(※『ベルサイユのばら50~半世紀の軌跡~』公式サイトはこちら
(※以下、記憶違いも多々あるかと思いますがご容赦を)

『ベルサイユのばら45』を観てからもう5年経ったんですねぇ。早っ!
今回も我が青春のトップスター、永遠の白薔薇の君、シメさん(紫苑ゆう)が出演なさるということで、梅田芸術劇場まで行ってまいりました。
5月15日水曜日の12時公演、シメさんはもちろんネッシーさん(日向薫)マリコさん(麻路さき)というあの頃星組三兄弟にプラス、カナメさん(涼風真世)ヤンさん(安寿ミラ)という大好きなお二方もご出演という私得な回。

ああ、尊い。



幕開きはもちろんあの鐘の音。ミラーボールがキラキラして、始まる小公女たちの「ごらんなさい♪ごらんなさい♪ベルサイユのばぁぁら♪」 これがなければ『ベルばら』の幕は上がりません。

プロローグ、最初はアンドレ風衣装の男役3人――だった気がする。緒月さん、彩凪さん、愛月さん。フェルゼンとアントワネット、オスカルの歌……もあったような? あれ????? ともあれプロローグは緒月さんたちお三方が颯爽と美しかったです。

そしてMC、未沙のえるさんが登場。もともとは汝鳥伶さんがご出演のはずでしたが、体調不良により全公演休演。汝鳥さん、お年がお年だけに具合がとても心配です。
私にとって未沙さんは花組組長さんのイメージが強いのですが、初演の『ベルばら』に出ておられ、その後27年を経て宙組公演で初めて『ベルばら』で役をいただいた、と。
え、そうなの!? ナツメさんの『フェルゼン』編には出てなかったのか…。
(ググると1991年の地方公演『フェルゼン編』でグスタフ3世をやってらっしゃるそうだけど、1990年の大劇場版の時はまだ月組でいらした。月組時代もけっこう観ているのにすっかり「未沙さん=花組」の印象が)

で、まず昭和の『ベルばら』の映像。
榛名由梨さんのオスカル、榛名さんアンドレ&安奈淳オスカル、汀夏子オスカル&麻美れいアンドレ、そして鳳蘭フェルゼン&初風諄アントワネット。映像提供はすべてNHKになっていた気がする。当時の映像、歌劇団は持っていないんですよねぇ。平成でさえ実況ビデオは出てないんだものなぁ。
この映像紹介、けっこう長くて、体感15分ぐらいあったような。貴重な映像ではあるけど、せっかく劇場に足を運んでいるんだから、映像よりも生の歌やトーク、お芝居を1分でも長く観たい。

やっと「昭和レジェンドの皆さんの登場です!」になって、トップバッターはターコさん(麻美れい)の『心のひとオスカル』。ブロンドの髪ひるがえし~♪
黒燕尾っぽいお衣装で格好良かったけど、歌は少し怪しかったような……。めちゃめちゃタメて歌わはるので、バックの演奏も合わせるの大変だなとちょっとヒヤヒヤしてしまった。
ターコさん、宝塚現役時代の舞台は観ていないのだけど、退団後の『グリークス』や『オイディプス王』では圧巻のお芝居と存在感にうならされたのですよね。もうあれも20年前なので、お年を召すのは当たり前なのだけど(74歳)、ちょっとショックでした。

続いて安奈淳さん。こういう時も必ず下級生順の出番というのが宝塚。
安奈さんは『愛の巡礼』。安奈さんも今年77歳、大病を経験されたとは思えない、見事な歌声でした。

そして鳳蘭さん。これまでにも何度かOG公演で拝見していますが、鳳さんもいつまで経っても本当にピシッとして、出てきただけで空気が変わるオーラ。歌はもちろんフェルゼンの歌『駆けろペガサスの如く』。「王妃様、このフェルゼンすぐに参ります。どうか、どうかそれまで生きていてください!」の台詞付き。
年の話ばっかりしてごめんなさいだけど、鳳さんは78歳。78でこの堂々たる歌いっぷり、本当にすごい。

