星組公演『RRR × TAKA"R"AZUKA ~√Bheem~』『VIOLETOPIA』、東京公演千秋楽をライブ配信で楽しみました!

できれば生で観たかったのですが、チケット争奪戦にあえなく敗れ、宝塚大劇場の方のライブ配信を観ようと思っていたら息子氏の退院と重なってこれまた観ることあたわず。
ようやく観ることができました。

いつもPCをテレビに繋いで観るのですが、なぜか開始直後音が出ず、最初の3分ぐらい見逃し(聞き逃し)てしまいましたが、その後は最後の挨拶までたっぷりしっかり楽しめました。
観てからもう1週間経っちゃいましたし、手もとにプログラムもなく、細かい感想を書けるほどではないのですが、「観た!」という記録だけは残しておきたいと思います。

オリジナルの方の『RRR』、私はまだ観たことがなく、噂のナートゥダンスの動画だけチェックして、「これを宝塚でやるのか。そのままの振付で踊るの?」と思っていたんですが。



ほぼそのまま踊ってましたよね? 「ナートゥをご存知ない?」から始まって、あの特徴的な、右足おかしくなりそうな振り。礼さん暁さんだけでなく、娘役さんや他の男役さんも巻きこんで総踊りみたいになり、徐々に脱落していく中、最後まで踊り続ける二人――。

映像で観ているだけでも圧巻、劇場で、生で観ていたらほんとに興奮しただろうなぁ
映画ならカットを割って繋げばいいですが、舞台はそうはいかない。最初から最後まで生でずっと踊り続けるんですもん、タカラジェンヌはやはり一にも二も体力! 礼さんも暁さんもすごい。

(歌劇団公式Instagramの場面写真こちら

踊り終わって倒れ込んで、礼さん、「がんばった、なんかもう二度とやらない気がして」みたいに千秋楽ならではのアドリブ。暁さんも「俺ももう二度とやらないと思う」w
いやー、ほんと、あれだけ踊ってまだ終わりじゃないどころか、あのシーン、割と最初の方になかった? ちょうど真ん中ぐらいかな? まだまだ残り45分、歌って踊ってお芝居しなきゃならない。これを毎日上演、しかも1日2公演の日もたくさんある。

最後の挨拶で礼さんが「私たちは世界で一番長くナートゥをやった」っておっしゃってたけど、宝塚で1か月、東京で1か月と少し、本当にお疲れ様でした。

他の部分のエスニックなダンスも格好良かったし、ビーム役礼さんのビジュアル&衣装がまた格好良いよね。
ラーマ役暁さんも軍服姿が凛々しく。最後はラーマも民族衣装っぽいゴージャスな感じで美しかったし。

最近の星組公演ほとんど観てなくて、暁さんの舞台を観るのは月組時代の『川霧の橋』以来。生で拝見したのは『桜嵐記』ぐらいかな。
可愛らしい印象が強かったので、ラーマのような力強い、「大人の男」を演じているのが新鮮でした。礼さんに「兄貴」と呼ばれる役で、そこは少し、むずむずする感じもあったけど。やっぱり礼さんの方が「上」で「兄貴」な感じがするから……。

舞台はイギリス植民地時代のインド。インド総督であるスコット夫妻に連れ去られた少女マッリを救うため、「一族の守護者」ビームは正体を隠し、“アクタル”と名乗ってデリーにやってくる。
一方ラーマはインド人でありながらイギリス警察に所属し、ビームの行方を追っている。ビームを捕まえることができたら特別捜査官に取り立ててやる、と上司に言われて。
“アクタル”とラーマは互いの正体を知らずに親交を深め、“アクタル”はラーマを「兄貴」と慕い、ともにナートゥダンスを踊る仲に。

