AmazonPrimeVideoでの配信がもうすぐ終了ということで、駆け込みで『仮面ライダー1号』を『仮面ライダーTHE NEXT』を見たので備忘録です。(※2026/05/25現在、すでに配信終了しています)
まずは『仮面ライダー1号』。2016年3月公開で、仮面ライダー45周年記念映画。『アギト-超能力戦争-』が55周年記念、ちょうど10年前の作品です。脚本は『超能力戦争』と同じく井上敏樹大先生。監督は金田治さん。
藤岡弘、さんが本郷猛を演じるということで話題になったんですが、映画館には行かなかったんですよねぇ。本郷猛とともにメインライダーとして戦う『仮面ライダーゴースト』が苦手だったこともあり……。
その後も見る機会のないまま10年が経ち、今回が初見。久しぶりに『ゴースト』の登場人物たちを見て、やっぱり「うーん」と思ってしまいました。竹中直人仙人は濃すぎるし、マコト兄ちゃんは本当に細いし、多少の懐かしさはあるものの、テンションは上がらない。
冒頭、中国語が飛びかう海外の市場みたいなところで、因縁つけられた本郷があっさり相手をのしちゃうところはいかにもB級アクション映画の入りでワクワクしたんだけど、そのあとすぐゴーストチームのカラオケ大会映像になった……気がする。
ゴーストの面々なしであのままなぜか中国マフィアと戦う本郷だったら面白かったのになぁ。中国マフィアのバックにショッカーがいる、みたいな感じで。
敵はもちろんショッカー――なんだけど、「世界征服とかもう古い、これからは経済を牛耳るのだ!」という連中がショッカーから離脱して「ノバショッカー」なる組織を立ちあげ、戦闘員のほとんどもそっちに流れて、本家ショッカーは青息吐息。経済マフィアなら中国マフィアと手を組むのもありえたのに(しつこい)。
ノバショッカーの幹部の一人イーグラを長澤奈央ちゃんが演じてて、サーベルアクションが格好良かった。序盤のショッカーとノバショッカー入り乱れ戦闘は見応えあった。
ショッカー側の怪人3人は声が全部関智一さんで笑っちゃった。さすがすぎる。
藤岡さんがタケルのお寺で座禅組むみたいに座ってるのはすごく絵になってた。ナントカ魂の争奪戦は全然刺さらなかったけど、藤岡本郷猛×お寺のカットが撮れたのは『ゴースト』のおかげよね。タケルのことを「君はすでに死んでいるのか?」と看破するのもとても藤岡さんぽいし。
タケルと猛、名前も似ている。
藤岡さんが仮面ライダーに変身するのは熱いんだけど、この作品の1号はデザインがすごくゴツくて、なんというか、動きにくそうで、スーツアクター次郎さん、かなり大変だったんじゃないかなぁ。藤岡さんご本人の体型を踏まえてのあの造型なんだろうけど、格好いい云々よりまず「動きにくそう」と思ってしまって微妙だった。
撮影当時藤岡さんは69歳、次郎さんは50歳くらい。藤岡さんもすごいけど、あのスーツでアクションする次郎さんすごい。
ヒロイン麻由ちゃんは立花藤兵衛の孫娘。おやっさん亡きあと本郷に育てられた――と思ったけど、Wiki見ると叔母さんがいるので、本郷はそばで見守っていただけなのかもしれない。っていうか、おやっさん、奥さんとか子どもとかいたんだ……。麻由ちゃんが本郷のこと「猛」って呼び捨てにするのがこう、ちょっとムズムズしたよね。いくらおやっさんが「猛」と呼んでいたと言っても、あの年齢の相手を呼び捨てにするというのは。設定上本郷が何歳なのかはわからんけど、麻由ちゃんが物心ついた時にはもう50歳くらいで、「猛おじちゃん」ぐらいの呼び方にならない? まぁせっかくの藤岡さん主演映画で藤岡さんを「おじちゃん」扱いするのは呼び捨て以上に失礼だったのかもしれないけど。
これまでの戦いですでにその肉体はボロボロだった本郷、途中ノバショッカーとの戦いで倒されてしまい、なんと荼毘に付されてしまう。タケル達が組んだ木組みの火葬台(って言うのかな?名称わかんない)に横たえられ、「これが本郷さんの願いだから」と火を……。
いや、勝手に火葬しちゃダメじゃない? 火葬許可証いるやん。
改造人間だから死亡診断書もらうの大変だし、もちろんその後復活するので自治体の火葬場とかで燃やすわけにいかないけど、でも復活しなかった場合燃やしたあとの処理とか大変そうやんね。映画館で観てたらそこまで思わないかもしれないけど、家で見てるとそういう枝葉末節がつい気になってしまう。
火葬の火をむしろエネルギーにして復活する本郷、復活する際木組みがバーンとはじけ飛んで、そばにいた麻由ちゃんがめちゃくちゃ危なかった。あと、戦闘シーンからすぐ火葬シーンになって、「あの暴れてたノバショッカー達は放置してきたの?」と思っていたら、マコト兄ちゃんが一人で戦ってる様子が映って、「えー、可哀想」ってなりました。別にマコト兄ちゃんだけ戦場に置き去りで戦わされてたわけではないんだろうけど、そういうふうにも見えるカット割りだった。
復活した本郷は立花モーターズのお店(倉庫?)に行く。おやっさん亡くなったあとは閉店したっぽく、廃墟然としているのに、サイクロン号だけ新品!!! 本郷が麻由ちゃんのもとから姿を消したのは3年前だから、それまでは本郷がしっかり整備してたってことなのかな。じゃあお店(倉庫?)の中ももう少し片づけといてよ、猛。おやっさんの写真もその辺に落ちてなかった? ちゃんと飾っておいて、猛!