トリは初代オスカル、榛名由梨さん。淡いグリーンのキラキラ宝塚衣装でご登場。だいぶ横方向に貫禄が出てらっしゃるけど、歌声はお変わりなく、素敵な『白ばらの人』。初代オスカルだけど、アンドレの歌ですよね。色んな人が出てるから歌の割り振りが大変。
榛名さんもあと数か月で79歳。よくこれだけ声が出るなぁ、と感服。

続けてレジェンド4人でのトーク。向かって左からターコさん、鳳さん、榛名さん、安奈さんの並び。安奈さんが一番右に来る時にちょっとわちゃわちゃしてらしたのが面白かった。初日は植田先生もトークに参加され、椅子が出ていたらしく、カーテン前で立ってトークするのは「初めてやからね」ということらしい。
トークの仕切りも最上級生の榛名さんだったけど、喋りもしっかりしてはるし、やわらかい関西弁が和む~。今回出演なさっていないジュンコさん(汀夏子)のお話をしてくださいました。
「声はめっちゃ元気なのになんで出ーへんの、と訊いたら“足腰ボロボロで”と。私と一緒やん、て。ファンの人にみっともない姿見せられへんって、ジュンちゃんらしいなと思いました」といった内容。(※このお話、記事になっています→毎日新聞サイト

ジュンコさん、退団後も本当にバリバリキザな「ザ・男役!」な歌やダンスを見せてくださってて、ジュンコさんが出てくるだけでもうそこは宝塚大劇場!って感じだったんですよね。「それを見せられないなら出ない」っていうの、残念だけどすごく格好いいなぁと。

年寄りなので何度も同じ話をしますが、昔、昭和のベルばらを観に行く時、私はジュンコさんのオスカルを観たかったんですよね。たぶんテレビでターコさんとのオスカル&アンドレ編を観ていて、ジュンコさんのオスカルに憧れてたんだと思います。当時はネットもないし、まだ小学校低学年だし、テレビでたまたま見たジェンヌさんしか知らなかったですし。
4人のオスカルが役代わりで出演する『ベルサイユのばらⅢ』、父が取ってくれたチケットは順みつきさんオスカルの公演でした。

その後ジュンコさんの舞台を生で観る機会がないままン十年が過ぎ、『ベルばら45』の時に初めて生で拝見して――。
子どもの頃、『ばらよ美しく咲け~宝塚スター物語~』っていう漫画を持ってて、ジュンコさんが長かった髪をばっさり切って男役を目指した話が載ってたの、すごく印象に残ってます。榛名さん、鳳さん、汀さん、安奈さん4人を描いた漫画、どうして捨ててしまったんだ……。(※中古本、まだ入手可能なもよう→中古書店のページ

話が飛びました。

そのジュンコさんとの思い出をターコさんも語ってくださいました。オスカル&アンドレ編最後の「天国」の場面。ガラスの馬車で「オスカール!」とアンドレが迎えに来るとこ、ある日ジュンコオスカルがなかなか現れず、「?」と思っていたら、大量のスモークでできた水たまりに足を取られて出てこられなかったとかで。
あとからジュンコさんに「なんで迎えにきーひんねん!」とめちゃくちゃ怒られたんだそう。「この大阪弁合ってる?」と榛名さんに確認するターコさんが面白かった。

安奈さんはオスカルやる時に「全然役作りしなかった。素でやってた」「アンドレ(榛名さん)の包容力に任せてた」みたいなお話を。素でオスカルできるってすごくない??? 男装の麗人オスカル、男役さんにとっては他の公演でも毎日がオスカルみたいなものかもしれないけど。

最後に四人で『愛あればこそ』を歌って昭和レジェンドコーナー終了。

続いて平成レジェンド、我が青春の宝塚コーナーです! 待ってましたっ!!!

