(※以下ネタバレあります。これからご覧になる方はご注意ください。記憶違い等多々あると思いますがご容赦を)



1月14日火曜日の13時公演を観てまいりました。
芹香斗亜さんの退団公演、結局芹香さんのトップ公演を生で観るのはこれが最初で最後になってしまいました。

もとは『FINAL FANTASY』と併演のはずだった『宝塚110年の恋のうた』。111周年になってからの上演となりました。
日本物レビューを見るのは2018年『白鷺の城』以来。同じ宙組、同じ大野先生だったんですよねぇ。もうあんまり内容を覚えてないんですが、blog記事を読む限りとても好みだったらしい(笑)。

あ、2020年の『WELCOME TO TAKARAZUKA』も一応日本物レビューだったんでしたっけ。記憶から抹殺してた…。

ともあれ久しぶりの日本物!
チョンパの幕開き、あ~~~~~ワクワクする~~~~~~~!!!!!

最初の場面は源氏物語。華やかな平安貴族装束のスターさんが『新源氏物語』『あさきゆめみし』の曲を歌い継ぐ。
芹香さんは藤原定家、春乃さくらさんは式氏内親王。式氏内親王との叶わぬ恋に疲れ、「もう恋の歌など詠めない」という定家の前に「八千代」と名乗る“わざおぎ”(役者)が現れ、「私は110年恋の歌を歌い続けてきた」と、宝塚の「恋の歌」の世界に定家をいざなう――。

ちゃんと作品名や曲名が舞台上に出てきていたんですが、いつも通りB席ということもあって、すべては読みとれず。プログラムにも使用曲載せてほしかったなぁ。

覚えているのは
・『若き日の唄は忘れじ(恋の笹舟)』
・『星逢一夜』
・『誠の群像』
・『この恋は雲の涯まで』


新選組の場面は『誠の群像』だけじゃなくて『星影の人』とかの歌もあったのかな?
その場面になる前、「祇園踊りはよーいやーさー♪」でもう一回チョンパぽい演出があって楽しかった。
あと、「本編に入れられなかった曲を日替わりで」というコーナーで『はいからさんが通る』の曲を。
『はいからさん』も日本物のお芝居に入るんだなぁ、とちょっと思いました。なんとなく、江戸時代以前を舞台にした作品を「日本物」と認識していたので。

途中、「恋の歌を歌えない時期があった」ということで、戦時中の軍歌も。そのあとが『LOVE』という曲だったんだけど、あれも「日本物のお芝居」の歌だったのかしら。洋装だったし、「えー、日本物レビューなのにこういうのやるんだ」と思ってしまいました。

このショーオリジナルの『定家葛』の場面のあと、最後第8景は大好きな若衆姿で、これまた大好きな『花の舞拍子』!!!
往年の雪組『花幻抄』カリンチョさん(杜けあき)が歌ってらしたんですよねぇ。懐かしい。

(カリンチョさんの動画はないので寿ひずるさんの歌唱をどうぞ。寿さんも超絶歌うまい)


そして『花吹雪恋吹雪』でフィナーレ。そこ持ってくるか!
トウコちゃん(安蘭けい)主演のバウ公演、夢輝のあちゃんも出ててとても素敵な作品だった。2000年秋の上演なので、あれももう四半世紀前なのか、、、。

懐かしい曲が聞けたのは楽しかったんだけど、全体としては今ひとつ物足りなかったなぁ。ショーの曲ではなく「お芝居」の曲がほとんどということもあって、「日本物レビューならでは」のワクワクをあまり感じられなかった。舞台装置とかもなんか寂しかった気がする……。
45分と短かったですしねぇ。『白鷺の城』も45分だったし、もう長い日本物レビューをやることはないのかしら。

あと『新源氏物語』の歌はカナメさん(涼風真世)、『この恋は雲の涯まで』と『花の舞拍子』はカリンチョさん、『花吹雪恋吹雪』はトウコちゃんで脳内再生されてしまうので、どうしても下手に聞こえてしまう……。『RazzleDazzle』の方では芹香さんも見事にJazzを歌いこなしてらしたし、皆さん決して歌が下手なわけではないはずなのに、『110年』の方は微妙に感じてしまった。日本物の歌ってやっぱり難しいのかしら。

