(※前半「ソング&トーク」コーナーの感想はこちら。引き続き記憶違い多々あると思いますがご容赦を) 

(※今回の公演プログラム。2,000円もしたけど思いきって買いました。次、「60」の時に観られるかどうかわからないし)

はい、続きです。昭和&平成レジェンドによるトーク&ソングコーナーのあと、21世紀スターさんによる名場面ダイジェスト
また小公女たちの「ご覧なさい♪」から始まったような? そして凰稀かなめオスカルと緒月遠麻アンドレが登場、凰稀さんが『我が名はオスカル』を歌って、緒月さんはえーっと、どの曲を歌われたんだったかな。さっきカナメさんの『我が名は~』を聞いたばかりなので、ちょっと微妙。ビジュアルは在団時と変わらず美しいオスカルで素敵なんだけど、凰稀さん少し歌が弱い。
タカコさん(和央ようか)フェルゼンとユリちゃん(星奈優里)アントワネットも登場、それぞれの歌を披露してプロローグ終了。

次、いきなり衛兵隊の場面だったかな。オスカルが初めて衛兵隊に着任して、「女なんかの命令が聞けるか!」「こんな美人の隊長さんなら大歓迎だけどな」などと荒くれ兵士たちの洗礼を受けるやつ。
アラン役は彩凪翔さん。彩凪さん、2013年雪組版でアランをやってらっしゃったのよね。観てなくて知らなかった。彩凪さんの色悪な雰囲気がアランにめちゃくちゃ合ってて良い♪

ジェローデル役は愛月ひかるさん。愛月さん、背も高く、正統派宝塚スターな感じで口舌もよく、格好良かった。

衛兵隊のあと、もう「今宵一夜」の場面??? 「星がきれいだ」から「私はアンドレ・グランディエの妻と呼ばれたいのです」「千の誓いがいるか、万の誓いが欲しいか、命をかけた言葉を、もう一度言えというのか」――。冷静に思い出すとこっぱずかしい場面だけど、台詞はほぼ原作どおり、宝塚だからこそ生身でできるラブシーン。
凰稀オスカル、全体に可愛いめの雰囲気で、このシーンのアンドレに甘えるような声音も可愛かったし、さっきの衛兵隊の場面でお尻触られて「キャッ!」ってなるところも「凛々しく生きてはいても一人の女性」という感じがした。

そして緒月アンドレは控えめでありながら情熱を秘め、優しくオスカルに寄り添う。緒月さんめっちゃアンドレに合ってると思う、好き。
5年前、『45』の時も緒月アンドレを観た気がしていたのだけど、あの時は緒月さんはアランで、私が緒月アンドレを観るのは2014年宙組の『オスカル編』以来。あー、そーかー、凰稀オスカルと緒月アンドレ、10年ぶりに拝見するコンビだったのだわ。

なんか、凰稀オスカル初めて見るような気がしてた……脳味噌の劣化が激しい。

「今宵一夜」のあと、ブイエ将軍とやりあって、「女にだって主張を述べる権利はある!」「私はたった今から、女伯爵の称号と、私に与えられた伯爵領のすべてを捨てよう!」と啖呵を切る場面。時節柄、ちょっと『虎に翼』を思い出したりしちゃいました。18世紀フランスで貴族の女性が軍人やってるとかフィクションにすぎるけど、「男社会と女の軋轢」って21世紀になってもまだまだ解消してないものなぁ。

もともとブイエ将軍は汝鳥さんがやる予定だったけど、汝鳥さん休演で、たぶん光月るうさんだったと思う。元月組組長さん。キャスト表にブイエ将軍載ってなくて、もしかしたら別の方だったかもしれないけど、口舌よく迫力あるブイエ将軍だった。

そしてパリでの戦闘、欄干の上でアンドレが撃たれてからのバスティーユ。
アンドレの方に駆けよろうとするオスカルを必死で押さえるのはジェローデルだった気がする(ベルナールバージョンの方が馴染みがある)。
「私のアンドレ!」
何度も見て全部わかってるけど、やっぱりグッと来るよねぇ。凰稀さんも緒月さんも熱演で、一緒に観劇した母が「やっぱりあそこ泣いちゃった」と。
凰稀オスカル、可愛いめの雰囲気ながら、「シトワイヤン、行こうーーー!」のところはしっかりドスが効いて熱く格好良く

