今期のNHK木曜時代劇はなんと萬斎様主演の『鞍馬天狗』

びっくりしました。
『鞍馬天狗』と言えばやっぱりアラカン、嵐寛寿郎でしょう? それで杉作が松島トモ子。さすがに古い映画なのでちゃんと見たことはないけど、アラカンの鞍馬天狗はとっても「おじさん」だったイメージがある。恰幅も良くって。

それが萬斎様!?

私は色々好きな人や物が多いですが、萬斎様もご贔屓にしています。映画『陰陽師』も好きだったし、舞台『オイディプス王』にはほんと、感動しました。
狂言も見に行きましたし、『にほんごであそぼ』も見てます(笑)。

萬斎様は、まず、細身です。
今年で42歳というのは「おじさん」かどうか微妙な年齢かもしれませんが、いわゆる「おじさん」っぽい方ではまったくありません。
鞍馬天狗は新撰組の敵となって正義を行う人で、なんかそーゆー役回りも、萬斎様のイメージと重ならない。
私の中の萬斎様は、安倍晴明のような「妖しい魅力の持ち主」で、オイディプス王のように狂気も秘め、あの目も、微笑を浮かべた口元も、何かこう超然というか、我々俗な人間とは一線を画しているような、そーゆー方です。

「正義のヒーロー」という感じでは全然ない。

なので、「萬斎様の鞍馬天狗って……」と思って、昨日の初回を興味深く見ました。
原作では鞍馬天狗こと小野宗房は何歳なんだろう?
昨日のお話では4歳の時に鞍馬山に入って、20数年ぶりに山を下りてきた、という感じだったので、27〜28ぐらい。
アラカンの鞍馬天狗はとてもそんな青年ではなかったよなぁ。

萬斎様は、若々しいです。

とても涼やかで、明朗として、でもふとした表情がやはりただ者ではない風情を醸しだし、かっこいい。
なるほど「謎のヒーロー」にはふさわしい配役なのかも。

でも鞍馬天狗に変身した姿はやはり微妙(笑)。
あれはかっこいいと言っていいのか?
息子と二人で見てたんだけど、そもそも「どこで着替えたんだ!?」
一体あの衣装はいつ、どこに用意してあったのか。
「ヤッターマンみたいなものじゃない?」
と私が言うと、息子、
「そうか、裏返しか」(爆)。

正義の味方にそーゆー突っ込みをしてはいけないのだ。

刀構えるとスポットライト当たってたし。
いいな〜、こーゆー嘘八百なおとぎ話。
好きよ。

息子は『るろうに剣心』を何度も読み、新撰組の本も読んでいるので、時代背景はすぐに納得。
「鞍馬天狗は倒幕派を助けて新撰組を斬るから、剣心と立場的にはおんなじやねぇ」と説明すると、鞍馬天狗にも納得。

新撰組の土方役は杉本哲太。
そして近藤勇は緒方直人なんですが。

息子、出てきた近藤勇を見て、
「(山崎)邦生さん?」

私が何度違うと言っても、
「どう見ても邦生さんやん」
確かに似ている(爆)。

大河の『新撰組』を見て、またその後の明治政府の失敗も知っている身には、今後新撰組がどのように描かれるかも気になるところ。
せっかく萬斎様が演じるのに、鞍馬天狗が「自分勝手な正義を振りかざすただの人斬り」だったらつまらないし。

全8回、楽しみです。