(前回までの本筋→その1その2その3

無事1万円分の本を買い終えたわけですが、これで終わりではありません。

5月5日までに原稿用紙3枚強(1260字)の「作文」を提出しなければなりません。買った本のリスト、「作文」、そしてプロフィール等を記した「一問一答」を担当さんに送ってやっと真の「ミッション・コンプリート!」となるのです。

「1万円」は、言ってみればその「作文」の「原稿料」なのですね。

常々こうして頼まれもしない文章をアホほど書き散らしている私ですから、別に書くのは苦痛じゃないんですが。

「1260字」と分量が決まってるのがなかなか難しい。

長さに制約がある文章を書くの、いつ以来だろう……。

テーマはあくまで「本を買う」で、買った本の感想ではありません。「本を買う」にまつわる話であれば、必ずしも今回の「1万円分のお買い物」にこだわらなくてもよく、これまでの読書遍歴などについて書いてもいいそう。

「1万円分本を買った顛末」を全部書いたらblog記事3本分になっちゃいましたし、さりとて何か一つにテーマを絞るには「原稿用紙3枚」ってそれなりに分量があります。

「たったの9ツイート分じゃん!」と思うかもしれませんが、140字目一杯つぶやくことってそうはないですしねぇ。



切り口は、色々考えられます。

1.素直に「1万円分本を買った顛末」を書く。ただし、簡潔に。

簡潔に、というところがミソ(ははは)。

2.上記1の中でも特に「買うのに苦労した本」「買うつもりがなかったのに買った本」など特定の1~2冊に焦点を当てて書く。

私の場合だと、息子ちゃんに買ってきてもらった例の2冊とか、うっかりレジに持って行って消費税の罠にかかった『ウィトゲンシュタイン講義』に的を絞ることになりますね。

3.「買った本屋」について書く

ネット書店とリアル書店、それぞれの長所と短所とか、リアル書店に全然欲しい本がないとか、これは書き始めるとけっこう色々書けそう。

4.「買わなかった本」のことを考えてみる

「1万円で何を買おう」を考えて最初に作ったリストと、最終的に買ったもののリスト。大抵の人はそこに違いがあるでしょう。「#森へゆく径」タグを見ると「1万円なのに4万円分買っちゃった」という方もいらっしゃるし、「欲しい本はいくらでもあるけど今回はこっちを買ってあっちは買わなかった」という取捨選択の過程。

なんで「あっちは買わなかった」のか。

私の場合、「読みたいリスト」に80冊も入れてあるのに結局そこからは1冊も買ってない。

それは本当に「読みたい」リストなのかという(笑)。

5.「借りればいい本」と「買って読みたい本」の違い

4の「読みたいリスト」とも絡む話ですが、私の「読みたいリスト」は図書館検索サイト・カーリルの機能で作っているので基本「図書館にあったら借りて読んでみたい本」。

いわゆる「本好き」の人は「借りて読む」よりも「買って読む」ことの方が多いんじゃないかと思うけど、ただ「読む」だけなら「借りればいい」のに、わざわざお金を払って「買って読む」のはなぜか。

端的に「図書館にない」という場合もあるし、「図書館にあってもこれは手元に欲しい」という本もある。

で、このことは

6.なんで買った本を捨てないのか

にも繋がる。

読書家には蔵書家も多いと思うけど、研究者や学者や作家でもないいわゆる「素人」の「本好き」は、そうそう「同じ本を読み返さない」と思うんですよね。いつ論文書くのに必要になるかわからないからとりあえずすべて置いとくとか、そんな「実用的な」理由は普通はない。

もちろん「何度も読み返したい」本、実際に2~3回読み直した本というのはあるでしょうが、そういうのは限られているはずなのに。

なんで何百冊も捨てずに置いてあるんだよという。

捨てろよ!という。

これも書き始めると長くなりそうだなぁ(笑)。

本にはそれぞれ「買った時」「読んだ時」の“時間”が詰まってるから、そうそう簡単に捨てられないんですよ。ハヤカワ文庫なんかうっかり捨てると二度と手に入らないものも多いし。