トップバッターはわたる君(湖月わたる)。淡いブルーの入った白い王子様衣装で『アン・ドゥ・トロワ』。フェルゼンの曲…ですよね? 2006年星組版。わたる君のフェルゼン、私見てないんですよねぇぇ。なんで観に行かなかったんだよ、俺。トウコちゃん(安蘭けい)がオスカルやったりもしてたのに。
ともあれ本当にいつ見てもわたる君、綺麗、格好いい。今でも普通に宝塚大劇場でトップの羽根背負ってておかしくない変わらなさ。

2番手はマリコさん(麻路さき)『ばらのスーベニール』。人には別れがあるように~♪ お馴染みの曲、これ好きなのよねぇ。マリコさんは昨年の峰ちゃん追悼コンサート以来……って、わたる君からネッシーさんまでの輝ける星組メンバー、皆さんそうだったわ(^^;)

3番手、一路さん(一路真輝)はお久しぶり。もしかしたら退団後、生で拝見するのは初めてかも。歌は『人は皆幸せに』

そして。
一路さんが花道に引っ込むのと同時に後ろの大階段(というほどでもない)にカナメさん(涼風真世)がスタンバイ。スポットライトが当たる前に息を整えられる様子がうかがえ、前奏とともにパッとライトがあたり、カナメさんオスカル登場!!!!!
ブロンド巻き毛に白のフリル付き衣装、「今宵一夜」場面的な!!! きゃあああああああああ、カナメさぁぁぁぁぁぁん!!!!!(うるさい)
曲はもちろん『我が名はオスカル』。もう最初の「あー」だけで泣ける。カナメさんの歌声たまらん、最高、全然変わらない!!!
見た目も変わらないのよぉ、ブロンドの鬘で登場されるともうほんとにオスカルなのよぉぉぉ、うぉあぁぁぁぁぁ。
何度も言ってますが、「宝塚のオスカル」として一番好きなのがカナメさんオスカルなので、曲の間マジでずっと泣いてました。ああ、尊い。

さらに続けてヤンさん(安寿ミラ)! またヤンさんがシュッとして格好いいんだ!! 白のブラウスに黒のワイドパンツ。腰がキュッとして細いぃぃ。歌は『ばらベルサイユ』。ヤンさんの少しビブラートかかった歌声も好き。

そしていよいよシメさん(紫苑ゆう)!!! 淡い紫の王子様衣装!!!!! ぎゃぁぁぁ、シメさん素敵ぃぃぃぃぃぃ!!!!!
本当にスタイルも変わらないし、目線、表情、色気、これぞ男役、これこそ男役。退団されて何十年経っても変わらないその麗しさ、たたずまい。はぁぁぁぁぁ、好き。
歌は『結ばれぬ愛』。……あまり聞き覚えがない曲だったんだけど、これフェルゼンの歌だよね??? 雪組『アンドレとオスカル編』にフェルゼン特出した時に歌ってはったっけ……もう記憶が……。(※やはり1989年雪組版、同期のニナちゃんアントワネット様に向けて歌った歌ですね→宝塚レビューミュージック
できればオスカルの歌を歌ってほしかったけど、他の出演者との兼ね合いもあるので仕方ない。

トリはネッシーさん(日向薫)。フェルゼンの歌『男の旅立ち』を披露。ネッシーさんもほんと変わらないなぁ。パッと明るい雰囲気で。

その後7人でのトーク。7人もいるので駆け足! 一人ずつ自己紹介してたらそれだけで時間過ぎちゃう。最後未沙さんが舞台袖から「そろそろ終わってください」と出てきて、「えー、もう10分経った!?」みたいな。
いや、10分て短すぎるやん。だから最初の映像を削ってトーク時間を増やせと……。

ともあれ下級生順、わたる君から「○○の公演でフェルゼンをやりました!」という感じで、「ベルばら出演歴」を自己紹介。わたる君、初舞台が1989年『ディガ・ディガ・ドゥ』で、ちょうど平成再演『ベルばら』が始まった年なんですよねぇ。「その私が今日こうして皆さんの中に混じらせてもらって本当に光栄です」――というようなことをおっしゃってました。

続いてマリコさん。マリコさんはまず雪組特出でフェルゼン、星組でアンドレ。星組版では新公でフェルゼンも。……アンドレを本公演でずーっとやりながら新公でフェルゼンやるって無茶苦茶ですよね。ターコさんも研6ぐらいでアンドレに抜擢されててびっくりするけど、役代わりで4人のオスカルを相手にするアンドレ。お稽古大変で、「アンドレが死ぬあの場面、連続でやるもんじゃないです」。いや、本当によくもまぁ。

そして一路さん。一路さんは平成再演オスカルのトップバッター。そしてオスカルしかやっていない。なので自己紹介一巡したあとで一路さん、「でもカナメさんもそうでしょ!?」と。うん、そうね、カナメさんはオスカルしか考えられないもの!!!

