(前編にあたるシメさん、ネッシーさん、マリコさんのトークコーナー中心のお話はこちら

この『ベルサイユのばら45』、第一部が80分、休憩20分、第二部が50分で、12時公演はおおよそ14時半の終演でした。



幕開きはもちろん小公子・小公女による「ごらんなさいごらんなさい♪」。
最初の鐘の音みたいなやつだけで「来る!」って感じになりますねぇ。

その後緒月さんやら華形さんやらアンドレがいっぱいいるみたいな感じのシーンがあり、進行役の汝鳥さん登場。汝鳥さんと華形さんは現役の専科ジェンヌさんなわけですが。

汝鳥さん、昭和の月組ベルばらにも出ていて、その後ブイエ将軍、ジャルジェ将軍、メルシー伯と現役タカラジェンヌの中では(もしかしたら全OGを含めても)「ベルばら最多出場者」だそうで。

うん、長いもんねぇ、汝鳥さん。我が青春の月組組長さん
そしてピシっとお芝居を締めてくださる素晴らしい役者さん。

汝鳥さんが昭和のベルばらについて短い解説をされた後、映し出される懐かしい映像。NHK提供の、榛名由梨さんや麻美れいさん、汀夏子さん、初風諄さんたちの「ベルばら」。

私は小学校2年生の時に『ベルサイユのばらⅢ』を観ていて、鳳蘭さんのフェルゼン、初風諄さんのアントワネット、順みつきさんのオスカル、そして但馬久美さんのアンドレを生で観たのでした。

「アンドレはマリコさん(麻路さき)が一番好き」とこれまで何回も書いてきたんですが、但馬さんのアンドレもすごく良かった記憶がある。プログラムの扮装写真もすごくアンドレっぽくて……。

で、その時にオスカルよりもアンドレよりも印象に残ったのが初風さんのアントワネットで。

当時、原作コミックはオスカルが死ぬとこまでしか読んでなくて、「その後のアントワネット」なんかどーでもいいや、だったので、牢獄での「カペー未亡人」のくだりが子ども心に衝撃で、フェルゼンの救いの手をはねのけ、「さようならパリ!」と決然と死を選ぶアントワネットの姿に大感動したのです。

初風さんの歌とお芝居、堂々たる女王のたたずまいがまた絶品。

今回ちょろっと流れた映像でも本当に美しく素敵だったし、汝鳥さんに「昭和のベルばらといえばまずこの方!」という感じで紹介され登場なさった初風さんのお歌がまた!

すごかった

もうかなりのお年だと思うんだけど(今ググったら77歳でいらした!)、素晴らしい声量、素晴らしい歌唱力!

最後、フィナーレでも初風さんがエトワールを務めてらしたんだけど、ほんとに圧巻。これぞまさしく「エトワール」でいらっしゃいました。

続いて汀夏子さんと榛名由梨さんが登場。
小学生の時、ほんとは汀さんのオスカルが観たかったんだけど、自分で選り好みしてチケットをGetできる年齢ではなかったので(^^;)
父が知り合いに頼んで入手してくれたのがミッキさんオスカルのチケットだったんですが、すでにベルばらフィーバーの頃。よくGetしてくれたよねぇ。ありがとう、お父ちゃん。

汀さんももう72歳…。72歳であのキュートさ!
榛名さんは退団公演となった『戦争と平和』を観劇しているのだけど、あれからでもすでにン十年。変わらぬお声♪

で、平成の映像があって、シメさんたちの「ソング&トーク」コーナーかな。すでに記憶が曖昧(^^;)