日替わり曲のところの辻占の巫女(?)の方はきれいな声で巧いなぁ~と思ったんですが、『Razzle』のグランドフィナーレではエトワールを務めてらして、なるほどでした。小春乃さよさん

衣通姫(玉津島大明神)役で出てらした専科の京三紗さん、声がすごく可愛らしかった。1989年『新源氏物語』にも出てらしたし、『この恋は雲の涯まで』の時は雪組組長さんかな? お元気で何より。


で。
ジャズ・スラップスティックと銘打たれたお芝居『RazzleDazzle』は一転、肩の凝らないコメディタッチの楽しい作品。作/演出は田渕大輔先生。
チャールストンやスイングといった音楽がとても好みで、劇中劇(映画の撮影)のシーンはスペクタクル、「洋物ショー」の風味もあって良かったです。

「ハリウッド一裕福な孤児」と呼ばれる主人公レイモンド。お洒落で少しチャラくて、でもけっこう一生懸命だったりするキャラクター、芹香さんの真骨頂というか、「お手の物」といった感じでしたね。自在。

レイモンドは裕福なんだけど、その資産は縁戚であるリチャードが管理していて、レイモンドの自由にはならない。両親の莫大な遺産をすべて受け継ぐにはリチャードの娘アビーと結婚することが必要。
お金は欲しいがアビーとは結婚したくないレイモンド。「だって君のこと別に愛してないし。愛のない結婚なんて」と、うぶなことを言う彼に、親友トニーがゲームを持ちかける。「もしも資産家であることを隠して、“ただの男”として一人の女性に愛されることができたらレイモンドの勝ち。アビーと結婚しなくても資産を自由にできる」という賭けを。

ちょうどそこに田舎から出てきたばかりでレイモンドの正体を知らない女優志望の娘ドロシーが現れ、彼女をターゲットにすることに。
さてレイモンドはドロシーの愛と遺産を手に入れることができるのか――?

ドロシー側にしてみればひどい話だよね。
でもこの賭けを通じて、「お金のありがたみ」や「働く」こと、「夢を追う」ことの意味を知っていくレイモンド。もちろんドロシーのことは本当に好きになっちゃう。
自分が賭けの対象にされていたことを知ってもレイモンドの頬をひっぱたいたりしないドロシーが優しい。

ドロシー役はもちろん春乃さん。チャーミングだったけど、アビー役天彩峰里さんの方が印象に残りました。ハキハキした声の感じとか、終盤のグリーンの衣装もよく似合ってて良かった。

映画監督ハワード役の若翔りつさんもうまいなぁと思いました。

そして。

『Le Grand Escalier』の時に「歌うまいな~」と思って気になっていた瑠風輝さん!
男役さんだけど今回はシャーリーンというスター女優の役!!!
すごく良かったです!!!!!
長身で見栄えよく、男役ならではのスケール感で、お騒がせ女優シャーリーンのキャラクターが生きる。何よりとっても綺麗な方ですよね。歌も見事だし。

宙組さん全然観てなかったので、「こんなスターさんがいたのか!」と大発見した気分で、フィナーレの男役さん群舞も瑠風さんばっかり見てました。格好いい~。

大階段はシャーリーン姿でお一人で降りていらして、「宙組三番手なのね~。芹香さん退団後は二番手ね!」と思ったら、星組に組替えだそうで。いつもながら情報が遅い(>_<)

礼さん退団後の星組トップはまだ発表されてないけど、暁千星さんと瑠風さん、同期なんですねぇ。同期でトップと二番手を務めるのかしら…。ともあれ星組公演観なきゃ。

『110年』が短い分、『RazzleDazzle』が1時間45分あって、ショー的なフィナーレが付いているとはいえ、途中ちょっと「長いな~」と思ったり。
やはりいつものお芝居95分、ショー55分がしっくり来ますね。

がっつり55分あった(はず)『花幻抄』(’91年雪組)や『春の踊り~恋の花歌舞伎~』(’89年星組)みたいな日本物レビューをまた観たいな~。