息子が、学級文庫の『わかったさんのクッキー』の「アイスボックスクッキー」のレシピをちまちまと自由帳に写してきて、「クッキーを作ろう!」と言う。

いや、正確には「まーちゃんに作ってもらおう」だった。

まーちゃんというのは、同居している義妹(息子にとっては叔母)のこと。きっと、私に言っても作ってくれそうにないと思ったんだろう。

「なんでママじゃなくてまーちゃんなの?」
「え?いや、ママは忙しいかなぁって。それにまーちゃんの方がこーゆーの得意かなぁ、って」
「まーちゃんだって忙しいんちゃう?自分で作ったらえーやん」

ということで。
張り切って材料を量るところから。
「小麦粉200g、ベーキングパウダーが」
「いいよ、そんなのないから。ホットケーキミックスで」
「じゃあバニラエッセンスは?」
「ホットケーキミックスだから入れなくて大丈夫」

全然レシピを写してきた意味がない。

が、まぁともかくも自分でバターや砂糖を量って、卵を割って、混ぜて。
形も作って。
ほぼ自作。

こーゆーことが好きなのは夫の血筋だろうか。
私は子どもの時も今も、お菓子は食べるだけで十分だし、料理だってしなくていいんならそれにこしたことはないと思っている。

彼は今日図書館で、「クッキー」だけでなく、「シュークリーム」とか「マドレーヌ」とか、「わかったさん」シリーズをたくさん借りてきた。
全部作ってみるつもりなのか(怖い)。

ちなみに今回作ったクッキーには、台所にずーっと起きっぱなしになっていた「アーモンドダイス」を入れた。
これは義妹が何かの折りに買ってきたものだが、賞味期限を見ると、「2004年1月」。

不二家よりひどい。

でも封は切ってなかったので、今のところクッキーを食べた人に被害は出ていない(たぶん)。

不二家はバカなことしたなぁ、と思うけれども、食品も「工場生産」になるとやっぱり「食べ物作ってる」っていう気が失せるんだろうな。
工場の生産ラインで、流れ作業になって、各人はその作業のうちのある部分しか担わなくて、「全体としてどうなるか」が見えなくなって。
ただお給料をもらうために、言われたことをやっている。
現場を知らない「上の方」はコスト削減しか言わないんだろうし。

そういうのって、きっと不二家だけでも食品だけでもないだろう。