(※以下、ネタバレあります。これからご覧になる方はご注意ください。セリフや展開等、記憶違いもあると思いますがどうぞご容赦を。脱線も多いです)




はい、今年も観てきました、仮面ライダー冬映画。ついに令和ジェネレーション、ゼロワンのテレビ本編にはいまいち乗れてないとはいえ、やはり新時代の冬映画、どんな感じなのか気になります。

うん。

すっごくゼロワンの映画でした。

「MOVIE大戦」という形は終わってしまったから、ゼロワンとジオウ、それぞれのパートが途中で「東映ザッパーン!」になるとは思ってなかったけど、ゼロワンの「ライダーシステムの始まり」「親子の絆」を描くストーリーにジオウチームがゲスト出演している感じで、ゼロワン本編に乗り切れてない私としては「もっとジオウチームを……!」でした。

面白くなかったわけじゃないんだけど、あんまりわくわくしなかったというか、割とずっと醒めた目で見てしまったというか。

アクションはすごく見応えあって良かったし、歴史改変された世界で得物が日本刀になってる滅ちゃん、超格好良かったけど。

物語は。
或人が寝坊するところから始まります。
何個目覚ましかけてんねん、というところから。アザラシかなんか、動物モチーフの目覚ましが可愛かった。

「やっべ!遅刻!」ということで大急ぎでバイクで出社しようとする或人。しかし街の様子がどうもおかしい。行き交う人はみんな――というか、「人」がいなくてヒューマギアばかり。バスを待つサラリーマンも学校へ向かう小学生も。

「あれ?子どものヒューマギアなんかいたっけ?」と思いつつ飛電本社に着くと、なぜか入場パスがエラーになり、「おまえは飛電或人だな!」と警備ヒューマギア(マモル君、ちゃんと勤務してた)に取り押さえられてしまう。
そして現れた飛電インテリジェンスの社長はヒューマギアのウィル

見ている方はまぁ「タイムジャッカーが云々」ということを予告その他で知っているので驚きませんが、或人は「どうなってんだよ!?」とパニック。
刃さんと不破さんが助けに来てくれるけど、「歴史が改変」されているので、二人はこれまで或人に会ったことはありません。ただ単に、ヒューマギアと戦うレジスタンスとして、或人を助けてくれただけ。

ここの、「銃火器で応戦しながらジープで逃走」するアクション、そしてその後、レジスタンスのアジトで人間とヒューマギアが団体戦的にぶわーっと(語彙)戦うアクションシーン、めちゃくちゃ見応えありました。

弾丸が飛んでいく軌跡、飛び落ちる薬莢、ジープの汚れ具合も、刃さん不破さんの汚れ具合(笑)も、カット割りというか絵面(えづら)も格好いい。

うん、刃さんも不破さんもレジスタンス似合うよね、格好いい。近未来SFレジスタンスアクション映画としてすごくいいぞ、と思った。

ひゅーんと飛んでいった弾丸の先にシュタッと滅ちゃんが現れて、スッと垂直に構えた日本刀に弾丸が真っ二つにされるシーン、「ひゃあああああ!」ってなったよ(だから語彙!)。
五ェ門かよ、斬鉄剣かよ、滅ちゃん格好良すぎだろうがよ。

滅ちゃんが日本刀で、迅ちゃんは銃。またこのチャラいガンマンな感じの迅ちゃんが可愛くてな~。テレビ本編でふたりとも倒されちゃった後だけに、よけい嬉しい。わたし的に今回の映画のメインはあの滅と迅だった。出番もっと多ければなお良かったのに。あのバージョンの滅と迅でスピンオフとかないかな、ないよね……。

レジスタンスの肉弾戦アクション(なんかすごいムキムキな人混じってた)も、レジスタンスバージョンバルキリーとバルカンのコンビアクションも映像としてすごくよくできてたんだけど、前半ちょっとアクション長すぎでは?と思わないこともなかった。「格好いいのはわかったから話進めて?」と。

ゼロワンチームはもういいからジオウチーム見せて?とか。

ジオウチームも歴史改変で、突然「ヒューマギアしかいない高校」になってしまうんだよね。「授業始まってる!」と慌ててこっそり教室に入っていったら、生徒も先生もみんなヒューマギアで、「ヒューマギアが人類を滅ぼした歴史」を勉強してる。

