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読みましたぁぁぁぁぁぁ!
シャトーちゃんとリャンハさんの「その後」を描く「After the File」、うぉぉぉぉぉぉ!!!
隅から隅まで最高でした。Fe先生すごい、天才、大好き。

もうね、いつもながら中ジャケ(本体の表紙イラスト)に至るまで素晴らしいんですよね。今回もしっかりカバーイラストの「撮影風景」があって、さらにおまけページとしてガラス先輩のぼやきまであって。

ずっと不穏な感じでガラスが飛び散ってたのが、平和に羽根が舞う。
13巻の最後、教会のシーンでも鳥が飛んで羽根が舞ってる絵があって、あとアニメ最終回でも屋根の上の二人のバックに鳥飛んでませんでしたっけ?
アニメ放送がもう2年前だなんて、時の過ぎるのは本当に早い……。

社長の計らいで、とあるぼろアパートの管理人として共同生活を始めたシャトーちゃんとリャンハさん。この設定がもう良すぎる! 周囲には「夫婦」ということにしてあるけど、「新婚さん」とか「ご主人」などと言われるたびにシャトーちゃんは石化(笑)。
「こんな穏やかな生活、嘘みたいでくすぐったい」と言うリャンハさんが尊い、尊すぎる。ううう。良かったね、ほんとに良かったね。

1話目の冒頭、住民のおばあさんの部屋で照明器具を修理しているリャンハさん、10巻でルーシーさんとこの電球取り替えてたのを思い出すなぁ。
ヤバい仕事だけでなく日常の細々した作業もちゃんとできるリャンハさん。エプロン着けてご飯まで作ってるし。三檮會に入る前は飲食店でバイトとかしてたのかしら。そもそも三檮會に入るきっかけがレストラン(?)の給仕だったけど、厨房で働いたりしたこともあったのかな。
この14巻でシャトーちゃんがキッチンに立ってるシーンはなくて、洗い物もリャンハさんがやってて、いい旦那さんすぎる。お婿さんに欲しい。

そんな平和な日常に忍び込む影。近隣で起きた殺人事件、「水を差しにくる」ニッカさん。

ニッカさんが来ることでしっかりリャンハさんのアクションシーンが描かれてるのうまいし、「一番ヤバいのはシャトーちゃん」なのがほんとね。さすがです。

ワグナーさんとニーナのエピソードも良すぎてうるうるしちゃった。ワグナーさん格好良すぎる
ワグナーさんと出会った時のニーナがいかにも虐待されてた感じなのもなんとも言えないし、彼女が4歳なの、シャトーちゃんがあの時4歳だったのをなぞるようで。
きっとニーナにも戸籍とかなくて、「社会的には存在しない子ども」だったんだろうな。
シャトーちゃんとリャンハさんとニーナ。「存在しなかった」三人の子どもたちが「家族」になって、これからを生きていく。
いいよねぇ。

何しろリャンハさんがよその男の子から「ニーナのとーちゃん」呼ばわりされてるんですよ! あのリャンハさんが父ちゃん!!!
あまりに意外すぎて、あのシーン、「とーちゃん」がリャンハさんを指してるってことに気づかないぐらいでした。リャンハさんが子ども達に語って聞かせてる話が「ニーナのとーちゃんの話」なのかと…それも辻褄おかしいから「ん?」と思って、「あー、リャンハさんのことか!」って。

立派になって、リャンハさん、うう(感涙)。

雨の中、リャンハさんがニーナの頭を安心させるようにポンってするところも尊いし、ワグナーさんに「心残りは?」って尋ねるところも「同業のよしみ」というか、こう、「わかってる」感じでねぇ。
問われてワグナーさんが直接的にニーナの名前を出したりしないところもほんと、Fe先生うまい。

シャトーちゃんとリャンハさん、こんなにラブラブなのに「好き」とか「愛してる」なんて言葉一切出てこないのが最高なんですよね。いちいち石化したり、「余談」部分で虚無の顔になってるシャトーちゃんが実際のところリャンハさんに対して恋愛感情を持ってるのかどうか、まぁ謎なんだけど。

自覚がないだけ、そんなふうに考えたことがなさすぎるだけ……なのかどうなのか。いきなり「家族なんだから」と言ったり、指切りげんまんさせたり、無自覚だからこその態度なんだろうけど、無自覚だからこそ言われる方はたまらんよなぁ、一生ついてっちゃうよなぁ、って感じで。

Fe先生のセンス、好きすぎる。

シャトーちゃんにほっぺたぎゅいーんってされるのに馴れすぎて、自分からほっぺを差し出すリャンハさん。途中、ニッカさんも「俺は何を見せられてるんだ」って言ってるけど、あのリャンハさんのこんな姿、ホーさんあたりが見たらほんとにどんな顔するのか、うぷぷ。

本編登場時にはだいぶ「キレた」キャラだったのに、ニッカさんすっかり「できた人」になってて、特別折り込みチラシでも人間関係の機微をわかりすぎててびっくりしちゃう。ドニーに拾われる前も、拾われたあとも、人と普通に友だち付き合いするような人生送ってこなかっただろうに、一体どこで学んだんだろ。ドニーのあの組織で、めちゃめちゃ人間観察してたのかな。

紙版には「特別折り込みチラシ」、そして電子版にはまた別のおまけマンガが付いているという豪華さ。ありがとうございますありがとうございます。

隅から隅までほんとに良すぎて、全ページについてコメントしたくなっちゃうけど、キリがないのであと一つだけ。
シャトーちゃんがリャンハさんのことをダンクワースママにどう説明しているのか、すごく気になる! シャトーちゃんのことだから割と真っ正直に「私が更正&監督を任されたので」って言ってる気がしないでもないけど、年頃の女の子が恋人でもない男性と一つ屋根の下に住むって、母親的には心配よね。
まぁダンクワースママ的には「あのシャトーが信頼できない相手と一緒に暮らすわけがないもの」って感じなのかな。普通に「はいはい、恋人なのね」って思ってるのかも…。
もしダンクワースパパが生きてたらリャンハさんとバチバチになりそうだし、リャンハさんの「お嬢さんをください!」シーンも見てみたかった。もしパパさん生きてたら、「あの時のガキか…」が先に来るんだろうけどなぁ。

ニーナを見るママさんの眼差し、シャトーちゃんが家にやってきた頃のことを思い出してるんだろうな、って思うし、ママさんの後ろにさりげなくシャトーちゃんが幼い頃の写真(ブランコで遊んでいる写真)が飾ってあるのも素敵。
言葉よりも絵で語るFe先生の手腕、すごいなぁ、好きだぁぁ。

これでいよいよおしまいなの寂しいけど、でも本当に最高の「その後」でした。Fe先生、『殺し愛』という作品を描いてくださって、リャンハさんをこの世に生み出してくださって、本当にありがとうございました!

(※Fe先生のFANBOX記事「殺し愛After the File、お付き合い頂きありがとうございました~!!によると、まだまだ『殺し愛』イラストはもりもり描いていただけるもよう。この先の予定は未定だそうですが、新作も楽しみにしています!)