今日は日本中の主要な漁業団体が一斉休漁している日です。
「ほぼ全魚種の供給が止まる」らしいけど、スーパーの魚の棚がスカスカってことはたぶんないのでしょう。
今日水揚げしたものが今日すぐ店頭に並ぶというわけでもないし。
そもそもスーパーの魚売り場に並んでいる魚のどれだけが国産だ?という話もあります。
この間、サンマの話でも書いたけれど、「一斉休漁」はこのところの原油の高騰で、燃料費がはね上がり、「操業すればするほど赤字」「このままでは多くの漁師が廃業に追い込まれる」という窮状を訴えるためのもの。
言ってみれば、漁師さんのストライキなんだけれども。
このストライキに応えるのは誰なんだろう?
誰に、窮状を訴えるんだろう?
普通のストライキの場合、訴えられるのは「雇用主」「経営者」で、そのストライキに応えるというのは、まぁ「給料を上げる」ということとイコールなんだけれども、漁師さんというのは個人事業主で、彼らを雇って給料を払っている「雇用主」というのがいるわけではない。
漁師さんの魚を最終的に買って口にするのは私たち消費者――一般市民。
だから、漁師さんに「お給料」を払っているのは私たちだ、ということにもなる。
私は獣肉類がダメで、魚で生きている人間なので、「多少の値上げなら我慢しますから、漁師さんがんばってください」と思うんだけど、私一人が思ってもしょうがないというか、たとえば「消費者団体」みたいなものが「お魚にもうちょっとお金を払います」ということを宣言したからって、スーパーに並ぶ魚の小売価格が上がるのかどうかはよくわからない。
スーパーの価格を決める権限は私にはないし、スーパーと漁師さんの間の、「仲買」の部分の値段を決める権限も、もちろんない。
「このままじゃ日本の漁業が絶滅するから、値上げしよう」なんて、思ってくれないよね、スーパーの人も、仲買人も。
生協とかだと、「産直」で直接漁業組合なんかと値段交渉して買い付けてたりするのかな。「食の安全」と「自給率」のために多少の値上げは受け入れます……ということになるだろうか。
値上げすると、ホントにみんな魚を買わなくなっちゃうのかなぁ。
基本的に魚しか食べられない私としては、高くなったって買わなきゃしょうがないし、「輸入なんかいつストップするかわかんないぞ。漁業が破綻してからじゃ遅いぞ」って思うけど。
まぁ、原因が「原油の高騰」という、国際的なものでもあり、「ストライキ」の直接の相手はやっぱり「政府」なんだろうけど……。
「政府」が何かやってくれるとは、あんまり思えないよねぇ。
「原油高騰」自体に対しては、日本だけじゃなく、他の国もたぶん、どうしようもない。「政治」はもう「金融」に勝てないっていうか、「だって自由経済なんだから何に投資しようが勝手でしょ」という人を止める術がどこにもない。
(原油に投資してももうからない、ということになれば止まるんだろうけど……非常に難しいよなぁ)
原油高で苦しんでるのは何も「農業」や「漁業」だけじゃないから、そこだけに特別お金は使えませんよ、というふうに、政府としては言うのかもしれない。それでなくても会計厳しいんだし。
でもなぁ。「農業」や「漁業」を保護するのは、国益だと思うんだけどなぁ。
原油が上がれば、輸送のコストや冷凍代も上がって、輸入品だって値上がりしてしかるべきだし、よその国も「食べ物を輸出してる場合じゃない」っていう時代に、早晩なるような気がするんだけど。
少なくとも、そうそう日本ばかりが世界の食糧を買っていられないよ。
今でも魚の買い付けに負けるようになってるらしいんだもの。
とりあえず今日の晩ご飯は生協で買った「あじのひと塩干し」にする予定なんだけど……あ。
……ノルウェー産だった……。
ごめんなさい。
社会・政治
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