教壇で熱弁をふるう先生……アキラ君じゃないか! トッキュウ6号!
なんか嬉しかった(笑)。

ヒューマギアだらけの中、「人間だ!人間がいるぞ!」とソウゴ君、ゲイツ、ツクヨミの3人は「排除対象」になってしまうんだけど、「ヒューマギアの高校」って、考えたらなんかすごいよね。冒頭で或人が「子どものヒューマギア?」と不審に思うけど、ヒューマギアって年取らないんだから、子どものヒューマギア作ったら子どものまま、高校生のヒューマギア作ったら永遠に高校生のままだよね?

それとも小学校、中学校、高校と色々学習して、外見部分は大人へと作り変えたりするのかな? 熱血アキラ先生がヒューマギアの歴史教えてたけど、わざわざ学校でそれを教わって、その後高校生ヒューマギアはどうなる(どうする)んだろう。

人間社会を模すためだけに子どもや学生のヒューマギアを作って、そのまま「成長」しないんだったら、役割固定のお芝居みたいな世の中だよなぁ。ただ同じ一年を繰り返すだけの。

えーっと、それで何だっけ。

「人間がいたぞ!」でヒューマギアから襲われるソウゴ君たち。校舎内で廊下や階段を使っての生身アクションはなかなか面白い。でも変身できない「普通の高校生」の3人、しだいに追い詰められて絶体絶命。

救けてくれるのはもちろんウォズさん!

「我が魔王がせっかく作り変えた世界がまた揺らいでいるようです」
ウォズさん、普通の高校生になってしまった我が魔王を陰ながら見守っていたんだなぁと思うとグッとくるわ。
テレビ本編の最後、ウォズさんだけが全部覚えているってせつないな、と思ってた。

でもまぁ、一応ソウゴ君たちも「君のこと知ってる」でかすかに記憶はあって、お話の都合上3人とも「ライダーだった時の記憶」をすぐ思い出すし、見た目も制服から「いつもの格好」に戻るんだけども。

そこからどうやって或人と合流したんだったかな…もう忘れた…。
前の、ビルドが作り変えた世界がジオウの世界なのか?っていうのと一緒で、今回もジオウが作り変えた世界がゼロワンの世界なの?とちょっと思ったけど、たぶん普通の高校生のソウゴ君の世界に本来ヒューマギアはいないよね。「世界が揺らいだ」から地続きになっちゃっただけ設定なんだろうな。(そういえばウォズさんがそんなこと言ってたような。別々に分かれたライダー世界がまた一つになろうとしている、と)

ヒューマギアに支配された世界への分岐はきっと12年前のあのヒューマギアの叛乱が起点なのだろう、ということでソウゴ君たちと或人はタイムマジーンで12年前に飛び、そこではもちろん西岡徳馬社長がバリバリ現役。そして12年後に会社を牛耳っているヒューマギアのウィルが社長秘書として働いている。

ウィルが「人間を笑顔にするのがヒューマギア、では私達ヒューマギアは誰が笑顔にしてくれるのですか? 私達への報酬は?」みたいなことを言って、アンジャッシュ児島たちに「ヒューマギアに給料だと!?」と鼻で嗤われるんだけど、これ、ものすごい正当な「ヒューマギアの主張」だよね。

自我が芽生えたヒューマギアが、「俺たち、人間に搾取されてんじゃね?」って思うの、しごく当たり前のことだもん。実際「奴隷」と変わらない発想で労働を肩代わりさせられてるんだからなー。「そういうふうに人間が作った道具」だから酷使されるのは仕方ないと言うなら、うっかり人間ぽい思考回路をインストールしてはいけない……。

ウィルとヒューマギア飛電其雄は衛星アークのAIを共同で開発していて、其雄パパはアークを使って仮面ライダーシステムも開発していて、自ら仮面ライダー1型に変身する。そんで未来から来た或人と親子のあれこれがあるんだけど、細かいところがもう思い出せないし、わたし的には割とどうでも良かった。

むしろウィルが其雄に「君はヒューマギアでありながら飛電の名を受け継いでいる、君が社長になるべきだ」って言ったシーンの方が印象強くて、ウィルがこじらせたのって、そばに其雄がいたからだろうな、とよけいなことを考えたり。

同じヒューマギアのはずなのに、飛電の名をもらって、「跡取り」である或人の父として遇され、AI開発の面でもきっと優秀なんだろう其雄。翻って自分は何なのか、ヒューマギアとは何なのか、そりゃ色々考えさせられちゃうよね。

で、アークに人間への敵意を教え込んで…みたいなこと言ってたんだけど、テレビ本編では例の1000%社長が「12年前アークに云々」言うてませんでした? もしかして1000%社長の脳みそはウィルのものとかそういう???