7.紙の本と電子書籍の違いは何か

今回の企画は「紙の本」だけで、電子書籍は対象外でした。まぁ、普通「本、買いにいきました」って言われたら本屋に紙の本を買いにいくイメージを想起すると思いますが、ただ「中身を読みたい」だけなら「電子書籍」でも同じはずですよね。

電子書籍なら「ないない、どこにも売ってない!」「品切れメールキタ━(゚∀゚)━!!!」などと騒ぐ必要もなく、家にいながらにして、あるいは電車の待ち時間にでも、PCやスマホでポチっとすればすむわけです。欲しいものが電子書籍化されていることさえわかっていれば(つまりは検索して出てくれば)あちこちかけずり回って探す必要はない。息子ちゃんにわざわざ寄り道してもらうこともない。

逆に、「息子ちゃんありがとう~~~!!!!!」という感動エピソードも生まれないわけです。

あの2冊、『クローム襲撃』と『パーマー・エルドリッチの3つの聖痕』には一生「あの時息子ちゃんがわざわざ…」という思い出がついてまわりますからね。

間違っても捨てられないから(笑)。

たとえ読んでみて面白くなくてもブックオフとかに売れない(爆)。

「6.なぜ捨てられないか」に戻っちゃうけど、データではなく「物理的にモノである」っていうことは、色々な付随要素を生んで、その「コンテンツ」とは別の「物語」をモノ自体が持ってしまう。音楽配信とCDやレコードの違いにも言えると思うけど。

もちろん電子書籍でも「それをポチった時の状況」っていうの、覚えてようと思えば覚えてられるんだろうけどなぁ。

紙の手触りとか「人に貸せる」とか、それこそ「後でブックオフに売れる」とか他にも違いは色々考えられる。

8.ネットで本を買えなかった時代の話をしてみる

Amazonさんでポチるようになったのここ15年くらいかな?

梅田の紀伊國屋に住んでたわけでもないから、マンガじゃない本を自分で買うようになった中学生の頃、近所には「小さな本屋」しかなかったはずなのに、私はどうやって本と出逢っていたのか。

駅前の4軒ぐらいの本屋を定期的にはしごするのが趣味だったけど、限られた狭い範囲に4つも5つも本屋があるって今考えたらすごいよね。

マンガに強い店、参考書類が充実してる店、文庫が多い店、など多少の「差別化」はあったけど、どこも規模としては小さい店舗だったのに、昔はあれでやっていけたんだなぁ(遠い目)。


……とまぁ予想以上に色々考えられたわけですが、たぶん提出原稿は素直に「1」になるのではないかと(笑)。

一回書いたのが気に入らなくて書き直して、それもちょっとイマイチだったのでさらにまた書いて、すでに「試し書き」が3本。

うーん、締め切りまでまだ1週間以上あるけどどうしようかな。


「一問一答」の方も一応全部答えてみましたが、こちらもけっこう難しかった。

『恋人あるいは妻・夫に贈りたい1冊』

え。

そんなこと訊きます?

架空の恋人へのプレゼント考えてウキウキできる十代ならともかく、目の前に「夫」がいるのに彼に贈る本を考えるんですか???

本好きは、自分が「本を贈られる」ことはあんまり考えないと思うんですよね。

だって、自分の好きなものを読みたいから。

人の趣味を押しつけられたくない。

もらっても読まないかもしれないので図書カードでください、みたいな。

うーん、旦那さんに贈る本ねぇ……。

『人間関係に悩んでいる人に贈りたい1冊』

知らんがな(´・ω・`)

そんなこと考えて本読んだことない。

何かを得ようとして本を読むのは邪道とすら思ってる。

結果的に得られるものは多いとしても。

直球で答えるならGACKTさんの『素晴らしきかな人生』をお勧めしますけど、直球なんてつまんないよね(笑)。


一応答えたけど、私の答えはまったく何の参考にもならないと思います。他の方はこういう質問に「はいはい、それなら」とてきぱき答えていらっしゃるのかしら……。



ではでは、頑張って原稿仕上げたいと思います。

テン・ブックス様、担当田中様、楽しい企画ありがとうございました。