“アクタル”こそがビームだと気づいたラーマは、葛藤しつつも“アクタル”を捕らえる。
実はラーマもイギリス人に父を殺されていて、彼がイギリス警察にいるのは「武器を手に入れ、反乱を起こすため」。なのでビームたちゴーンド族の目的(横暴な総督府から一族の少女を取り返す)と根っこのところは変わらないのだけど、しかし「せっかくここまでイギリス警察に入り込み、武器庫を自由にできる地位を手に入れられるところまで来たのに」と、より大きな目的のためにビームを裏切る。

それでもビームの方は「兄貴、どうして」という感じでラーマを信じているし、たとえどんなに鞭打たれても自分の信念を曲げようとはしない。
主役はビームだけど、ラーマの方により葛藤があって「ドラマがある」感じがしたなぁ。なので逆キャスト(ラーマが礼さんでビームが暁さん)も見てみたいと思っちゃった。

途中ラーマが毒蛇に噛まれ、「イギリス人には解毒できないぞ!」と言ってたのにインド人にはあっさり解毒できて、しかもラーマ兄貴、超回復でびっくり。
ビームも「これ以上やったら死んでしまう」ぐらい鞭打たれたのに、回復早かった。部族の英雄は鍛え方が違うってことかしら。

「イギリス人を排除するためにはとにかく武器がいる、武力がいる」と考えていたラーマに対して、ビームは歌によって民衆を奮い立たせる。
「ビームの歌が人々を動かし、武器にした。銃のない革命がそこにあった」っていうクライマックス。
途中、「イギリス人も子どもを産むんだろ、どうしてこんなことができるんだ」っていう台詞も印象的だったなぁ。「同じ人間」だと思ってないからだよね……。

娘役トップの舞空さんはインド総督の姪ジェニー役。イギリス人でありながらインド人とも公平に付き合い、ビームと親しくなって、彼の力になろうとする女性。
ビームとは「ロマンス未満」で、最後は婚約者ジェイクと一緒に去っていってしまった。素敵な女性だし、舞空さんのお芝居も良かったけど、宝塚的にはロマンス部分が少し物足りなかったなぁ。

ジェイク役は極美慎さん。小物っぽいけど意外といい奴を好演。最後、ジェニーの叔父であるインド総督倒されちゃうんだけど、二人はビーム側の味方で、割と喜んでるというか、そこに全然葛藤がないみたいで、「え、君たちそれでいいの?」と思っちゃいました。

ラーマの婚約者であるシータ役、詩ちづるさん、キュートな容姿が印象に残りました。すでにバウ・ヒロインを経験済みなのね~。

映画は観てないものの、1時間35分によくまとまっていて、ダンスも歌も衣装も良くて面白かったです。

ショー『VIOLETOPIA』の方はもんあんまり記憶が残ってないけど、幕開きの電飾の演出良かったし、プロローグの舞空さんの衣装が凄かった。
サーカスの蛇みたいな妖しい雰囲気の礼さん素敵だったし、礼さんはとにかく歌がうまくて良いわ~
娘役さんが黒スーツにシルクハット(?)みたいな衣装の場面も面白かったし、ドレス姿の暁さんも美しかった!
フィナーレ男役大階段のところはみんなマトリックスぽいサングラスで……。

ラインダンス前の歌唱、そしてエトワールも、これが退団公演となる天華えまさん。最後の挨拶のとこ、天華さんと礼さんの掛け合い楽しかったな~。数少ない「名前をちゃんと知っている星組生」で、見た目も好みなスターさん、しかも滋賀県出身ということで、退団残念です。

千秋楽恒例の退団者挨拶、礼さんが一人一人それぞれの思い出をコメントしてらして、素敵でした。
「星組!パッション!」っていうやつ、「これ知ってる」と思ったけど、『エル・アルコン』のLIVE配信で観たんだった。ずっと恒例になっているのかしら。

配信は基本千秋楽だから、最後の挨拶まで全部観られて良いですよね。ナートゥダンスは生で体験したかったけど……再演ないかな。ないか、しんどいし。