我が青春の星組三兄弟トークのあと、初風さんたちも含めて「愛あればこそ」熱唱。「お客さまもどうぞご一緒に」と言われたのでご一緒に(笑)。

歌(うと)てまうよね。うん。

2014年に宙組の『ベルばら』観た時は泣けなくて(笑)、「ベルばらもういいや」って思ったし、この後宝塚でまた再演されたとしても必ずしも観に行かないだろうなと思うんだけど、今回こうしてレジェンドの皆さんに名曲メドレーされるとつい歌ってしまうし、名場面ダイジェストも楽しく観てしまった。

upした写真の通り、ダイジェストではまずノルさん(稔幸)オスカルとわたる君(湖月わたる)アンドレで衛兵隊のシーン。荒くれ集団の衛兵隊にオスカルが着任して……。

アランが緒月さんなのが嬉しい♪
宙組版、私は緒月アンドレバージョンを観たのだけど、あの時緒月さん役代わりでアランも演じてらしたのよねぇ。雪組時代の新公と、全国ツアーでもアランをなさっていたそうで。

良かったわー、緒月アラン
宝塚を辞めてからこうして「男役」の姿を見られるってだけでも、ホントにねぇ。

ノルさんも退団してずいぶん経っているのにオスカル姿がまだまだ美しく。
ノルさんがオスカルをやった『ベルばら2001 オスカルとアンドレ編』はちゃんと観に行ったんだけど、あれ東京公演ではわたる君が専科からの特出でアンドレやってたんだよねぇ。

18年の時を超えてノルさんオスカルとわたる君アンドレ……まだ全然できるのほんとすごい……。

欄干でアンドレ死ぬところからバスティーユまでは朝海さんオスカルと水さんアンドレ。いや、もっと前からか。「この戦闘が終わったら結婚式だ!」もあった。

朝海さんは2006年にオスカルをやっているんだっけ。観に行かなかったやつ(^^;)
朝海さん時代の雪組、ほとんど観る機会がなかったので、「こんな声だったっけ」と新鮮でした。

意外と低めのお声で、見た目が少し大地真央さんに似てて、けっこうシャキシャキっとしたボーイッシュなオスカルだなぁ、と思いました。うん、良かった。

水さんは宝塚時代オスカルもアンドレもやってて、朝海オスカルと水アンドレも13年の時を越えての再演。

アンドレ死ぬとこ、「ソング&トーク」でマリコさんの「床で死んだんです!」を思い出さずにはいられず(笑)。

朝海さんと水さんの熱演に感動しつつも「ここでセリが」「同一平面でオスカルとアンドレが」と
つい。

あと、あのシーン、アンドレが撃たれて死んで、オスカルが「彼の犠牲を無にしてはならない!」って言うんだけど、いつも「いや、アンドレの犠牲って民衆的にはすごく小さな出来事じゃね?てかなんであそこでアンドレ一人だけ撃たれちゃうの」とか、すぐ「シトワイヤン、行こうーーーーーーっ!」ってなるオスカル様切り替え速いなとか(爆)。

バスティーユの場面はほんと、もう踊れるのではないかと思うぐらい(※踊れません)観てるので、そういういらんこと考えてても感動できるんです、ええ。

「バスティーユに白旗がぁーーーーー!」
「ついに……落ちたか……フランス………万、歳……」

緒月アランも堪能できて満足満足。

そしてガラスの馬車……はなかったけど、天国でのアンドレとの再会。2014宙組の時に「なんでアンドレ迎えに来ねぇんだよ!!!」と憤ったんですが、今回はちゃんと「オスカール!」と迎えに来てくれた。

「この戦闘が終わったら結婚式」だったんだもん、一人で昇天はさびしいよね。


第一部はここで終了。休憩の後、第二部。再び小公子たちが「ごらんなさい♪」と幕を開けてくれた気がする。

第二部はその後のフェルゼンとマリー・アントワネットで、タカコさん(和央ようか)フェルゼンにユリちゃん(星奈優里)アントワネット様

すいません、私タカコさん苦手なんで、フェルゼンについては特に感想ありません。ペガサスのように駆けて牢獄まで会いに行くところだけ見ると、フェルゼン全然いい男に見えないってこともあるし。むしろなんでオスカルがフェルゼンなんか好きになったのかわかんないなー、って思うぐらい。

母として、女王として、毅然として死に赴くカペー未亡人に比べたら、未練がましく彼女にとりすがるフェルゼンは……。

で!

