昨日初めて「マルちゃん正麺」を食べた。CMで「うまい!嘘だと思ったら食べてください」と言ってるのが大変気になって(つまり“嘘だと思って”)買ってみたのだった。

……うーん、まぁ美味しいけど、それほどでも……。

麺は確かにしこしこもちもち生麺ぽく美味しかった。でも食べてるうちに伸びてきて最後の方は普通のインスタントラーメンの食感に。

伸びるの早すぎない!? 私が最初に長く茹ですぎた???

醤油味食べたんだけど、けっこう香りが強烈で、味も濃厚で、我が家には濃かった。東京の味って感じ(←偏見)。

麺もスープも本物志向でがんばったのはわかるけど、インスタントラーメンのあの「嘘くささ」が好きな私としては、サッポロ一番や好きやねんの方が美味しい。

インスタントラーメンって「インスタントラーメン」という別の食べ物だから、変に「インスタントじゃないラーメン」を目指さなくてもいいんじゃないだろうか。もちろん「こーゆー本物ぽいのが好き」という人もいるんだろうけど。

私だって、昔、楊夫人(マダムヤン)や中華三昧を食べた時は「おおおっ、なんか高級!」と感動したものだった。中華三昧は「たまのゼータク」として実家では愛好していたなぁ。もう長いこと食べてない……。

とつらつら「過去のインスタントラーメン」について思いを馳せていて、思い出したマンガ。



1994年。

もう18年も前の作品ではないか。

しかしこれが面白いのだ。今これ書くためにぱらぱらめくろうとしてうっかり全部読み返しちゃったほど面白い。

時は20XX年、ラーメンを食べることを禁じられた「禁麺法時代」! 禁酒法時代と同じくそこでは「闇ラーメン」が高値で取引され、ラーメンを食べたことのない世代はビーフンをラーメンと騙されて売りつけられていたりする。

そんな時代に現れいでたる「錬麺術師」。どんな物質も、彼が銀の箸でつまむとあーら不思議、たちまちラーメンになってしまう!

……と、もうこの設定だけですごいでしょう。読んでみたくなるでしょう。

全4話の中に「インスタントラーメン・ラビリンス」というお話があって、「かつて短期間だけ販売されていたインスタントラーメン」の銘柄が擬人化されて出てくる。

錬麺術師が修行するラーメンの迷宮。そこではチャルメラのおじさんが本当にチャルメラ吹いて屋台でラーメン売っていて、エースコックの豚が「私は常にエースを決めちゃう豚のコックさんなのよ!」とフライパンでサーブを打ってくる。

もちろん美人のマダムヤンに、カンフーボーイの王風麺(わんふうめん)、ギリシアの神様風な「3人合わせて華味餐庁(かみさんちん)」。

まぁなんとも楽しいマンガなのですわ♪

最初から「単行本1冊分だけ」と決めていらしたらしく、4話しかなくて大変残念。最後のページに書いてあったアイディア、「日本の主食をきしめんに統一しようともくろむ中京コンツェルン」とか、読んでみたかったなぁ。

そうなるとうどん県香川も黙っていないだろうし。

「やじきた」と「エリュシオン」で忙しい市東亮子さんだけど、錬麺術師のお話そのうちまた書いてくれないかな。