写真とはいえ小林昭二おやっさんの登場はスカイライダー特番以来、37年ぶりだったそう。ますます額に入れて飾っておいてよ~、猛ぃぃぃ。
あと「地獄大使」が大杉漣さんで、ちょっとしんみり。亡くなられる2年前。
藤岡さん主演の仮面ライダー映画は1972年の『仮面ライダー対じごく大使』以来ということで、それも意識しての地獄大使フィーチャーだったのかな。ノバショッカーを倒すため、1号と地獄大使が共闘する展開になる。そして最後、致命傷を負いながらも本郷に「俺と戦え!」「決着をつけよう」と訴える地獄大使。
でも本郷は「体をいたわれ」と微笑みかけて去っていく。
「本郷~~~」と言いながら地獄大使は事切れるんだけど、なんだこの展開。BL???
このあと大杉さんが亡くなられてしまうこともあって、なんとも微妙な気持ちになるシーンでした。
うん、まぁ、全体的に微妙でしたね……当時映画館に行かなくて正解だったと思ってしまった。
そして 『仮面ライダーTHE NEXT』。こちらはなかなか面白かったです! シリーズ1作目の『THE FIRST』は未見なんだけど、見てなくても楽しめた。
(※仮面ライダーWebの作品公式サイトこちら)
『THE FIRST』の方は「仮面ライダーで冬のソナタをやる」(!?)、そして『THE NEXT』は「仮面ライダーでホラーをやる」というコンセプトだったそうで。
予想以上にホラー要素強かったです。本物ホラー映画見たことない(得意じゃない)ので、たいした怖さではないのかもしれないけど、呪いのミュージックビデオ、包帯ぐるぐる女にあちこちからヌッと出てくる手……。
でもその「包帯ぐるぐる女」の正体がショッカーの改造実験に巻きこまれて怪物化&悪意による事故で人生を台無しにされた女性の哀しみ、苦しみに由来するもので、ちゃんとショッカー絡んでててけっこううまい設定だと思った。
最後の最後、怪物は倒したのに亡霊はまだ存在して人を害し続けてる、というエンディングもよくできてた。仮面ライダーのパチンコしてる男性が犠牲になるんだけど、なんとそれがメロン兄さん! 無精髭生やしていかにもチンピラな感じで、一瞬わかんなかった。でも紛うことなき久保田悠来さん、まさかこんなところに出てらしたとは。
鎧武は2013年。この『仮面ライダーTHE NEXT』は2007年10月公開。鎧武の6年前ですね。久保田さんは当時26歳かな?