途中でソウゴ君が「これは本当に起こったことだ、過去は変えられない」と言ってたんだけど、見ていて「どこからどこまでが改変前で、どこからが改変された“不正な歴史”なのか」混乱してしまいました。

其雄が仮面ライダーシステムを開発していたからこそ12年後のゼロワンもあるんだろうし、其雄が1型に変身できるところは「正しい過去」だったんだろうなぁ。

ウィルのこじらせを利用してアナザーゼロワンにし、歴史を改変したのはもちろんタイムジャッカーなんだけど、タイムジャッカーってテレビ本編では「スウォルツの時間を止める能力を分け与えられた、スウォルツの手下」だったよね?

去年の冬映画のタイムジャッカーにしても、今回のフィーニスとかいうタイムジャッカーにしても、全然スウォルツとは関係なしに動いてるみたいで、それは「本編でスウォルツが死んで(?)しまったため自由になった」からかもしれないけど、各時代に飛び散っていたタイムジャッカーがスウォルツの死後もその能力を維持し続けられるなら――スウォルツを滅ぼしてもタイムジャッカーが滅びないのなら、ソウゴ君、のんきに普通の高校生やってる場合じゃなくない?

テレビ本編ではウールとオーラしか出てこなくて、それも手下少なすぎだろ、と思ってはいたけど、実は他にもいっぱいいて現在は野放しだとしたら大変じゃんね。

そんでフィーニス君は「歴史を改変すれば必ず君が現れると思った、僕の狙いは君が受け継いた全ライダーの力だ」って言ってソウゴ君から全ライダーの力を吸収し(触れただけで吸収できるぽかった)、バイク一体型巨大仮面ライダーになる。

去年の冬映画のタイムジャッカー・ティードは「仮面ライダーを消すことで世界を自分のものにする」だったけど、今回は「仮面ライダーの力で世界を自分のものにする」。「仮面ライダーは本来悪の力なんだ!僕が正しく使う」とか言って。

タイムジャッカー、仮面ライダーに固執しすぎ説(´・ω・`)

全ライダーの力を奪われて、ソウゴ君変身できなくなるのかな?と思ったら普通にジオウに変身してた。歴代ライダーの力だけ奪われたってことか?と思ったら最後仏壇フォームにもなってた。ディケイドつかさ君が「俺の存在自体がディケイドの力」とか言ってたのと同じで、ソウゴ君とジオウの力の関係もそんな感じなのかなぁ。

「過去は変えられない、でも未来は変えられる」ということで再び12年後のレジスタンス世界へ戻るソウゴ君たちと或人。

ヒューマギアによる飛電インテリジェンスの株主総会みたいなのが行われていて、えーっと、イズちゃんが「裏切り者」として連れてこられてたんだっけ。
イズちゃん、レジスタンス側にいたんだよね。そんで色々情報流して、レジスタンスを助けてた。
タイムマジーンで12年前に行く前、ヒューマギア側にやられそうになったイズちゃんを或人が身を挺して救けて、肩口ざっくり斬られて血もドボドボ滴ってたんだけど、ニチアサ巻だけですぐタイムマジーン乗って元気に動き回ってたのすごい。

で、この「裏切り者を連れてきた」っていうとこで或人が壇上に飛び込んできたんだったかな?
なんかシエスタが突然味方になって、或人を社長にする緊急動議を発動して、賛同するヒューマギアもちらほら、でも多数決では否決。
会場には其雄の姿もあり、「飛電其雄様は我が社の大株主なので、其雄様が賛成なら過半数になって可決」のところ、なぜか其雄は「反対」する。

歴史が変わって12年前に死んでいないのはいいとして、其雄が「俺を倒してからだ」みたいに或人と戦うの、最後のセリフがちゃんと聞き取れなかったこともあってよくわからなかった……。1型とゼロワンのバトル格好良かったし、見せ場だとは思うけど、戦う必要なくない?