もうほんとに何度も見てるので、アンドレの死から一転するところ、脳内で音楽が鳴るのと実際に演奏が入るのが一緒で「おおおお」と高まるし、バスティーユのあの戦闘ダンスも脳内で一緒に踊ってるし、目の前の凰稀オスカルを見ながらも懐かしの色んな『ベルばら』がかぶってくる。
「バスティーユに白旗が~~~~~!」 彩凪アランの少し溜めた言い方も良かったなぁ。
ロザリーとベルナールの役を誰がやってるのか、これもキャスト表がなかったんだけど、お二人とも巧かった。

そして。
天国。
「オスカール!オスカール」と呼ぶ声。
さすがにガラスの馬車は来なかったけど、迎えにきてくれるアンドレ。笑顔でアンドレのもとに行くオスカル。
10年前の宙組大劇場公演では最後アンドレ出てこなかったんですよね。オスカル様一人で昇天しちゃって、「ええ?なんで???」と思っていたので、今回緒月アンドレがしっかり迎えに来てくれたの嬉しかった。寄り添う2人で幕、第一部終了。



ついつい10年前のプログラム引っ張り出してきてしまいました。うん、10年経ってもほとんど変わってない、お二人ともこのまま麗しいオスカルとアンドレだった。
今回ジェローデルだった愛月さんは衛兵隊士の一人。

そして今をときめく七海ひろきさんがジェローデルとアランの二役やってたのよねぇ。うわぁ、なんか可愛い。

私が観た時はアランをやっていたはずなのに、全然覚えてない……。当時の感想記事にも書いてないし、なんでスルーしてるんや俺。
しかしたまに昔のプログラム見返すと面白いですね。この人がまだこんな下級生!みたいなの。

話が逸れました。
オスカル様が無事天国でアンドレと再会したところで幕。『ベルサイユのばら50』第一部終了です。予定では第一部「110分」って書いてあったけど、たぶん「120分」ぐらいありました。12時開演で、14時頃まであったんじゃないかな。どうしてもトーク盛り上がりますしね~(あれでも全然物足りなかったけど)。

休憩20分はいつも通りトイレに行列しているだけで終わり、第2部。フェルゼンとアントワネットのパートです。
タカコさんフェルゼンにユリちゃんアントワネットのコンビは『45』の時にも観たので「違う組み合わせも観たかったなぁ」なのですが、ユリちゃんのカペー未亡人、今回もとても良かったです。そしてベルナールとロザリーも良かったのに、キャスト表がなくてどなただったのかわからない…。

王妃として、そして王太子たちの母として、決然と断頭台にのぼっていくアントワネット様。何度観てもフェルゼンがどうでもいい。ダメ男に見えてしまう。命がけで愛する人を助けようとしてくれているんだけど――そしてフェルゼンが来たからこそ、アントワネット様のあの決意も聞かせてもらえるんだけども。

そして、フィナーレ。
ここがまた!!!
いきなり彩凪さんと愛月さん、男役同士の絡みでね~~~。「絡み」ったって別にデュエットダンスじゃないんだけど、青い軍服(たぶん)で時々腰に手を回したりして寄り添ってるのが麗しい~~~。好き。

続いてシメさん登場! フィナーレでは白のお衣装、ああ、お美しい。歌は『愛の柩』。ソング&トークコーナーの『結ばれぬ愛』同様、知ってるような知らないような曲だったんだけど、往年の星組実況CD引っ張り出してきたらマリコさんが歌ってる曲で。マリコさんの声で聞くと「あー、これか!知ってる知ってる!」ってなりました。シメさんのお声では聴き馴染みがなかった。
歌だけでなく少しダンスもあって、娘役さんに投げるまなざし、笑顔がねぇ、たまらないのよ、シメさん♡ 最後、キリッと締めるところはほんとに色っぽくて格好いいし。はぁぁ、大好き。

