『Thunderbolt Fantasy』を見ていて、「『ベルサイユのばら』が舞台化された時もファンは「ここが端折られてる!」「ここの演出すごい!」「再現度!!!」ってwktkしてたんだろうなぁ」とふと思いました。

昭和の『ベルばら』、私も見ているものの、すでにン十年の月日が経ち、当時まだ10歳にもなっていなかった(たぶん7歳ぐらい)自分の心情を細かく思い出すことはとても無理。

私が観劇したのは初演ではなくすでに大当たりを取った後でもありましたし。
実際に大劇場で見る前にすでにテレビで初演だか再演だかを見ていたような気もします。

第一部でオスカルは死に、第二部でアントワネットが断頭台の露と消えるところまでを描く『ベルサイユのばらⅢ』。

漫画の方はオスカル死ぬところまでしか読んでなかった(フェルゼンとアントワネット様に思い入れがなかった(笑))ので、第二部が新鮮な上に初風諄さんのアントワネット様が素晴らしくて、フェルゼンが「王妃様ーーーーーっ!」と叫びながら奈落に落ちていくラストにひどく感動したことだけは覚えています。

お人形のステファンも印象的。

あれって宝塚オリジナルだよね?

長い原作のどこをどう切り取って1時間半の舞台にするか。(『Ⅲ』は2時間半だけど) オリジナルの要素も加えつつわかりやすく、でも原作の雰囲気を壊さず、宝塚のスター・システムと合致する見せ方をする……。

演出の先生方ほんとすごいなぁ。

近ごろは「2.5次元」ということでアニメやマンガの舞台化が当たり前になってしまったけど、考えたら宝塚は45年も前から2.5次元だよね。
(今ググったら「日本2.5次元ミュージカル協会」というのがあってびっくりした。何でも団体があるものね…)

で。

宝塚って本当に何でも「タカラヅカ」にしちゃうなぁ、としみじみ思ったので知ってる範囲でリストアップしてみました。(リンクは感想記事)


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【漫画・アニメ】

『ベルサイユのばら』
・『オルフェウスの窓』
・『はいからさんが通る』
・『大江山花伝』
『紫子』
・『虹のナターシャ』
『エル・アルコン~鷹~』
『アル・カサル~王城~』
『ルパン三世』
『るろうに剣心』
・『ポーの一族』
・『天は赤い河のほとり』

『はいからさんが通る』、私が知っているのはウタコさん(剣幸)が編集長役をやったテレビ用の作品なんだけど、去年梅芸でも舞台化。テレビのためだけの作品があったって、今では考えられない(^^;) カンテレで舞台中継をしていたことすら今となっては夢のようだ…。


【ゲーム】

・『逆転裁判』
・『戦国BASARA』

『逆転裁判』って、宝塚で3作も作られているのね。今ググって知った(^^;)
宝塚版『戦国BASARA』は観られなくて本当に残念だった。


【テレビドラマ】

・『相棒』
・『太王四神記』

宝塚版『相棒』で右京さんをやった真飛さん、後にテレビの『相棒』にもレギュラー出演。しかしなんで宝塚で『相棒』やろうと思ったのか。


【いわゆる世界の名作】

・『風と共に去りぬ』
・『大いなる遺産』
・『二都物語』
・『戦争と平和』
・『ロミオとジュリエット』
・『華麗なるギャツビー』
『カラマーゾフの兄弟』
・『アンナ・カレーニナ』
・『復活』
『赤と黒』
・『スペードの女王』(「冬の嵐、ペテルブルクに死す」)
・『大尉の娘』(「黒い瞳」)
・『シラノ・ド・ベルジュラック』(「剣と恋と虹と」)
・『ゼンダ城の虜』
・『カルメン』(「激情~ホセとカルメン~」)
・『嵐が丘』
『モンテ・クリスト伯』
・『美女と野獣』(「バラの国の王子」
・『ルパン最後の恋』(三世ではなく本家アルセーヌ・ルパンの方。公演名は『ルパン~ARSÈNE LUPIN~』
・『ドクトル・ジバゴ』

海外ミュージカルはもちろんたくさんやっているので割愛。『ロミオとジュリエット』は海外版もやったけど、オリジナルでもバウで公演している。
『カラマーゾフ』は舞台をシチリアに置き換えた『シチリアの風』と、そのままやったのとがある。
『カルメン』は「激情」よりも男女逆転させて翻案した樹里ちゃん主演のバウ公演「カルメン」が大変良かった。最高やった。
『ルパン』はやってるけど『ホームズ』はこれまでやってないよね? 『SHERLOCK』のように現代に置き換えてホームズとワトソンのバディ物にしたら宝塚にも合いそうだけど。」
あと『大いなる遺産』は音楽が非常に良く素敵なミュージカルで大好きだった。再演すればいいのに。

小説を下敷きにしている作品は他にもたくさんたくさんあるよね。


【時代小説など】

・『源氏物語』
・『ちいさこべ』(「小さな花がひらいた)」
・『冥途の飛脚』(「心中・恋の大和路)」
・『無法松の一生』(「永遠物語」)
・『柳橋物語』『ひとでなし』(「川霧の橋」)
・『蝉しぐれ』(「若き日の唄は忘れじ」)
・『深川安楽亭』(「紫陽花の花しずく」)

『若き日の唄は忘れじ』、おふく役の白城あやかちゃんが絶品だった。もちろんシメさん(紫苑ゆう)も良かったし。
そして『紫陽花の花しずく』! バウ公演だったけど、めちゃくちゃ良くてもう! 真織由季ちゃんが「これをやったからもういい、トップとか関係なくもう辞めてもいいと思った」って言ってたはず。主役でさえない役だったけど、そう言ってしまう気持ちはわかりすぎる作品だった。
『無法松』は初代オスカルの榛名由梨さんが専科時代にやってらっしゃるんだけど、オスカルから無法松まで……演技の幅が広すぎる……。

宝塚、『鎌田行進曲』(「銀ちゃんの恋」)もやってるんだもんね。ヒロインの妊婦姿が前代未聞と騒がれた気が。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
というわけで、オリジナル作品も含め、本当に色んなジャンルのものをやっているなぁ、と改めて感心。
SF(というかスペースオペラ)は『銀河英雄伝説』でやってるし、『オーム・シャンティ・オーム』でボリウッドもやったし、あとやってないのは西部劇くらい? 私が知らないだけでやったことあるのかもしれないけど。
『荒野の決闘』とか、ドク・ホリデイがいかにも美味しい2番手役で面白そうなのになぁ。まぁ今さら西部劇を取り上げることはないか。
戦隊風なのは一度ショーでそれっぽい名乗りがあったけど、バウホールならできないこともないこともないのでは(やらなくていいけど(笑))。

「それを宝塚でやるか!」と驚く作品も楽しいけど、「これぞ宝塚!」な作品もやっぱり観たいし、大作だけでなく『星逢一夜』みたいなオリジナルの佳品ももっと観たいです。