せつない日本物のお芝居『星逢一夜』から一転、ショー『ラ・エスメラルダ』は真夏の公演にふさわしい熱いラテンショー!

オープニングから衣裳も派手でノリノリ。全体に群舞が多い印象で、音楽もスパニッシュやマンボなど好みの物が多く、なかなか楽しかったです。

とはいえ『星逢』にがっつり魂奪われちゃったので、ショーの方の記憶が薄く、感想書けるほど覚えてなかったりするんですが。ははは。

『ルパン三世』の記事でも書きましたが、準トップの望海さんにはタータン(香寿たつき)を思い出させるところがあります。単に歌がうまいだけでなく、振りや表情での「見せ方」が非常に巧い。なんというか、達者すぎてかえって地味になってしまうパターンでは……と思ったり。いや、その、タータンもトップになるのに時間かかったし、懐かしのルコさん(朝香じゅん)とかも思い出したりして。

褒めてますよ、うん、褒めてます! お芝居でもショーでも、すごく存在感あって、早霧さんとはタイプが違ってホントに二人のバランスがいいな、と思います。

若手のスターさんは顔と名前が一致しなくて、誰が誰かわからず見てましたが、歌の巧い人がいなくて残念。もうちょっと聴かせてくれるといいなぁ。『ルパン』の時は舞咲さんの歌が絶品だったけど、今回は舞咲さんはソロではほとんど歌ってなかった感じ? 顔が覚えられないので、「おおっ、この歌の巧い人誰!?」って後でプログラムを調べるのが常なのですが、今回は「おおっ!」と思うことがなかった……。

代わりに(?)「おおっ!」と思ったのは『星逢』で吉宗を演じた英真なおきさんがショーにも出てらしたこと! 専科のお姉様方はお芝居だけでショーには出演されないことも多いのですが、英真さんはショーでも2場面に登場♪

1920年代のクラブをモチーフにした場面ではドアボーイ役をコミカルに、海賊紳士の場面では海神ネプトゥーネス役を荘厳に。

ネプトゥーネスの衣裳、豪華ですごかった。そして歌声も聴かせてくださって! 英真さんの歌、好き~~~~~。

フィナーレでもついつい英真さんばかり目で追ってしまいました(^^;) 足繁く通っていた頃に活躍していたスターさんが今も現役で宝塚の舞台に立っていらっしゃるのを見るのは本当に嬉しいです。

あと途中で「あいたい~君にあいたい~緑の瞳に~♪」という曲が使われていてですね。この一節で「ああ!」とわかる人は通(というか一定の年齢w)だと思いますが、ショーの最中には「なんだっけ、この曲なんだっけ」とタイトルが思い出せず。

グループサウンズの曲だよな、何だっけ!?

とずーっともやもやしていました。終演後速攻でググってザ・テンプターズの「エメラルドの伝説」だとわかったのですが。

ショーのタイトルが「ラ・エスメラルダ」だからってまさかこんな曲ぶっ込んでくるとは。

ラインダンスは「情熱の花」でしたし、男役大階段での格好いいマンボ(いや、タンゴ?よく知ってる曲なんだけどタイトルが(>_<))からの尾藤イサオ!

「誰のせいでもありゃしない~みんなオイラが悪いのさ~♪」

いや、歌詞は尾藤イサオバージョンではなかったんですけども、曲が「悲しき願い」だったんですよね。

『ラ・エスメラルダ』の演出は齋藤吉正先生ですが、大劇場デビュー作の『BLUE MOON BLUE』でも「悲しき願い」を使っていたらしく(リアルタイムで見てますが覚えてなかった……)、よほどあの曲がお好きなのでしょうか。私はあのイントロを聴くと自動的に尾藤イサオさんの映像と歌が脳内再生されてしまって、つい笑ってしまうのですけど……。

マンボだかタンゴだかの男役大階段の振り付けが格好良くて素敵だっただけによけい「ええっ!?」と(笑)。


雪組さん、次の大劇場公演は『るろうに剣心』。うん、早霧さんの剣心、咲妃さんの薫ちゃん、ハマりそうです。望海さんは左之介かなぁ、それとも……。今回の源太を見ると非常にうまく左之介をやってくれそうで期待大なのですが、達者な方なので齋藤でも志々雄でも原作ファンを裏切らないお芝居を見せてくれそうです。

まぁ、原作のどの部分を舞台化するのかもまだわからないんですけど。

脚本・演出が小池先生なのがちょっと不安……(^^;) 小池先生って日本物のお芝居を手がけられたことありましたっけ? 洋物のイメージしかないのですが。

『ルパン三世』と同じく、「おおっ、宝塚すげぇ!」となることを期待しております。