シメさんの次は龍真咲さんによる『パリ・ジュテーム』。私が観た回、龍さんはこのフィナーレナンバーだけで、ちょっと寂しかったですね。ブロンド鬘でオスカル風だった気がする。

で。
大大大好きな『小雨降る径』をヤンさんが! 歌付きで!!!
ヤンさんのダンスほんと格好いい。眼福眼福。

続いて凰稀さんと男役陣の『薔薇のタンゴ』。ベルばらフィナーレと言えば薔薇タン、薔薇タンと言えばベルばらフィナーレ、というぐらい欠かせないパートですが、凰稀さんの薔薇タンはブロンド巻き毛オスカルのまま踊るんですよねぇ。すごく斬新な感じがある。

そしてこれも欠かせない『ボレロ』。わたる君&ユリちゃんバージョン。わたる君ほんと普通に大劇場に立てる格好良さだし、ユリちゃんも変わらぬ美しい身のこなし。

ここで少し雰囲気が変わって、『オマージュ』
黒い衣装のカナメさんが登場し、追悼コーナー。
『ベルばら』に携わってくださったスタッフ及びスターさんの中にはすでに鬼籍に入られた方も多く。何しろ五十年ですからねぇ。初演の演出をされた長谷川一夫さん、ベルばら以外にも数々の名曲を手がけられた寺田瀧雄先生、振付の喜多弘先生、私が初めて見たベルばらでオスカルだった順みつきさん、そしてあまりにも早すぎる逝去だったナツメさん(大浦みずき)……。

2000何年だかの『ベルばら』の時に羽山紀代美先生が「オマージュ」の場面を作られたそうなのだけど、その羽山先生も亡くなられ……。
羽山先生のお話のところでカナメさんがだいぶ感極まってる感じに見えました。涙をこらえているように。
亡くなられた方々に捧げる曲として、カナメさんが『宝塚我が心の故郷』を熱唱。あああああ、カナメさんのお歌やっぱり素晴らしい!!!!!!! ボロボロ泣いてしまった。バックにはナツメさんたちのお写真が次々映し出されているし、うぉぉん。

そのあとタカコさんが「オマージュ」ダンサーとして踊られたんだけど、何も覚えていない……ごめん……。

最後はもちろんパレード。エトワールの娘役さんも見事な歌唱だったけど、どなたかわからない。当日のキャスト表にもプログラムにも載ってない。
昭和、平成のレジェンドスターさんたちが勢揃いしての華やかなグランドフィナーレ。あっちもこっちも見たくて忙しい。

カーテンコールは2回。榛名さんが生演奏のバンドの皆さんを紹介し(といっても姿は見えない)、観客への感謝の言葉を述べられ、幕。
オマージュの時の衣装に赤いジャケットを羽織ったカナメさん、にこやかにしていたのがチャチャチャチャ~♪と音が鳴ったとたんピシッとなって腕を振られるのが素敵だった。

他のスターさんももちろん良かったけど、とりわけカナメさんのお歌に心を揺さぶられた『ベルサイユのばら50』でした。あの『宝塚我が心の故郷』、音源が欲しい。

「もうベルばらはええわ」と言っていた母も、「やっぱり今度の雪組さん観とうなった」と。うん、チケット、取れるかなぁ……。
今回の公演の中でもちらちら雪組公演の宣伝があったんだけど、「ぜひご覧ください」と言われてもチケットががが。昔よりも一公演の期間が短いしねぇ。平成『ベルばら』は役代わりもけっこう見たけど、よくチケット取れてたよね。前日から並んだり、始発で当日券買って観たり……若くて近所に住んでたからこその芸当。

はぁ。

我が青春の宝塚――もう二度とあの頃の舞台を生で観ることはできないけど、でもレジェンドの皆さんが変わらず素敵で、楽しかったです。ありがとうございました。


【関連記事】
『ベルサイユのばら50』観てきました!~平成レジェンド最高!~
『ベルサイユのばら45』観てきました!~我が青春の星組~
続『ベルサイユのばら45』~初風さんとかユリちゃんとか~