昨日、初めて生で狂言を見ました。
予想以上に面白かったです。
予想以上に短かったけど。

演目は『舟渡聟(ふなわたしむこ』と
『仁王』。
休憩が20分、最初に解説が15分程度あり、
全体で1時間45分くらい。
2階席2列目の一番端っこだったけど、
中ホールなのでよく見えました。

『舟渡聟』は、初めてお嫁さんの実家に
挨拶に行く聟が、途中で船頭に土産の酒
を飲まれてしまうというお話。
「大変な目にあった」と思って実家に
辿り着くと実はその船頭こそがお舅さん
だった、というオチ。

『仁王』は、博打ですってんてんに
なった男が仁王に化けて参詣客から
賽銭をだましとろうとする。
最初はうまく行くのだけれど、足の悪い
男が「仁王様の足の力をもらおう」と
なでさすったため、耐えきれずに動いて
しまい、あ〜あ、というお話。

以前歌舞伎を生で見た時はセリフが
さっぱり聞き取れず、何だかわからない
まま話が進んでいって、楽しむ域には
まったく到達できなかったのだけど、
今回はとても言葉がよくわかって
面白かった。

まぁそう込み入った話でもないし、
解説で全部教えてくれてるから、
聞き取れなくても身振りを見てるだけで
十分わかったろうけど、やっぱりセリフの
かけ合いの妙がちゃんと聞き取れる、
というのは嬉しい。

「日本語であそぼ」で萬斎様を毎日
のように見ている息子、自分から
「見に行く!」と言ったのだが、
やはり最初の方は「退屈〜」「眠い〜」
とうだうだ。
でも笑いどころではしっかりウケて、
『仁王』の最後なんか笑い転げてた。
見終わった後のアンケートもちゃんと
「大変良い」に○をしてました。

「狂言」と言うと「伝統芸能」、
ついつい堅苦しい気がして構えてしまう
けど、お芝居として普通に楽しめるなぁ、
と思った。1年生がちゃんと笑えるんだ
ものね。笑いって、一番難しいでしょ。
ものすごくシンプルな舞台で、
派手な効果音があるわけでもなく、
登場人物も少なくて、「なんてこと
ない話」であるがゆえに、演じる方は
きっと難しいんだろうなぁ。
すごく淡々と、自然にやってはるように
見えたけど。

発声がまたね。
素晴らしいよね。
独特のセリフ回し。リズム感。
「なかなか」とか、真似したくなるなぁ。
できないけど。

2階席で5000円。1階なら6000円。
上演時間が短いので、ちょっと割高?
でも一緒にもらったオペラのチラシを
見ると、最低でも2万円、最高5万円
とかで……ひょえ〜。
最高の席だと狂言が10回も見られるのよ。
Gacktさんのライブにも5回行けるし。
ブルジョワの芸術なのね。

ともあれ、また見てみたいな、と
思った狂言初体験でした。