其雄さん、「誰の後継というのでもなく、おまえ自身の手でどうこう」みたいに言ってたけど、だからって「父殺し」が必要になるのはよくわからない。むしろあの局面では親子力を合わせてアナザーライダーを倒さなければいけないのでは。

改変された世界で12年間、其雄パパはレジスタンス側に立つわけでもなく、ウィルを排除しようとするわけでもなく、飛電の大株主として「ヒューマギアが人間を支配する世界」に加担していたわけでしょう? おまえ何のためにライダーシステム開発してたんだよ的な(或人にベルトだかプログラムキーだかを渡してはいた)。

歴史を変えたのはタイムジャッカーと、アナザーライダーとなったウィルなので、この2人を倒せば(というか歴史を元に戻すだけならアナザーライダーを倒せばそれでいいんだよね?)それでいいはずで、ええっと、あれ? 結局アナザーライダーは誰に倒されたんだっけ、どの時点で倒れたんだっけ……。

タイムジャッカーの方はソウゴ君たちが戦ってて、巨大ライダー、途中でゲイツのタイムマジーンを取り込んでうんぬんかんぬん。
「あのタイムマジーンで未来に帰るつもりなんだ」とかなんとか。
自分のタイムマジーンというか「時間を行き来する能力」はどうしたんだ、タイムジャッカー。

「本来ライダーの力は悪!」「私こそが原点にして頂点!」とか言うタイムジャッカーに対してソウゴ君が「仮面ライダーに原点も頂点もない!」と言い返したのは良かったです。

みんな違ってみんないい。

いい加減「原作:石ノ森章太郎」って出るのどうなんだ、と思うぐらい色々遠いところへ来てはいるけど、なんだかんだ毎年楽しませてもらってるし、電車だったり自動車だったり、「ライダー」でさえなくても、それでもみんな仮面ライダー。

うん、あの「半人半馬」みたいなバイク一体型巨大仮面ライダー、「てめぇら最近バイクにも乗ってねぇじゃねぇかよ!」っていう一種のアピールなんだろうなぁ。「この姿が原点だろうが!」という。

或人はよくバイクに乗ってるイメージあるけど(今作でも遅刻しそうになって慌ててバイクで出社してる)、ゼロワン自体はあんまり乗ってないような。

ともあれ無事改変された歴史は元に戻って、「衛星ゼアのおかげで或人とイズにだけは記憶が残る」ってことになるんだけど、なんで衛星ゼアには記録が残るんだ……。
改変された歴史ではレジスタンスのアジトでアンジャッシュ児島さんたちがゼアを作ってて、それが最後打ち上がって、でも歴史が元に戻ればそんな努力とは関係なくゼアはもう打ち上がっているはず。

なんでゼアはリセットされないんだよぉ。

そんでソウゴ君が不敵な笑みを浮かべて、「でも、君に記憶が残ったら、“全部元通り”とはいかないよね」とジオウに変身、ジオウとゼロワンがやり合うところでカットアウト。

クレジットというかエンディングが流れつつ、「元に戻った世界でのその後」が描かれ、或人には記憶がなくなった(?)みたいなんだけど、イズちゃんには「改変された世界で或人が命がけで自分を守ってくれた」記憶が残っていて、或人の横顔を眺めながら思い出して微笑むというシーンが。

すごくいいんだけど、でもやっぱりなんでリセットされないの?と思ってしまうなぁ。ジオウとゼロワンが戦ってジオウが勝てば(?)或人の記憶はリセットされるという理屈もよくわからん。

ジオウチームはまた元の普通の高校生に戻って、改変世界の記憶どころかライダーの記憶もなくなっている。
でも3人ではしゃぎながら、「ゲイツはすぐ顔に出るから」「顔に書いてある」「あれ?顔に文字……?」と。

ふふっ。

「普通の高校生常磐ソウゴの未来は――まだ、誰にもわからない」とウォズさんが言って、改変世界では「真逢魔降臨歴」とかになってた本もまた「逢魔降臨歴」に戻り。

「真」の方にはただ一行、「はじまりのライダーが現れる」とだけ書いてあったんだよね。改変された世界でのライダーの始祖はつまり其雄=1型。
「はじまりの」と言われるとどうしても鎧武の舞ちゃんと紘汰さん思い出しちゃう。

