子どものスイミングや体操クラブの時間は、私にとってはゆっくり本が読める貴重な時間。
夕べも子どもががんばって鉄棒やらマット運動やらしている間に、『罪と罰』下巻を夢中で読んでいたのだけれど。

仲良しのママ友がいないスイミングと違って体操クラブの方はお友達がいるので、本を読みながらも会話しないわけにはいかない。

世の中の人は、相手が本を読んでいても話しかけるのですね。私は最初、そのことにとってもびっくりしたのです。
まぁ私だって、子どもが本読んでても話しかけたりしますけど、それは「ご飯できたよ」とか、「こっち片付けてから本読め」とか、「宿題を先にやりなさい」とかいう、「お小言」だったり「生活上話しかけないわけにはいかない」ということがほとんどなわけで、たとえば電車で友達に出会ったとしても、相手が本を読んでいたら「おはよう」と挨拶するだけで後はそっとしておくだろう(というか、自分も本を読むに違いない)と思います。

実際に、そんなシチュエーションになったことはないけど。

体操クラブの時は、もう座る場所が決まっていて、仲の良い人たちが固まって座を占めているので、私が本を読んでいても隣にいる友達が普通に話しかけてきます。
本の中身がすごくいいとこだったりすると、正直「ちっ!」と思うわけで、でもそこで嫌な顔をするわけにいかないのが辛いところ。
ラスコーリニコフがいよいよソーニャに「殺人」のことを打ち明けようとするところで「もうすぐプール開きだけど水着のサイズがどうこう」などという話をされると、なんとも興ざめです。
現実に引き戻さないでくれよ〜〜〜〜〜。

そんなところで『罪と罰』を読んでいる私が悪いのでしょうか。
でもちょっとでも早く続きが読みたいし、昼間はなかなか細切れの時間しか取れなくって、歯を磨きながらだって読もうという活字中毒人間にとっては、まとまって1時間半も時間があったら、読まずにはいられません。

日常的に本を読むという習慣のない人にとっては、単に「時間つぶし」のために本を手にしている、ぐらいにしか思わないのでしょうね、きっと。
長い長い耳鼻科や皮膚科の待ち時間でも、本を読んでいる人なんてそんなに見かけないし。

もちろん私だって、学校のこととか色々話したい時はあって、何人か並んで座ってる中で、まったく私には誰も話しかけてくれないっていうのもちょっとどうなのだ、という気もするので、もしかしたら向こうは気を遣って時々こっちに話を振ってくれているのかもしれない。
しかしうっとうしい。
私は本が読みたい。

体操クラブは毎週あって、毎週顔を合わせているわけで、よくそんなに子どものことだけでしゃべることがあるもんだなぁ、と正直感心してしまう。
まぁ一人っ子のうちと違って子どもが2人なら話題も2倍、3人なら3倍になるのかもしれないけれど。
でも大抵は、それこそ「暇つぶし」の話題で、どうでもいいというか、読書を中断させてまで話したいことなの?という内容で……ああ、こういうことを言っちゃいけないんでしょうけどねぇ。

言わないよ、もちろん。
blogだから言えるのであって、話しかけられたらちゃんと答えます。それぐらいの分別は持ち合わせているから。

先月学校で遠足があって、うちの子は友達の誘いを断り、一人でお弁当を食べたそうな。
曰く、「一人の方が気楽」。
……なんか、わかるな、その気持ち(笑)。
家庭訪問の時先生が、「どうしようかと思いましたよ」と言ってました。いえいえ、どうぞほっといてください(爆)。
「みんなと仲良くしなきゃいけない」っていうのも、ある意味プレッシャーなわけで。
必要な時にちゃんとコミュニケーションが取れれば、そういつもいつも群れて騒いでる必要なんかないのに、一人で隅で本を読んでいたりすると「暗い」と言われたりして。

実は息子、今日も野外活動でお弁当持ち。
「やっぱり一人で食べるの?」と訊いたら、「もちろん!」とのお答え。
頼もしい(笑)。