このカペー未亡人のユリちゃんが素晴らしかったんですよ!!!!!!!!

もともとこのシーンが大好きという私の欲目もあるけど、ユリちゃんのお芝居が見事で!

現役時代のユリちゃんは「ダンスの人」という印象が強かったから、なんかびっくりしてしまって。「こんなにお芝居できる人だったっけ!?」と(失礼ですよね、すいません)。

歌もうまくなってた気がする(重ね重ね失礼)。

ノルさんがオスカルを演った2001年星組でユリちゃんはアントワネットだったけど、あれは「オスカルとアンドレ編」だったから、牢獄のくだりはなかったはずよね? カペー未亡人、ユリちゃん初めて演じたのでは???

ロザリーやベルナールとのやりとり、お人形のステファン、王太子たちのことを想う母としてのセリフ、フランスの女王としての……。

はぁぁぁぁ、良かったよぉ、ユリちゃん。ありがとうぅぅぅぅぅ。

ちなみにメルシー伯は汝鳥さん、ベルナールは華形さんがそれぞれ務められ、お芝居をいっそう盛り上げてくださってました。

王妃様が断頭台の露と消え、舞台はフィナーレへ。

「小雨降る径」を朝海さん&水さんで。
このベルばらフィナーレバージョンの「小雨降る径」、曲のアレンジが格好良くて大好きなのよね~。お二人とも銀色の衣裳だったと思うけど、やっぱり朝海さんはこう「シャキっ」とした雰囲気だったなぁ。

平成花組版のフィナーレでナツメさん(大浦みずき)とカナメさん(涼風真世)がこのナンバー踊った時、カナメさんのあまりの美しさに客席がどよめいたことは忘れられない。青い衣裳だったと思う……いや、もう自信ないな(^^;)

(前の記事で「花組特出のシメさんオスカルは見た記憶がない」と書いちゃったけど、よくよく思い起こすとナツメさんとの「小雨降る径」デュエットダンスを見たような……あれ? さすがにン十年経つと記憶が怪しくなってくる……。シメさんオスカルを忘れるとか歌劇団以上の大馬鹿者、ファンを名乗る資格が(´Д`))

続いてわたる君センターによる男役群舞「薔薇タン(薔薇のタンゴ)」
わたる君ほんと変わらないなぁ。可愛い。

そしてそして、「ボレロ」は星組トップスターコンビ、ノルさんとユリちゃんが真っ赤な衣裳で!
昔「2001」を観た時は「なんでオスカルとアントワネット様がデュエットダンス」とか思ったんだけど、今観るとやっぱり青春の星組、お二人がこうして男役と娘役として踊っていらっしゃるのがとっても感慨深い。

それにノルさんがやっぱり「星組」なんだよー。
何言ってるかわかんないと思うけど、目線の使い方、眉をしかめるような色目がシメさんとおんなじでさー。
ソング&トークコーナーのシメさんの色気とデュエットダンスの時のノルさんの色気が同種で、「これよ!これなのよ!!!」って思っちゃう。

ネッシーさんシメさんマリコさんという三兄弟の後、ノルさんまではこう、繋がってるんだよなぁ。一番よく観ていた「我が青春の…」ということもあるけど、長身美形でゴージャスで色っぽい星組の系譜。

好きだ。

エトワールの初風さんは本当に圧巻だったし、最後シメさん達も出てきて、再びみんなで「愛あればこそ」を熱唱……だったはず。

カーテンコールでは初風さんが挨拶しておられました。
オケ紹介はわたる君。
生オケだったんだよねぇ。今の大劇場よりオケ良かったかも……。


はぁ。
「我が青春のベルばら」、楽しかった。
ありがとうございました。