンスも格好良かった! 彩風さんと朝美さん、男役同士で絡むの最高にいいよね、好き♡
「S6B Arabesque Rockettte」はなんと全員でラインダンス! 彩風さん以外はみんなダルマ衣裳! 朝美さんも綾さんも縣さんもみんな! いや、組長さんとかいないし、厳密には「全員」じゃないけど、彩風さんをセンターに70名のラインダンス!!! すげぇぇぇぇぇ。
「S7 Fire Bird」では久城さんが歌手。いいぞいいぞ。
「S9 New Fire」は若手スターさん達の場面。お芝居では海坊主役でほぼ顔が見えなかった縣さんがセンター。他のスターさんも2人ずつで出てきたり、きちんと場が与えられていて、良いシーンだった。
そしてそして、フィナーレの男役大階段、燕尾がギンギラギン!(表現が古い) ほんと今回のショー、衣裳が派手で美しくて、衣裳だけでもめちゃくちゃ見応えがある。
あっという間の55分、楽しかったです。
ついつい綾さんと縣さんを目で追ってしまってましたねぇ。すっかりお二人のファンになってる♡ なんかみつえちゃん(若央りさ)&ノンちゃん(久世星佳)の三番手コンビを思い出すんですけど、縣さんのバウ初主演が決まり、宙組から和希そらさんが組替えになるということで。
今後の綾さんの立ち位置が気になる……。
【2021/09/10 追記】
9月9日、e+貸切公演を母と2人で見たのでちょこっと追記。
「CITY HUNTER」をほとんど知らない母がどんな感想を持つかなぁ、と思っていたんですが、やはり「最初の方よくわかんなかった」と。
ははは。
ですよね、人間関係とか前提になる設定とか知らないで見たらわかりにくいよね(^^;)
プログラムのあらすじと配役はちゃんと開演前に読んでたし、最終的には「だいたいわかった」のかなと思うけれども。
でも「あのお兄ちゃん(※槇村のこと)、死んでるんやんね?」と。
そこなー。
わかりにくいよねぇ。自分で「殺された」って説明してくれるし、「死んでるけど見守ってて、進行役なんだな」っていうのはだんだんわかってくるけど、でも最初の方ほんとに「んんん?」ってなるし、途中も「幽霊」のはずなのにけっこう生きてるキャラと絡んでたりして、終盤会話してるし、混乱する。
ラスト、幕が下りる時には冴子と抱き合ってたもんね。槇村のこと見えてるよね、冴子。
2回目見てもやっぱりわちゃわちゃしすぎ、要素詰め込みすぎ、場面ぶちぶち切りすぎ、な印象は変わらなかった。
あと冒頭、グジャマラ王国クーデターの映像でちゃんと「1989年」って出てた。1回目の時気づかなかった(^^;)
ショー『Fire Fever!』の方ではプロローグで母、「この子歌うまいなー。誰か知らんけど」と。
うん、うまいね、組長さんだからね!
ほんとに奏乃さんの歌、ダイナミックで格好いい。あの主題歌もいいよね。すごく気分がアガる。
改めて選曲もアレンジも衣裳も振付の構成もめちゃくちゃいい、好みだった。NHKさん、『CITY HUNTER』の中継が著作権的に困難だったとしても『Fire Fever!』だけは中継して!。お願い!!!
e+貸切公演だったので、「S3」場面で朝美さんが「e+、僕の心はマイナス~」とアドリブを。
終演後の彩風さんの挨拶でも、「この公演によって皆様の今日がいい、プラスになりますように」ってふうに言ってはった(※うろ覚え。正確ではありません)。
貸切ごとに色々ネタ考えなきゃいけなくて、スターさんも大変だなぁ。
でもほんと、「いいプラス」になりました、彩風さん、雪組の皆さん、ありがとう。
せっかく取ってたチケットが公演中止になったりして、母は去年の2月以来の久々の(1年半以上ぶり!)宝塚でした。『CITY HUNTER』はわかりにくかったものの、全体としては「楽しかった」そうで、良かったです。
そうそう、母は朝月さんの歌を褒めてました。高すぎないあの声質が好みみたい。
次の雪組さんは来年3月~4月。時代物と一徳先生のショーということで、早くも楽しみです。
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