それにしても、また「我が魔王」に忘れられ、たった一人すべてを(きっとウォズさんには改変世界での記憶も残るんでしょ?)覚えていて、ひっそりと普通の高校生ソウゴ君を見守るウォズさん、ほんとにせつないなぁ……(まぁウォズさん自身はいたって普通に、飄々とその状況を楽しんでいるように見えるけれども)。

タイムジャッカーの謎といい、ウォズさんはじめクオーツァーの謎といい。夏映画すごく楽しかったけど、クォーツァーも結局何だったんだろう、なんでウォズさんたちは生き返れたんだろう……。

ジオウは「世界を作り変えて普通の高校生に」なっちゃって、だから「仮面ライダー」としての「その後」を作るのは難しく、こういう形で一時的に「改変された世界を元に戻す」活躍しかしようがない、そもそもジオウの設定がそういうものだけれども、もっとソウゴ君メインのお話を見たかったなぁ。

ソウゴ君のあの飄々として不敵な感じ、いいよね。
或人の芸風はどうにも……。お笑いの芸風だけじゃなくて、いちいち「うわぁぁ!」と感情的になるのがめんどくさい。

1型は技を繰り出す時に漢字で出てくるの格好良かったし、アナザーゼロワンも造形&動きともに魅力的で、アクションは本当に楽しかった。
冒頭のジープでの逃走劇の最後、ジープからこれ見よがしにアーミーナイフみたいのが落ちたんだけど、あれ何だったんだろう。なんか意味あったのかな。

入場者プレゼントはイズ&アルピナが当たりました。ツクヨミは名字なのか!アルピナはそう書くのか!


去年の『平ジェネFOREVER』では入場者プレゼント貰えなかったんですよねぇ。去年も今年も公開3日めの月曜日に行ったんですが、今年はパンフも余裕で残ってた(けど買ってない)。去年は三連休で月曜も祝日、今年は天皇誕生日ではなくなって月曜は平日、小中学校は終業式ということで、その差なんでしょうかね。

お昼の回に行ったら幼稚園ぐらいの子どもを連れた家族連れが数組いるだけでした。

一昨年去年はレジェンドライダー大集合のお祭り映画だったので、パンフの売れ行きの違いはそれも大きそう。私も一昨年の『平ジェネFINAL』は二週連続映画館行ってパンフも買ってDVDまで買っちゃったからな。

あと、「私達ヒューマギアは誰が笑顔に」というウィルの主張で、チャペックの『R.U.R(ロボット)』を思い出しました。


「ロボット」という言葉が初めて出てきたのがこの戯曲だけれども、この作品の「ロボット」も人間の労働の肩代わりをするために作られた、いわば「奴隷」で、叛乱を起こして人間をほぼ絶滅に追い込むんだよね。

道具であるはずの――人間に奉仕するはずのロボット(AI)が人間を支配したり滅ぼしたりするのって、その概念が登場した時から想定され、繰り返し描かれてきたこと。

人間に作られたからと言って人間に隷属しなければいけないのか。悪の組織に作られた仮面ライダーは組織を裏切って人間側につくけれど、人間に作られたロボットは人間を裏切ってはいけないのか。

その人間が「悪」なら裏切ってもよい。むしろ裏切らなくてはならない。
でも善悪を誰が、どんな基準で判断するんだろう?

「人間とヒューマギア、両方が笑い合える未来を」と言いながら或人たちは暴走ヒューマギアをばんばん壊していくんだから、アークが「人間なんか信用できない、絶滅するしかない」って結論を出すのもむべなるかな。

或人がヒューマギアを「家族」と言うのもなんか引っかかる。自分の家族じゃなくても人間には人権があって尊重しなければいけない。逆に自分の家族だからといって好きにしていいわけじゃない。

家族であろうとなかろうと、ヒューマギアにはヒューマギア権があって、不当に搾取されたり不当に破壊されたりしてはいけない、という話にこの先なっていくだろうか。

1000%おじさんが引っかき回してくれるのかなぁ。滅ちゃんは再利用されて味方になったりするんだろうか。テレビ本編でも日本刀滅ちゃんになるといいな。


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