ちなみにこちらも脚本は井上大先生、監督は田崎さん。『超能力戦争』と同じ布陣。
本郷猛を黄川田将也さん、一文字隼人を高野八誠さん、そして風見志郎を加藤和樹さん。3人とも面が良い~、スタイルも良い~。加藤さんも長身なのに、さらに高い黄川田さん。
高野さんは2002年の『龍騎』/仮面ライダーライアから5年後、加藤さんは2007年1月に『カブト』/仮面ライダードレイク終わってすぐの登場ですね。そうそう、それそれ。
怪人もライダーもマスクを自分でよいしょっとかぶるスタイルなので、黄川田さんや加藤さんご本人がスーツ着てて、それはすごい格好良いんだけど、どういう変身の理屈なのかが謎。そもそも改造人間だからと言ってライダーや怪人に変身したり戻ったりできるの、科学的にまったく理解できないけど、体は変身して、マスク部分だけ別にポコッと出現してくるのが不思議で。
いつの間にか手にマスクを持っている、どこから出てくるんだろう。
本郷も一文字も風見もTVシリーズオリジナルとはキャラ設定がだいぶ違って、本郷はコミュ障ぽい高校教師、一文字はお洒落な白スーツでホステスをはべらせ、風見はシュッとしたIT企業の社長。
本郷と一文字は『THE FIRST』の時にショッカーに改造され、ショッカーを脱走、そこから2年経ったのが『THE NEXT』の世界。脱走以来久しぶりに再会したっぽい二人、一文字は本郷から「お前、生きてたんだな」と言われます。
生きていたんだけど、一文字の体は「リジェクション」と呼ばれる拒否反応でもうボロボロ、手からは常に血が滴り落ちている状態……えええ。「死の恐怖」を紛らわせるために高級クラブで豪遊しているらしいのだけど、一体そのお金はどこから? あの体で働けるとは思えないけど、元から大金持ちで、貯金を切り崩してるのかしら…。
戦ってる最中にもマスクごしに派手に血を吐いたり、沖田総司ポジションの一文字隼人。本郷がピンチの時にはどこからともなく現れてすごいバイクアクションと足技でショッカーライダーを蹴散らしてくれる。
本当に一文字(2号)のアクションすごくて、バイク横っ飛びで登場するとことか、トレーラーの中から爆発とともに変身して出てくるのとか、あまりに素晴らしくて2回観てしまった。本郷がショッカーの本拠に乗りこむ時には「付き合ってやるぜ、嬉しいだろ」と現れ、「その体じゃ無理だろ。長生きしてほしいんだ、おまえには」と殴り倒されるんだけど、それでも追っかけてきて横っ飛びですごいアクション。
本郷と一文字の謎のいちゃいちゃ感もたまらん。「気持ち悪いんだよ、そういうの」って言いながら「嬉しいだろ」だもんな。「だっておまえ、俺以外に友だちいないだろ」「おまえもな」。――ショッカーに改造され、もう普通の人間としては生きて行けない者同士、たった2人の仲間だもんね。
ショッカーのアジトをとりあえず壊滅させて、本郷に「また会えるよな」って言われて、友だちおまえだけ云々の会話をして、一文字は去って行くんだけど、Wiki見たら実はそのあと死んでしまうらしく……。ええええ。映画館で公開されたバージョンは(アマプラ配信バージョンも)「いずこへかと去って行く」で終わってて、その方が絶対いいよね。長生きしてほしいよ、一文字……。
本郷の方はリジェクションとは無縁らしく元気いっぱい。改造人間の人間離れした力を見せてしまったことで職場はクビになってしまうけど(こういう「改造人間の悲哀」がちゃんと描かれてるのもポイント高い)、ヒロイン琴美ちゃんに「一緒に帰ろ」言われて笑顔で終わる。ちょっとぉ、一文字だけ可哀想やーーーーーん。
風見志郎の方は本郷たちとは違う「ナノロボットによる改造」で、それだとリジェクションは起きないらしい。ほんに可哀想な一文字……。
風見V3も最後アジトに駆けつけるところのアクションすごくて、建物の上階の窓を破って吹っ飛んできた2号の体を空中で受け止め、そのままバイクで窓から室内に飛び込んでいくという。
ほんとにこう、建物や車、階段といった大道具込みの「絵面」が格好良くて、いつも見ている「仮面ライダー」とはアクションのテイストが少し違って、見応えありまくり。アクション監督は『牙狼』でおなじみの横山誠さん。怪物化した女性の描写とかも、ちょっと『牙狼』みを感じるかも。
で、その「怪物化した女性」は実は風見志郎の妹なんだけども、「父よ母よ妹よ」の「妹」がこんな形で。
妹のマネージャーさん役が、オーズ19話20話に出てた人だった。泉刑事ゆかりの犯罪者を演じてらした、六角慎司さん。妹の会社の社長は嶋田久作さん。いかにも黒幕っぽいけどただの悪い人で、ショッカーとは無関係だった。ショッカー怪人シザーズジャガー役を田口トモロヲさん。『プロジェクトX』のナレーションでお馴染みの田口さん、冷徹な怪人役格好良かった。眼鏡かけたままシザーズジャガーのマスクかぶるし(本当にどういう理屈なのか、あの“変身態”)。
本郷の学校の教頭役、斎藤洋介さんも懐かしかったし、冒頭ちょい役で出てくる風祭ゆきさんにもびっくり。クレジットに名前出てきて「え?どこに風祭さんいた!?」と思ったらあんな役。『あぶない刑事』にも出ている(『もっとあぶない刑事』にも出ている)あの風祭さんが……。
うん、なんか、ほんとに面白かったな。好き。もっとこの本郷と一文字のやり取りを見たいし、「生きていきますよ、あなたのように」と言った風見のその後も見たい。何より最近のTVシリーズではもうほぼ見られないバイクアクション楽しすぎ。観てみて良かった。
それにしても。
本当に延々と、石ノ森先生のアイディアを二次創作し続けているんですねぇ、仮面ライダー。「1号」が登場する作品を立て続けに見て、なんか改めて感心してしまいました。「悪の組織によって“人間を超える”力を持たされてしまった改造人間」――本当にいいアイディアだなぁ。


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