そのカナメさんは「1989年星組『フェルゼンとマリー・アントワネット編』でオスカル、1990年花組『フェルゼン編』でオスカル、1991年『オスカル編』でオスカルを務めました、昔妖精、今妖怪、涼風真世です!」みたいに出演年まできっちりと。
(※「昔妖精、今妖怪」ってOG公演では定番的におっしゃるけど、今も妖精さんだよぉぉぉ)
「修学旅行で初演を観て、地方公演の『オスカルとアンドレ編』を観て、宝塚に入ってまさか自分がオスカルをやることになるとは。そして今日、こうしてオスカルの歌を歌えて、三重(さんじゅう)の奇跡だと思ってます」。本当に本当に、またカナメさんの『我が名はオスカル』を生で聞くことができて感涙です。ありがとうございます。
自己紹介一巡のあと、「何か言っておきたいことは?」とネッシーさんに振られて、「はい!はい!」と手を挙げ、その「はい」が「可愛い声になっちゃった」とw そして「あの時舞台でつけていたオスカルのブローチを今日も着けてます!」 おおおおお、カナメさんのオスカル愛が嬉しい。

ネッシーさんが「形状記憶」云々と言ってらしたけど、ブロンド鬘でああいう衣装で立ってらっしゃると本当に30年間オスカルの形状が変わらず記憶されててすごい。

で、ヤンさん。ヤンさんはいつもながらあっさり~。淡々としておいでになる(そこもまた好き)。一路さんの「オスカルしかやってない」話の時に、「あ、ヨーゼフやりました」。そうそう、花組版で自分がオスカルじゃない時はヨーゼフだったよね、アントワネットのお兄さんだっけ。

そしてシメさん! きゃー、シメさーん! シメさんもまず雪組特出でフェルゼン、そして星組東京と花組特出でオスカル。星組大劇場でオスカルをやってほしかったのに、ニューヨーク公演で抜けてらして……。「メンバーごっそり取られてねぇ」とネッシーさんと言い合い、そこへヤンさんが「ニューヨーク行ってたのにオスカル出させていただきました」と。そーか、そうだったんだ。
シメさんは星組東京でオスカルやって、新幹線で戻って2日後には花組のオスカルをやった、とかで、本当に皆さんとんでもないスケジュール。ありがとうございますありがとうございます。
花組版シメさんオスカル、観てないような気がしてたけど、そういえばフィナーレのナツメさんとのデュエットダンスは記憶がある……でも本編の記憶が……ううう。

最後ネッシーさんは「そうそう、ニューヨーク公演に星組生取られて、役代わりの練習が大変で」とそのまま話し続けてしまい、「自己紹介してないよ!」「名乗ってないよ!!」みたいな。ふふふふ。
4人のオスカルとのデュエットダンス(ボレロ)の練習、「ぶんまわしました」と身振りをなさって、そこへすかさずシメさんが「最後が私でねぇ、体固くて反れなくて、その節はご迷惑を」みたいなツッコミ。

もっともっとトーク聞きたかったけど、前述のとおり未沙さんが出てきて「では皆さんで『愛あればこそ』を。客席もご一緒に」と。愛~それは~~甘く~~~♪
短い時間だったけど、ネッシーさん以下この「我が青春の宝塚」メンバーが並んでお話してくれるの楽しかった。ああ、二度と戻ることのない私の青春よ!!!


ここで第一部終了かな、と思ったら引き続き「ダイジェストシーン」が始まったのですが、長くなったので続きは別記事で。(※続きはこちら


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