2013年3月18日月曜日

『モンテ・クリスト伯』第4巻/デュマ



※以下ネタバレだらけなので、真っ白な気持ちで読みたい方はご注意ください。

(1巻の感想はこちら。2巻の感想はこちら。3巻の感想はこちら

いちいち1巻ずつ感想書くのかよ!って自分でも思うんですが、1巻2巻と書きかけちゃったのでしょうがない、書くしかないのです。それにジェットコースターなお話なので、たとえば全部終わってから感想書くとかやってたら、途中でどんなことがあったか忘れてしまうし……。『レ・ミゼラブル』に比べれば活字が大きい上に1冊がかなり薄いのに、うっかりすると最初の方のエピソードを忘れてしまう(それは年のせいでは…)。

まぁそんなわけで4巻目。

じわじわと、じわじわと、エドモンが宿敵達の間に食い込んでいきます。なんかね、もうホントぞくぞくしちゃうよ。ひとおもいに殺すよりずっと楽しい(おい)。復讐って、本物の復讐って、こんなふうに相手の人生を狂わせていくことだよね。あっさりと人生を終わらせるのでなく、歯車を狂わせていく。

ヴィルフォールの先妻の父、サン・メラン侯爵のものだったオートゥイユの屋敷。それを手に入れたエドモンは、宿敵達をそこでの晩餐に招待する。かつてヴィルフォールはその屋敷で愛人と通じ、愛人が生んだ赤子を生き埋めにしていた。その忌まわしき屋敷に、「モンテ・クリスト伯」から招待され、ヴィルフォールは断れない。

そして、その、赤子を死なせざるを得なかった愛人もまた。

実はその愛人っていうのがダングラールの今の奥さんで……。え!?って感じだけど、人間関係のどろどろ繋がりはこれだけではない!

えーっとまず、ヴィルフォールの娘ヴァランティーヌと、アルベールの友人で最初にエドモンと出会ったフランツ・デピネーが婚約する運び。で、そのフランツの父親は実はヴィルフォールの父親ノワルティエ氏に暗殺されていたりする。ナポレオンがエルバ島から脱出した、エドモンがその手助けをしたとして捕まったあの時期に。

となると、やはりエドモンはわかっていてフランツをモンテ・クリスト島にうまく連れてきた、ってことなんでしょうかね。彼が島を訪れるよううまいこと裏で手を回したのかな。

で、そのフランツと結婚させられそうなヴァランティーヌはモレル氏の息子マクシミリヤンとひそかに愛し合っていて。

当然エドモンはその情報も手に入れてるんだろーなー。

3巻でヴァランティーヌの継母である現ヴィルフォール夫人とその子どもを助けたエドモンだけど、実はヴィルフォール夫人とは2年前にイタリーで会っていたらしいし、エドモンの用意周到さ、じっくりと時間をかけて計画を練っていたことがわかる。牢を出てからパリに姿を現すまでの10年間、色々情報収集して必要な手駒を集めていたんだなぁ。

部下の一人ベルツッチオも、サン・メラン侯爵邸事件におおいに関係している男だし。

ローマでもエドモンとともに芝居見物していたギリシャ人の美女エデも、フェルナンに父王を殺された身の上らしい。

「あれこそ、父をトルコ人に売った男なのです。その財産も、父を裏切り、父を売って手に入れたお金なのです」 (P132)

いやもうホントに、どれだけみんな繋がってるの。

エドモンはエデのこと「彼女は奴隷」とか言ってて、「もしこのパリで気に入りの男を見つけたらその男のとこへ行ってもいいぞ」みたいなこと言ってるけど、エデの方は心からエドモンを愛してる。エドモンは……メルセデスへの想いを捨てられないんだろうなぁ……。

そのメルセデスとフェルナンの間に生まれた息子アルベールは、ダングラールの娘ユージェニーとの婚約話が進んでる。でもアルベールの母(つまりメルセデス)はその縁談に乗り気じゃなくて、そもそもダングラールを嫌っているらしい。

そりゃそうだろうな。エドモンが捕まって、ダングラールはきっと喜んでたろうし、そこに策略があったとは知らなくても、「なんかヤな奴」ってオーラ出てただろうからなぁ。

4巻最後には死んだと思ってた(私が勝手に勘違いしてただけだけど)カドルッスまで出て来る上に、カドルッスは例の「殺されたはずの赤子」と知り合いだなんてもう、すごすぎデュマさん!

すごいと言えば。

「金持ほど、ただの桟敷をほしがる者はない」 (P100) とか、

「フランスでは、みんな勲章をばかにしながら、みんなそれをつけたがりますから」 (P183) とか、

人間観察鋭い。皮肉素敵。

あと、モレル氏がいまのきわに「あれ(自分達を破産の危機から救ってくれた謎の人物)はエドモン・ダンテスだった!」と言ったエピソード。いや、泣けるわ。そのことをマクシミリヤンから聞いたエドモン、きっと心の中で号泣してたよね。もうそれだけで、頑張って牢屋出て良かったって思うよね。

……いや、思ってないから復讐してんのか……。



宿敵達の人生がこの先どう狂っていくのか、楽しみです。ふふふ。

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